タワレコ・バイヤー推し! の3枚

ホラーな1枚&「レコード芸術」特選盤の再選!

読みもの
2018.08.01

タワーレコードのクラシック担当バイヤーが、本Webマガジンの8月の特集「ホラー」に合った1枚をピックアップ! さらに、月刊誌「レコード芸術」8月号の特選盤に選んだCDの中から、さらに優れた2枚を推してもらった。

推した人
板谷祐輝 タワーレコード オンライン事業戦略部
板谷祐輝
推した人
板谷祐輝 タワーレコード オンライン事業戦略部
2011年タワーレコード入社。オンラインショップのマーケティング・事業戦略を担当。好きな音楽はクラシック、現代音楽、アンビエント、欅坂46。趣味は作曲、ピアノ、クラリ...
上村友美絵 タワーレコード商品本部
上村友美絵
上村友美絵 タワーレコード商品本部
音大を卒業後、タワーレコードに入社。クラシックに限らずピアノものが好き。趣味は映画に舞台鑑賞。
板倉重雄 タワーレコード商品本部洋楽部
板倉重雄
板倉重雄 タワーレコード商品本部洋楽部
レコード「板」の「倉」を守る「重」たい「雄」です。「レコード芸術」購読歴は40年、レコード業界歴は24年。現在タワーレコード株式会社、商品本部洋楽部勤務。SPレコード...

首なし騎士の襲来! 戦慄のピアノ小品~特集「ホラー」タワーレコード編

■New Music Collections Vol.4 - Piano Various Artists

「首なし」と言えばホラー作品の代名詞だ。日本でも(僕の年齢がバレそうだが)「首なしライダー」なんていうのが流行っていたが、何と言ってもスリーピー・ホロウの伝説の「首なし騎士」こそがホラーの王道たるキャラクターではないだろうか。ティム・バートン×ジョニー・デップの1999年の映画も、実に印象的だった。

さて、そんな首なし騎士を描いた楽曲が、本盤Tr.18に収録されているイギリスの現代作曲家: スティーヴン・モンタギューのピアノ小品《Headless Horseman》である。一聴すると付点の伴奏がなんとも勇壮的でかっこいい曲なのだが、途中からグリッサンドの応酬が始まり、雷の具体音が挿入され、恐ろしく生々しい首なし騎士の襲来を2分で見事に描ききっている。

本盤はイギリスの現代音楽に特化し良質な音楽を世に送り出しているレーベル、「NMC」がリリースした4種のコンピレーションアルバムの一角である。「Vol.1 Chorus」「Vol.2 Electronica」「Vol.3 Orchestra」に続いてリリースされた、22曲ものイギリス現代音楽のピアノ作品を収録している。親しみやすくも新しいピアノの響きをつまみ喰いするには絶好の企画盤である。

なお《Headless Horseman》は13のピアノ小品集《Autumn Leaves》 のうちの一曲で、同レーベルからもリリースされているモンタギュー作品集「Southern Lament」に収録されている。興味をもっていただいた方はぜひこちらも。

(タワーレコード オンライン事業戦略部 板谷祐輝)

ピアノ: Various Artists
NMCD207

しっとりとした情感を歌い上げるジョシュア・ベルの真骨頂 ~「レコード芸術」2018年9月号「新譜月評」特選盤より

■ブルッフ:スコットランド幻想曲,ヴァイオリン協奏曲第1番

グラミー賞受賞のヴァイオリニスト、ジョシュア・ベルの新録音は、ブルッフの《ヴァイオリン協奏曲第1番》と《スコットランド幻想曲》。2011年より音楽監督を務めるアカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズとの自ら弾き振りでの共演アルバム。

ベル初録音となる《スコットランド幻想曲》は、丁寧で繊細なニュアンスに魅了される演奏です。スコットランド民謡「ジョニーがいなくてがっかり」のメロディを取り入れた有名な第3楽章は、まさにベルの真骨頂。

ソロ・ヴァイオリンを担当した映画『ラヴェンダーの咲く庭で』の《ヴァイオリンと管弦楽のためのファンタジー》(フィギュアスケートで使用される人気楽曲)のような、しっとりとした情感をたおやかに優しく歌い上げる……心に染み入る音色に夢心地。

《ヴァイオリン協奏曲第1番》は、アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズの前音楽監督ネヴィル・マリナーとの録音歴があり、今回自ら音楽監督として再録音を果たしています。

(タワーレコード商品本部 上村友美絵)

ヴァイオリン:ジョシュア・ベル
19075842002

技術的、精神的な成熟によって奏でられる豊かなバッハ ~「レコード芸術」2018年9月号「新譜月評」準特選盤より

■バッハ:ヴァイオリン協奏曲第1番・第2番 無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番

ダニエル・ロザコヴィッチは2001年、ストックホルム生まれ。15歳の誕生日に名門ドイツ・グラモフォンと専属契約を結んだ天才ヴァイオリニストである。

16歳のときに録音されたこのデビューCDを聴いて、まず感じるのは、モダン楽器、モダン奏法による揺るぎない絶対的な安定感をもった技巧と、陰翳が細やかに移り変わる琥珀色の落ち着いた音色である。

そして、技術だけではどうにもならない内面的な深みをたたえたバッハの音楽に真正面から対峙し、自然な音楽の流れの中に、寂しさや物悲しさといった人間感情の奥底の表情を覗かせる。彼が技術的にも音楽的にも精神的にも成熟した演奏を行なっていることに、まったく驚かされてしまった。

ロイヤル・ストックホルム・フィル、スウェーデン放送響、マリインスキー劇場管、フランス国立管、ボストン響といった欧米の一流オケから引っ張りだこというのも納得の名演奏である。

(タワーレコード商品本部 板倉 重雄)

ヴァイオリン: ダニエル・ロザコヴィッチ
UCCG-1797

ツイートする
シェアする

ONTOMOの更新情報を1~2週間に1度まとめてお知らせします!

更新情報をSNSでチェック
ページのトップへ