イベント
2018.03.30
春、体感する音楽。BRA★BRA FINAL FANTASY VII

『ファイナルファンタジー VII』の世界を音楽で旅しよう

『ファイナルファンタジー』シリーズ屈指の名作、『FFVII』の音楽を、シエナ・ウインド・オーケストラの演奏で楽しもう! この春、あなたをゲームの世界へ誘います。

ナビゲーター
hide/永芳英敬
ナビゲーター
hide/永芳英敬 フリーランスライター

ゲーム音楽の分野を中心に活動するフリーランスライター。ゲーム音楽作曲家へのインタビュー記事、ゲーム音楽演奏会のレポート記事などを多数執筆しています。好きなゲーム作品:...

この記事をシェアする
Twiter
Facebook

 スクウェア・エニックスが制作するロールプレイングゲーム、『ファイナルファンタジー』(以下『FF』)シリーズ。最先端の映像技術や、勧善懲悪ではない奥深いストーリー性などをもつこの作品は、全世界累計1億3500万本(2017年9月時点)の出荷を記録し、世界的な人気を博してきました。本作の大きな魅力のひとつが、作曲家・植松伸夫氏によって紡がれてきた美しい音楽です。

 ゲームのBGMとして流れる音楽、すなわち「ゲーム音楽」。いま、全国各地で、この「ゲーム音楽」の演奏会が増えています。この春、4月14日(土)より全国9都市+台湾で開催される「BRA★BRA FINAL FANTASY VII BRASS de BRAVO with Siena Wind Orchestra」も、そのひとつです。

 本公演は、2015年から毎年開催され、大きな反響を呼んでいる『FF』の吹奏楽公演ツアーの第4弾です。今回は、1997年にプレイステーションで発売された、シリーズでも屈指の人気作『ファイナルファンタジーVII』(以下『FFVII』)の楽曲が特集されます。これまでの公演と同様、植松氏が制作総指揮を担当し、日本を代表するプロの吹奏楽団、シエナ・ウインド・オーケストラが演奏を担当します。本稿では、筆者が過去の公演に参加した際の体験談を交えて、その魅力をご紹介していきましょう。

 

BRA★BRA FINAL FANTASY

音楽でよみがえる、ゲームの“思い出”

 「BRA★BRA FINAL FANTASY」(以下「BRA★BRA FF」)シリーズは、これまでに3回のツアーが実施され、日本各地で公演が開催されてきました。筆者も過去の公演に参加したことがありますが、非常に楽しかったです! 『FF』の楽曲はメロディアスで美しく、ロマンにあふれているものが多いのですが、それをシエナ・ウインド・オーケストラのダイナミックな演奏で楽しめるのは、想像以上に素晴らしいものでした。

 筆者も『FF』シリーズは多数プレイしてきましたが、植松氏の楽曲は、物語中の印象的なシーンとともに胸に焼き付いているものばかりです。どれだけ時間が経っても、ゲームの思い出は心の奥底に眠っています。「ゲームは子どものころにプレイしていたけれど、今は忙しくて時間が取れず、あまりプレイできなくなった」という方も、演奏を聴けば、ゲームをプレイしていた当時の出来事も含めて、さまざまな思い出がよみがえってくるかもしれません。

 今回のツアーで演奏される『FFVII』が発売されたのは21年前で、長い時間が経っています。しかし、植松氏が生み出してきた美しい楽曲の数々は、今なお多くのファンの心をとらえて離さない魅力に満ちています。

 

奥深い心理描写を演出する、『FFVII』の楽曲

 『FFVII』は、シリーズ初の3次元で描かれたリアルなグラフィックが、当時多くのゲームユーザーに驚きと興奮をもって迎えられた作品です。本作では、滅びゆく星の運命を救うために戦う主人公・クラウドを中心とした物語が描かれているのですが、彼が物語中で出会うことになる“本当の自分”と向き合うことをテーマとした、人間の奥深い心理描写が印象的でした。それを見事に演出していたのが、植松氏の音楽です。

 

 特に印象に残っているのは、「F.F.VIIメインテーマ」(2:52~)です。大きな起伏と、美しく繊細な旋律を持つこの楽曲は、基本的にはゲーム中の世界(フィールド)を歩く際に流れるのですが、ゲーム中のとある重要なシーンで、クラウドが“本当の自分”と向き合う際にも流れます。さらには、クラウドが「自分は何者なのか」ともがき苦しむシーンでは、複雑な感情を表現するような重い編曲にされたりと、ゲーム全編にわたって「クラウドの複雑で不安定な心理」を演出するものとしてさまざまな形で使用されています。まさに作品の顔というべき楽曲になっているのです。

 ほかにも『FFVII』の楽曲は、立ちはだかるボス敵との戦闘を盛り上げるロック調の楽曲「更に闘う者達」(2:00~)、儚い美しさに満ちたヒロイン・エアリスの楽曲「エアリスのテーマ」(6:52~)など、どれも物語を彩る各シーンにマッチしたものになっています。ゲームをご存知ない方でも、どんなシーンなのかをイメージしながら、ひとつの楽曲として楽しめると思います。

 

シエナと一緒に演奏できる、“参加型”コンサート

「BRA★BRA FF」の大きな特徴としては、“参加型”のコンサートになっていることが挙げられます。来場者がステージに上がって、作曲者の植松氏やシエナの奏者と一緒に演奏できるコーナーが設けられています。楽器の演奏経験がない方でも、心配はいりません。カスタネットやマラカスといった楽器でも、もっと言えば手拍子でも、ステージに上がって演奏に参加できます。

 筆者も、「楽しまなきゃもったいないよね!」と、タンバリンを持ってエイヤッとステージに上がり、「マンボ de チョコボ」という楽曲の演奏に参加させていただきましたが、同じくステージに上がった観客の皆さんや、シエナの皆さん、そして植松氏と一緒に演奏できてとても楽しかったですね。楽器の上手い下手などはまったく関係なく、非常に心が躍る体験でした。「ステージ側から観客席を見られる」というのも、なかなかできないユニークな体験です。

 

生演奏の力で、元気をもらえる

『FFVII』のゲーム中で流れていた楽曲は “内蔵音源”という、ゲーム機本体で生成されるやや電子的な響きのものでしたが、それを生楽器による豊かな音色で楽しめることもコンサートの魅力のひとつです。

 熱のこもったパフォーマンスは、たった数時間で、ひょっとするとあなたの人生を変えてしまうかもしれない、そんな大きなパワーを秘めています。生演奏で得られるエネルギーは非常に大きなもので、明日への活力を得られますし、実際に筆者もこれまで、何度となく元気をもらってきました。「BRA★BRA FF」は、『FF』がお好きな方はもちろんのこと、普段ゲームをプレイされない方でもひとつの音楽として楽しめるコンサートです。

 さあ、あなたもぜひ一度、ゲーム音楽の演奏を体験してみませんか。新たな世界が開けるかもしれませんよ!

昨年のコンサートより
昨年のコンサートより
昨年のコンサートより
ファイナルファンタジーVII×吹奏楽
BRA★BRA FINAL FANTASY VII BRASS de BRAVO with Siena Wind Orchestra

制作総指揮: 植松伸夫
指揮: 栗田博文
演奏: シエナ・ウインド・オーケストラ
MC: 山下まみ ※一部公演を除く

 

《公演スケジュール》
全9都市+台湾 全13公演
4月14日(土) 東京 Bunkamura オーチャードホール
4月29日(日) 大阪 オリックス劇場
4月30日(月・祝) 宮城 仙台銀行ホール イズミティ21・大ホール
5月1日(火) 愛知 日本特殊陶業市民会館・フォレストホール
5月6日(日) 北海道 札幌コンサートホールKitara・大ホール
5月12日(土) 東京 東京文化会館・大ホール
6月23日(土) 神奈川 神奈川県民ホール・大ホール
7月15日(日) 兵庫 神戸国際会館・こくさいホール
7月20日(金) 福岡 福岡シンフォニーホール(アクロス福岡)
7月21日(土) 広島 上野学園ホール
7月23日(月) 台湾 國家表演藝術中心國家音樂廳(National Concert Hall)

 

料金: 指定席6,800円/学生シート4,800円

 

主催:スクウェア・エニックス/ローソンチケット/一般社団法人ジャパン・シンフォニック・ウインズ
制作:プロマックス
協力:スマイル・プリーズ/ドッグイヤー・レコーズ

公式サイト: http://sqex.to/bbff2018

ナビゲーター
hide/永芳英敬
ナビゲーター
hide/永芳英敬 フリーランスライター

ゲーム音楽の分野を中心に活動するフリーランスライター。ゲーム音楽作曲家へのインタビュー記事、ゲーム音楽演奏会のレポート記事などを多数執筆しています。好きなゲーム作品:...

ONTOMOの更新情報を1~2週間に1度まとめてお知らせします!

更新情報をSNSでチェック
ページのトップへ