シェーネル? シェーナー? 現代ドイツ流の発音で「第九」を歌ってみよう!
2023.11.22
歌詞から迫る「第九」その1
「第九」の歌詞は危機と友情から生まれた!? 「歓喜に寄せて」執筆の背景
年末の風物詩としておなじみの「第九」。第4楽章では4人のソリストと合唱によって、ドイツの文豪シラーの「歓喜に寄せて」が高らかに歌われます。このシラーの詩について、3回にわたって詳しく理解を深めていきます。
まずは、「歓喜に寄せて」が執筆された背景に注目! シラーの友情やフリーメイソンが深く関わっているのです。
山取圭澄 ドイツ文学者
京都産業大学外国語学部助教。専門は18世紀の文学と美学。「近代ドイツにおける芸術鑑賞の誕生」をテーマに研究し、ドイツ・カッセル大学で博士号(哲学)を取得。ドイツ音楽と...
ベートーヴェンの「交響曲第9番」は、もっとも有名なクラシック音楽の一つ。日本では「第九」という名で親しまれ、年の瀬を飾る定番曲になっている。この曲を特徴づけているのは、なんといっても第4楽章だろう。「おお友よ!(O Freunde!)」というバリトンの掛け声から始まる合唱は、ベートーヴェンが辿り着いた境地、「苦悩を突き抜けた喜び」という人生観を感じさせるものだ。
続きを読む
しかし、「第九」に込められているのは、作曲家ベートーヴェンの信念だけではない。歌詞を書いた詩人シラーの想いも詰まっている。そこで、まずは「歓喜に寄せて(An die Freude)」という詩が書かれた背景に迫りたい。
ベートーヴェン:交響曲第9番《合唱付き》
シラーとケルナーの友情から生まれた作品
フリードリヒ・シラーは、ゲーテと並ぶドイツ文学を代表する作家である。ロッシーニの《ウィリアム・テル》、チャイコフスキーの《オルレアンの少女》、ヴェルディの《ドン・カルロス》など、シラーの作品から生まれた音楽作品も多い。
ロッシーニ:《ウィリアム・テル》
ランキング
- Daily
- Monthly
関連する記事
ランキング
- Daily
- Monthly
新着記事Latest
2024.07.26
動画で学ぼう!日本の歌のうたいかた#4 小3で習う《ふじ山》《茶つみ》《春の小川...
2024.07.26
ブラームスを知るための25のキーワード〜その14:ピアノの腕前
2024.07.24
現代音楽界のレジェンド、I.アルディッティにきく 作曲家との50年を振り返るプロ...
2024.07.24
田中彩子~デビューから「台風の目の中」で進んできた10年、さらなる挑戦へ
2024.07.24
芸術家が愛したパリのカフェ〜ドビュッシーとプルーストが出会ったヴェベールなど5選
2024.07.22
橋本阿友子さん×町田樹さん特別対談 #3 フィギュアスケートの音楽編曲と著作権
2024.07.20
福間洸太朗を変えた 現代音楽との出会い「音楽世界の水先案内人でありたい」
2024.07.18
【Q&A】次世代カウンターテナー・上村誠一さん~合唱が原点。自分らしさを大切に