7月「アウトドア」特集 宇宙×音楽のコラボレーション!

今年の夏は天体ショー目白押し! 雄大な星空を眺めながら聴きたい音楽

読みもの
2018.07.05

2018年の夏は、レアな天文現象が目白押し! 星や宇宙を題材に楽曲を作っているミマスさん(アクアマリン)が、雄大な宇宙に想いを馳せるのにピッタリな音楽とともに、みなさんを夏の星空へナビゲートします。

ナビゲーター
ミマス 作詞・作曲家/音楽ユニット「アクアマリン」メンバー
ミマス
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ミマス 作詞・作曲家/音楽ユニット「アクアマリン」メンバー
Sachikoの澄みわたるボーカルと、ミマスの詞と曲を基盤とする音楽ユニット「アクアマリン」( http://aqumari.com/ )のメンバー。1998年6月結...

今年2018年の夏は星空に注目です! 見ごたえのある天体ショーが立て続けに起こるのです。ぜひこの夏は夜空を見上げて宇宙の壮大さに触れてみましょう。ここでは、この夏に見られる天体ショーをピックアップして、その楽しみ方について解説します。星空に似合うオススメの音楽も紹介したいと思います。

火星の大接近(7月31日)

この夏、火星が地球に接近して夜空に明るく見えるようになります。
火星は、太陽系のなかで地球のひとつ外側の軌道を回っている惑星。2年2ヶ月ごとに、アウトコースの火星をインコースの地球が追い抜くときにお互いの距離が近くなる、というのが火星接近のメカニズムです。

異様な存在感で赤く輝く火星は古来から人々の注目をあつめてきました。英語での呼び名は「マーズ」。ギリシア語では「アーレス」。これらはともに、神話における戦争の神(軍神)の名です。おそらく、赤い色が炎や血を連想させたためでしょう。

日本でも、いま話題の西郷隆盛にちなんで「西郷星」と呼ばれ注目を集めたことがありました。1877年の西南戦争のとき、ちょうど地球に接近中の火星が夜空に明るく輝いていたのです。「望遠鏡であの星を見ると西郷さんの姿が見える!」「西郷さんは死んだのではなく星になったのだ!」――。英雄の死を受け入れたくないという民衆心理が、そのような噂となって広まったというエピソードが知られています。

火星の夕焼けは青い! © NASA's Mars Exploration Rover
「赤い星」のイメージに反して、火星の夕焼けは青い! © NASA's Mars Exploration Rover

ところで、イギリスの作曲家グスターヴ・ホルスト(1874~1934)の組曲《惑星》は星をテーマにした名曲として広く知られています。第4曲《木星》があまりにも有名ですが、第1曲《火星》もそれに匹敵する名曲です。
まさにオーケストラの面目躍如。暑さも日頃のストレスも吹き飛ばしてくれるような、迫力のあるカッコいい音楽ですよ! ぜひこの夏、火星を眺めながら改めて聴いてみましょう。

ちなみに、かつてホルストの《惑星》が紹介される際には定番のエピソードがありました。「この組曲には冥王星が含まれていません。それは、ホルストがこの曲を作曲したときにはまだ冥王星は発見されていなかったからなのです」というもの(冥王星が発見されたのは1930年、ホルストがこの曲を作曲したのは1910年代と言われています)。しかし今日では、そのような注釈をつける必要はなくなりました。2006年にプラハで開かれた天文学の国際会議で、「冥王星は惑星から外す」という決定がなされたからです。近年の観測技術の向上は著しく、太陽系外縁部に数々の新天体が発見されるにともなって「惑星とは何か」という定義を考え直さなければならなくなったのです。他の惑星に比べて極めて小さい冥王星は惑星から外され、現在では『準惑星』と位置づけられています。結果としてホルストは「最初から正しかった」というカタチになりました。歴史というのは数奇なものですね。

さて、今回の火星接近は7月31日に最接近となりますが、何ヶ月もかけて徐々に近づき、ゆっくり遠ざかってゆくので、少なくとも夏の間は夜空に赤い火星がビカビカと輝く様子が楽しめます。宵のうちなら南東の空、深夜ならば南の空を眺めてみましょう。圧倒的に明るく輝く赤い星――。それが火星です。一目でわかりますよ。

「火星大接近2018」 © 国立天文台

 

ペルセウス座流星群(8月12~13日頃)

この夏、楽しみな天体ショーの一つがペルセウス座流星群です。流星群とは、普段の日よりも流れ星が多く見られる現象のこと。年間を通してたくさん流星群がありますが、毎年8月中旬にピークを迎えるペルセウス座流星群は特に数多くの流れ星が現れるため、もっとも見ごたえのある流星群のひとつです。ピークの晩には1時間あたり数10個程度の流れ星が見られるでしょう。

今年のペルセウス座流星群は新月の時期に当たっているため、まぶしい月明かりに邪魔されることなく好条件です。ピークは8月12日(日)の晩と予想されていますが、その日に見られなくても大丈夫。前後の数日間は流れ星が多い状態が続きますので、お時間のあるとき、お天気の良い日に夜空を眺めてみましょう。

流れ星を多く見るためのコツは、①天頂を中心にできるだけ広く夜空を眺めること、②近くに街灯や町明かりのない暗い場所を選ぶこと、③可能なかぎり長い時間夜空を眺めること、です。しかしこれらよりも大事なのが「安全に注意する」こと。夜中に暗い場所へ出かけるのは、いろいろな意味で危険をともないますよね。くれぐれも気をつけて楽しんでください。

© 国立天文台
© 国立天文台

最後に、僕がもっとも宇宙を感じるオススメの曲を紹介させていただきます。オーストリアの作曲家、アントン・ブルックナー(1824~1896)の交響曲第8番と第9番。どちらも1曲で1時間を超えるような大作です。本当に壮大なスケールの音楽で、ゆったりと身を浸すように聴いていると、宇宙の開闢、太陽系の誕生といった神々しいスペクタクルが目の前に展開するような感覚になります。

ブルックナーの交響曲は長大で抽象的・哲学的であることから、クラシック初心者には難解だという意見を聞くことがあります。しかしながら僕は、クラシック音楽に興味を持っていろいろ聴き始めた若い頃、初めてブルックナーの交響曲を聴いた瞬間に「これこそ宇宙の音楽だ!」と、一聴してファンになりました。宇宙のことを考えたり、雄大な自然の風景に包まれるのが好きだという方は、ブルックナーと相性がよいかもしれません。機会があったらぜひ聴いてみてください。

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