読みもの
2020.04.18
井内美香の「カプリッチョな音楽手帖」 vol.4

イーサン・ホークを重圧から救った、あるピアノ教師の言葉『人生をより美しくシーモアさんとの対話―音楽、友情、家族、そして創造』

井内美香
井内美香 音楽ライター/オペラ・キュレーター

学習院大学哲学科卒業、同大学院人文科学研究科博士前期課程修了。ミラノ国立大学で音楽学を学ぶ。ミラノ在住のフリーランスとして20年以上の間、オペラに関する執筆、通訳、来...

2020年1月18日の映画再鑑賞会にて。左から訳者の小野山弘子、イーサン・ホーク、シーモア・バーンスタイン。
©Erika White

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だれもが憧れる一流のアーティストに生まれてみたかった。そう思ったことがあるのは筆者だけではないでしょう。でも、真の芸術家は、大きな苦悩をかかえることもあります。

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アメリカを代表する名優の一人であるイーサン・ホークは、そのキャリアにも関わらずアーティストとして、そしてひとりの人間として行き詰まりを感じていました。自分は何のために俳優という仕事をしているのか? その悩みを解決したのは、あるディナーで同席した老齢のピアノ教師シーモア・バーンスタインとの対話でした。

ホークはシーモアさんを主人公にした、音楽と人生についての映画を撮ることを決意します。

ニューヨークでピアノの名教師として知られるシーモア・バーンスタインの映画『シーモアさんと、大人のための人生入門』はこうして生まれました。日本でも2016年に公開され、大きな話題に。古いアパートメントで、独り暮らしをしながらピアノを教えるシーモアさん。彼の人生は音楽に捧げられ、音楽が彼の人生をこの上なく豊かなものにしています。

そしてこのたび、映画が語っているシーモアさんの芸術と人生を、より深く掘りさげた本『人生をより美しく シーモアさんとの対話—音楽、友情、家族、そして創造』(シーモア・バーンスタイン、アンドリュー・ハーヴェイ 著/小野山弘子訳 音楽之友社刊)が出版されました。

映画にも登場している詩人のアンドリュー・ハーヴェイがシーモアさんに丹念にインタビューしています。映画では短く切り取られていたエピソードをはじめ、多くの話題が、深く、詳しく語られます。何度も読み返したくなる一冊です。

シーモアさんを囲むニューヨークでの日本クラブイベントでの写真。
©Erika White
井内美香
井内美香 音楽ライター/オペラ・キュレーター

学習院大学哲学科卒業、同大学院人文科学研究科博士前期課程修了。ミラノ国立大学で音楽学を学ぶ。ミラノ在住のフリーランスとして20年以上の間、オペラに関する執筆、通訳、来...

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