飯田有抄のミーハー☆ウィーン音楽旅 vol.03

イケメン・アングルを狙え! ベートーヴェンらウィーンゆかりの大作曲家たちの銅像を巡る音楽さんぽ

読みもの
2020.01.19

クラシック音楽のミーハー代表、でもウィーンは初心者……という飯田有抄さんがレポートするウィーン旅。今回は、ウィーンに数多く鎮座する大作曲家たちの銅像を、いかにイケメンに撮れるか!? 知らない道に少し迷いながら、飯田さん大興奮でシャッターを切っております。

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photos:飯田有抄
にわかカメラマン
飯田有抄 クラシック音楽ファシリテーター
飯田有抄
にわかカメラマン
飯田有抄 クラシック音楽ファシリテーター
1974年生まれ。東京藝術大学音楽学部楽理科卒業、同大学院修士課程修了。Maqcuqrie University(シドニー)通訳翻訳修士課程修了。2008年よりクラシ...

前回のレポートでは、ウィーン古典派の作曲家ゆかりのスポットを巡り、彼らの残像を追い求めましたが、今回はリアルに(?)ヴィジュアルを追い求めてみました。

ウィーンには作曲家たちの銅像や石像があちこちにあります。それらの多くは伝記や雑誌などで紹介されており、「見たことある!」という有名な像もたくさんあります。

生きた彼らに会うことはできなくても、せめて像の彼らをこの目で見つめたい。なんなら彼らが一番イケメンに見えるアングルを見つけ、写真に収めたい……そんな欲望にかられた私は、作曲家の像巡り散歩にでかけました。

ド素人ながらカメラマンになりきり、作曲家たちに向かって「いいねぇ、うん、いいよぉ……」と心の中で呟きながら、レンズを向けて撮影してきたコレクション。一挙にご紹介いたします。

ウィーンで会えるイケメン・ベートーヴェン2選

まずはこの方、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827)。ウィーンでは博物館やホテルなどで、大小さまざまなベートーヴェン像にお会いすることができますが、2体の写真をお見せします。

こちらは教科書なのか、伝記なのか、はたまたテレビなのか、きっとどこかで見たことありますよね。像とはいえ、生でみるとやはりその迫力に感激します。

ウィーン楽友協会にほど近い「ベートーヴェン広場」にある超有名な銅像。ベートーヴェンは、現ドイツのボンの生まれ。22歳頃にウィーンへ移住。この地で没した。

広場といっても比較的小さなスペース。子どもたちの声が聞こえる公立中学校の校舎の隣に突然現れるので、ちょっと拍子抜けするくらい親近感の湧くスポットでした。

じーっと見つめてイケメン・アングルを探りました。それが、こちら!

あいにく、今にも雨が降り出しそうな、真っ白な曇り空の下、その瞳をじっと見つめていると、なんだか憂いのような、優しさのようなものが感じられました。よくある肖像画のもじゃもじゃヘアーも、ここではフンワリとカールした柔らかそうな御髪にも見えてきます。イケメン!

続いてはこちら。

ハイリゲンシュタットにあるベートーヴェンのお顔だけの像。

ハイリゲンシュタットといえば、ベートーヴェンがかの「遺書」を書いた地として知られていますが、彼は静養のためにしばしば訪れ、交響曲第6番「田園」の構想を練ったとことでも知られるスポット。ウィーン郊外(19区)の緑あふれる場所です。

ベートーヴェン:交響曲第6番《田園》

彼がよくお散歩したと言われる「ベートーヴェンの小径」を歩いていきますと、ふと現れるのがこの小像です。イケメン・ポイントから撮影したお写真がこちら。

眉間に皺こそ寄っているものの、やや穏やかで、知的な表情を感じ取ることができるように思うのです。イケメン!

ところで、この有名なお散歩道「ベートーヴェンの小径」ですが、なんだか初めて歩いたような気がしません。えもいわれぬ既視感が。

これは、もしや……! 石神井公園と似ているではないか!

「楽聖が触発されたスポットを、練馬区と一緒にするとは、けしからん!」 と、どこからかお怒りの声が聞こえてきそうですが。

でも事実。石神井公園とか妙正寺公園に、似てる似てる(ローカルねたですみません)。東京砂漠も大きな公園を歩けば、緑の力によってにどんなにか心癒されることか! 私も疲れたらよく公園に行くので、大作曲家に妙な親近感が湧いてしまったのはいうまでもありません。

やはり、散歩は大事ですよね、ベートーヴェン先生。

看板には「Beethovengang(ベートーヴェンの小径)」の文字が。ここは間違いなくハイリゲンシュタットです。
何度も言いますが、ここはハイリゲンシュタットです。練馬区ではありません。

素敵な鼻筋、しなり具合! イケメン・モーツァルト

続いてはこちらです、神の子モーツァルト(1756-1791)! 

こちらも大変有名な像で、リング通りに面したブルクガルテン王宮庭園にある記念像です。像の前のト音記号に整えられた植え込みが大変おしゃれ。

ブルクガルテン王宮庭園にあるモーツァルトの記念像。
現オーストリアのザルツブルクに生まれて、25歳ころにウィーンに移住し、35歳で亡くなるまでこの地に住んだ。

ティルグナーという彫刻家によって19世紀に作られた像で……といった説明は、この際多くのネット情報やガイドブックなどにお任せするとして、ともかくイケメン・アングルを探りましょう。

右から見るのもいいですが……

 

ちょっと左サイドからのこの立ち姿、しなり具合、イケてます。

そしてよくよく見ますと、お鼻がかなり高くていらっしゃいます。イケメン!

眼鏡をとったマッシュルームくん、イケメン・シューベルト

シューベルト(1797-1828)の評伝を読みますと、ぽっちゃり体型で、寝るときもメガネをかけていたとか、顔に吹き出物があったとか、「マッシュルームくん」などというあだ名がつけられていたとか、女性にモテなかったとか、いろいろ書かれていて、どうもその容姿は讃えられたものではなかった様子が伝わります。

とはいえ、学校の音楽室に並んでいた作曲家たちの肖像画の中では、私はずっと彼が一番ハンサムだと思っていました。

ウィーンの市立公園におられるシューベルトはかなり立派です! マッシュルームなんて言わせない迫力があります。

ウィーン市立公演のフランツ・シューベルト像。
ウィーン郊外リヒンタールの生まれ。9歳頃からウィーン楽友協会音楽院の前身コンヴィクトで学び、ウィーン少年合唱団でも歌った、生粋のウィーンっ子。

説明をつけなければ、おそらくシューベルトだとはわからないかもしれないイケメンぶり(失礼!)。だってメガネかけてないし。

眼鏡をとった俺を見てほしい。

なお、シューベルトの生家は博物館となっており、彼が愛用していたメガネも展示されています。土砂降りの雨に打たれ、道に迷いながら行ったというのに、「メガネはいま大阪の展覧会に貸し出し中」と受付のマダムに告げられ、膝から崩折れたことは、私、一生忘れません。(帰国後、大阪まで行きました!)

こぢんまりとした中庭の美しい、シューベルト生家の博物館。

シューベルトの生家。

こちらで見られる肖像画や胸像は、やや「マッシュルームくん」感があるかもしれませんね。

マッシュルームくんの代表作、歌曲「ます」

黄金のワルツ王、イケメン・ヨハン・シュトラウスII世

どんどん行きましょう。続いては「ワルツ王」と称されたヨハン・シュトラウスII世(1825-1899)です。彼の像といえば、やはりウィーン市立公園にある、金ピカのこちらです。

ウィーン市立公園のヨハン・シュトラウスII世像。
ウィーン郊外ザンクト・ウルリッヒ出身の作曲家・指揮者。ワルツ王にして、19世紀ウィーンのスーパースター。

さすがに華やか! スターのオーラ満載です。さっそくイケメン・ポイントを探します。

イケメン!……なのだろうか? 金ピカすぎてよくわかりません。
ウィンナー・ワルツの帝王を、もうちょっとイケメンに撮りたい。

というわけで、出かけてきました。シェーンブルン宮殿の近くにある「カフェ ドンマイヤー」。こちらは、1844年10月15日に、ヨハン・シュトラウスII世が自分のオーケストラを指揮してデビューを飾ったカフェとのこと。

ヨハン・シュトラウスII世のデビュー・コンサートで、最初に演奏された自作曲、ワルツ『記念の詩』op.1。

こちらの石像のほうが、目がぱっちりしていてイケメンかなと思います。

カフェ・ドンマイヤー前に建つヨハン・シュトラウスII

店内には、優雅にヴァイオリンを弾く彼の絵も。おいしいモンブランをいただきました。

ちなみに、シェーンブルン宮殿は、日中は観光客で激混みだそうで、時差ボケを利用して早朝散歩をするのがオススメです。ひと気のない庭園を歩くのは気持ちがいいですよ。

番外編 イケメンに撮って差し上げたかった......レハールとブルックナー

市立公園の黄金に輝くシュトラウスII世像から、数十メートルしか離れていないのに、ひとっこ一人いない草ぼうぼうの場所に、誰かの像がありました。最初は素通りしてしまったのですが、なんとレハールの像でした。「メリー・ウィドウ」でおなじみ、ウィンナ・オペレッタの大家です。もうちょっと、手入れをしてあげてほしい。

フランツ・レハール(1870-1948)。
現在のハンガリー生まれ、プラハでドヴォルザークに学び、ウィーンでデビューしたウィンナ・オペレッタの作曲家。

イケメンに撮ってさしあげたくても、草が写り込んでしまいます。目がちょっと怖い。

レハールの代表作で、大人気演目の喜歌劇《メリー・ウィドウ》。

市立公園にはもうお一方、長大な交響曲でおなじみのブルックナーさんもいらっしゃいます。

アントン・ブルックナー(1824-1896)。
現オーストリアのリンツに近い村アンスフェルデン出身。ウィーン国立音楽院の教授を務め、この地に没した。

だいぶお年を召してからのブロンズ像のようで、アングルを探りましたが、イケメンか?と問われれば、やや微妙な気もいたします。

ブルックナー:交響曲第8番。演奏時間は1時間27分!

金髪ハンサムはダンディなおじさまに! イケメン・ブラームス

最後はこのお方。ブラームスです。ブラームスはお若いころ、本当にハンサムだったようです。金髪に青い瞳だったそうで。

ヨハネス・ブラームス(1833-1897)。
現ドイツのハンブルク生まれ。30代後半でウィーンに移住して以降、この地で活躍・没した。
写真は1853年、20歳のブラームス。

ただし、カールスプラッツ駅近くのレッセル公園にある有名なブラームス像は、かっぷくのいい髭もじゃダンディーになってからのお姿。

この姿はこの姿で、迫力があってかっこいいです。そりゃミューズもひざまずいてリラを奏でますとも。

イケメン・アングルを狙います。こっちか?

いや、こっちだ。

いかがでしたでしょうか、ウィーン・イケメン写真館。

ウィーンを訪れた際には、作曲家像たちのあなただけのイケメン・アングルを探してみてください。

ブラームス:交響曲第1番~第1楽章

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