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2025.05.10
名曲解説100

30秒でわかるヨハン・シュトラウス2世:ワルツ《春の声》

ヨハン・シュトラウス2世:ワルツ《春の声》について30秒で丸わかり♪

寺西基之
寺西基之

1956年生まれ、上智大学文学部を卒業後、成城大学大学院で西洋音楽史を専攻し、修士課程を修了。大学院在学中より音楽評論活動を始め、CDライナー、演奏会プログラム、音楽...

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ウィンナ・ワルツに最盛期をもたらしたヨハン・シュトラウス2世(1825~99)が円熟期に作曲したこの有名なワルツは、彼がブダペストを訪れ、あるパーティでフランツ・リストと同席した際に、その場で即興的に作り上げた曲がもとになっているといわれています。そして当時の名ソプラノ歌手ビアンカ・ビアンキのために、コロラトゥーラの名技を生かした歌唱付きのワルツ(歌詞は喜歌劇《こうもり》の台本作者ジェネーによるもので、春の訪れとともに生命が息づいてくることの喜びを歌う)として作り上げられたのち、管弦楽だけによるヴァージョンが作られました。

本格的な序奏といえるような部分がなく、短い導入の後にすぐに主部の主題が現れ、しばらくしてまたその主題が回帰するなど、シュトラウスのワルツとしてはやや特殊な構成をとっているのが特徴的です。いかにも《春の声》のタイトルに相応しい明るい晴れやかな曲で、ニューイヤーコンサートなどにはまさに格好の名曲といえるでしょう。

ヨハン・シュトラウス2世:ワルツ《春の声》 作品410

作曲年: 1882~83年

演奏時間: 約7分

編成: ピッコロ1、フルート1、オーボエ2、クラリネット2,ファゴット2、ホルン4、トランペット2、トロンボーン3、ティンパニ、大太鼓、小太鼓、ハープ1、弦5部、(独唱ソプラノ)

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