タワレコ・バイヤー推し! の3枚

アウトドアを感じる1枚&「レコード芸術」特選盤の再選!

読みもの
2018.07.04

タワーレコードのクラシック担当バイヤーが、本Webマガジンの7月の特集「アウトドア」をテーマに合った1枚をピックアップ! さらに、月刊誌「レコード芸術」8月号の特選盤に選んだCDの中から、さらに優れた2枚を推してもらった。

推した人
板谷祐輝 タワーレコード オンライン事業戦略部
板谷祐輝
推した人
板谷祐輝 タワーレコード オンライン事業戦略部
2011年タワーレコード入社。オンラインショップのマーケティング・事業戦略を担当。好きな音楽はクラシック、現代音楽、アンビエント、欅坂46。趣味は作曲、ピアノ、クラリ...
中川浩淳 タワーレコード 商品本部クラシック担当
中川浩淳
中川浩淳 タワーレコード 商品本部クラシック担当
2018年5月で入社して丸22年。J.S.バッハやブラームス好きで、最近はピアノ音楽にはまっていて古典派から近現代まで幅広く聴いています。2018年のドビュッシーのメ...
板倉重雄 タワーレコード商品本部洋楽部
板倉重雄
板倉重雄 タワーレコード商品本部洋楽部
レコード「板」の「倉」を守る「重」たい「雄」です。「レコード芸術」購読歴は40年、レコード業界歴は24年。現在タワーレコード株式会社、商品本部洋楽部勤務。SPレコード...

山に“登った気”になる名曲《アルプス交響曲》 ~特集「アウトドア」タワーレコード編

■R.Strauss: Eine Alpensinfonie, Don Juan, etc

山はどうしてこんなにも人を魅了するのだろう。そこに山があるから人は登る。そこに山があるから人は祈る。そこにロマンがあるから人は心沸き立つのではないだろうか。

リヒャルト・シュトラウスが10代の頃に経験した登山より端を発した管弦楽曲《アルプス交響曲》は、そんな山へのロマンがふんだんに詰まった楽曲だと思う。神々しい夜明けから、美しい情景を通り過ぎ、時に危険に会い到達する頂上、圧倒的な感動。そして下山・嵐を経て、夜が再び訪れる。登山の一日すべてを見事に50分間の交響曲で描いた大作である。

元はニーチェ『アンチクリスト』を題材とした楽曲《アンチクリスト-アルプス交響曲》とする予定だったという。彼がツークシュピッツェ山を登ったときに感じたその自然への感動は非宗教的な自然愛からくるものだったからなのか、すとんと何かが腹に落ちた。

僕の遅すぎるリヒャルト・シュトラウスデビューを担ったのが、この生誕95周年企画でリリースされたカラヤン盤だった(もう15年以上も前!)。《ツァラトゥストゥラ》や《ティルオイレン》が聴ければいいやと思って手に取ったのだが、気づいたらアルプス交響曲ばかりを聴いていた。決して登山は趣味にしていない、というより、そもそもアウトドアが苦手な僕だが、この曲を聴くと“山の素晴らしさ”を感じられる。

ちなみに“アルプス交響曲”といえばスイスの作曲家、ラフの交響曲第7番《アルプスにて》なんかもあるので、併せて聴いてみると面白いかもしれない。

やっぱり自然は偉大。

R.Strauss: Eine Alpensinfonie, Don Juan, etc

演奏:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
4742812

ピリオド楽器の優しい響きで聴くクラヴィーア協奏曲 ~「レコード芸術」2018年8月号「新譜月評」特選盤より

■J.C.バッハとW.A.モーツァルトのクラヴィーア協奏曲

ベルギーで行なわれる権威あるブルージュ国際古楽コンクールにてフォルテピアノ部門第1位と聴衆賞を受賞、数々のコンサート・シリーズやレクチャー・コンサートなど、幅広い活動を行っているフォルテピアノ奏者、小倉貴久子。

今作は、モーツァルトと、J.S.バッハの11番目の息子であり、モーツァルトが生涯尊敬の念を抱いていたというヨハン・クリスチャン・バッハのクラヴィーア協奏曲を収録。

共演は、コンサートマスター桐山健志のもと、バッハ・コレギウム・ジャパンやオーケストラ・リベラ・クラシカなどで活躍する古楽演奏のスペシャリストで構成されたピリオド楽器による室内オーケストラ。

モーツァルトのピアノ協奏曲第27番は、彼の最期の年に完成した最後のピアノ協奏曲。その洗練された美しさで人気の作品を、演奏の素晴らしさと古楽器ならではの優しい響きにより、理屈抜きに楽しめるアルバムとなっています。

                 (商品本部クラシック担当 中川浩淳)

J.C.バッハとW.A.モーツァルトのクラヴィーア協奏曲

フォルテピアノ : 小倉貴久子
ALCD-1176

若きブルックナーの交響曲第1番 ~「レコード芸術」2018年8月号「新譜月評」特選盤より

■ブルックナー:交響曲第1番[1866年リンツ稿]

この作品が生まれたのは1866年。同じウィーンでしのぎを削ったブラームスの交響曲第1番よりも10年も早く、ブルックナーが尊敬していたワーグナーも1865年に《トリスタンとイゾルデ》を初演したばかり。

しかし、不規則な拍節感、素朴で荒々しい迫力、輝かしいファンファーレ、弱音での静謐な美しさ、といったブルックナーの独創性が、早くも、強烈に脈打っていることに驚かされる。

この作品には作曲者が晩年に改訂した、より安定した形式をもつ版「ウィーン稿」も存在するが、ヤルヴィは1866年の初稿「リンツ稿」を使って若きブルックナーの「野心」を生々しく表現している。

オーケストラの響きは研ぎ澄まされており、ハーモニーは透明に美しく、楽器の重なり合いが透けて見えるほど。テンポは速めで、リズムは前進的で、表現のテンションが極めて高い。ヤルヴィのこうした踏み込んだ表現は、若書きの「リンツ稿」にぴったりであり、聴き応え十分の名盤が誕生した。

                (タワーレコード商品本部 板倉 重雄) 

ブルックナー:交響曲第1番[1866年リンツ稿]

演奏 : パーヴォ・ヤルヴィ(指揮)、 フランクフルト放送交響楽団
SICC-10255

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