ボンクリ・フェス2023 ジャンルも国境も超えた“世界中の新しい響き”が集結!
“Born Creative”Festival(略称:ボンクリ・フェス)は、作曲家 藤倉大の呼びかけで世界中からオリジナリティ溢れるアーティストが集まり、これまで聴いたことのないような「新しい音楽」に出会える刺激に満ちたフェスティバル。東京芸術劇場の中で1日中ワークショップやコンサートが開かれ、赤ちゃんから大人までピクニック気分で楽しむことができる。今年は映像とのコラボレーションや、故・坂本龍一の音楽の真髄に触れられるコンテンツもあり、注目度を増すこのフェスティバルの主な出演者や聴きどころをご紹介します。
東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...
今年はコンサートホールに大スクリーンが登場
今生まれゆく「新しい音楽」を誰もが気軽に楽しめるお祭りBorn Creative Festival(略称:ボンクリ・フェス)が、この7月に7回目を迎える。
新時代を切り開く作曲家 藤倉 大のキュレーションにより、ユニークな音楽家たちが今年も集結。多くの人々にとって聴いたことのない、不思議で、魅力的な音楽が東京芸術劇場に溢れる。
「スペシャル・コンサートA面」(7/8)は、アーティスティック・ディレクター藤倉大が今聴かせたい新しい音、面白い音楽をコンサートホールで聴ける贅沢なコンサート。今年は本人の作曲による「尺八協奏曲」(アンサンブル版世界初演)を、この作品のイメージの元となった海洋写真家 ニコラ・フロックの写真を映しながら上演する。
彼のモノクロ写真は海の底に風が吹き、水面が空のように映る美しさで、境界を曖昧にするような不思議な感覚を与える。このフェス初の試みとなる、舞台上の大スクリーンに投影される映像と音楽のコラボレーションをぜひ体験してみたい。
「スペシャル・コンサートB面」(7/8)では、さまざまなジャンルの音楽を“いいとこどり”。スティーヴ・ライヒの新作はもとより、テレビのリモコンと電磁コイルを使ったキテレツ?! な作品《リモート・ミー》や、大友良英の新作、ヤン・バングらによる即興演奏など、ここでしか聴けないヴァラエティに富んだ内容を届ける。
公演の前に開催される「トーンマイスター石丸の部屋」(7/8)では、作品《リモート・ミー》を解説し、リモコンが楽器になるまでの仕組みを参加者と一緒に体験していく。
「PLANKTONの部屋」では、今年3月に逝去した坂本龍一が、インスタレーション作品【PLANKTON – 漂流する生命の起源】(<KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2016>委嘱作品)のために作曲した音楽に触れることができる。
すべての公演が1公演あたり一般1,500円、30歳以下は1,000円でチケットを買い求められるだけでなく、それぞれのコンサートやワークショップを45分~1時間で気軽に楽しむことができる。
スティーヴ・ライヒの新作初演やマレーシアのアーティストによる影絵も
ファゴットの概念を塗り替える異才レベッカ・ヘラーは、世界を代表する現代音楽アンサンブル集団「インターナショナル・コンテンポラリー・アンサンブル(ICE)」の芸術監督を務めたこともある、まさに現代音楽のスペシャリスト。
そんな彼女が「スペシャル・コンサートB面」(7/8)で、ミニマル音楽の巨匠 スティーヴ・ライヒの新作《グランド・ストリート・カウンターポイント》、「ファゴットの部屋」(7/8)では電子音響とファゴット・ソロのための4作品を日本初演する。
ヤン・バングは、エレクトロニカ、フューチャージャズシーンを牽引するアーティストで、ECM Recordにも多数参加している。ギタリストのアイヴィン・オールセット、ロックバンド「a-ha」とも共演を重ねるボーカリストのアンネリ・ドレッカーらと「ヤン・バング-Reading the Air」(7/7)「ノルウェーの部屋 “Last Two Inches of Sky”」(7/8)に登場。
リリース予定のアルバム「Jan bang-Reading the Air」「Eivind Aarset | Jan Bang – Last Two Inches of Sky」を元にした、ライブセッションを披露する。彼ら独自の幾重にも重なる色彩感、多次元的な音楽は必聴だ。
マレーシア出身のピアニスト メイ・イ・フー率いるピアノ・ヴァイオリン・打楽器の三重奏と影絵師 パク・デインが「影絵と音楽の部屋~マレーシア ラーマ王子の伝説~」(7/8)でワヤン・クリ(伝統的な影絵)と音楽が融合した没入型のパフォーマンスを上演。
西洋から生まれた新しい音楽と東洋の伝統的な音楽を組み合わせた、ファミリーで楽しめるユニークなパフォーマンスだ。
ヴァラエティに富んだ「部屋」でコンサートやワークショップを楽しむ
そのほか、アーティストたちがワークショップやミニコンサートを展開。ジャンルも形式も超越した音楽を楽しめる「アンサンブル・ノマドの部屋」や、発明家であり世界的なヴァイオリニストでもある木村まりによる「ヴァイオリンとモーションセンサーの部屋」があり、今回は「木村まりによる上級者向け電子音楽講座」も開催。
また、無料で参加できるプログラムも多数。音楽家・作曲家・アクースモニウム(電子音響音楽の演奏装置)パフォーマーとして活躍する檜垣智也がキュレーションした電子音楽を楽しめるリスニングルーム「電子音楽の部屋」では、「共産国(時代)の電子音楽」をキーワードにキュレーションを行なう。
さらに、極上の音空間“コンサートホール”で電子音楽を楽しめる「大人ボンクリ」や、劇場のエントランス空間で行なう無料の「アトリウム・コンサート」もあり、家族で1日音楽をピクニック気分で楽しめる。
日時:2023年7月7日(金)・8日(土)
会場:東京芸術劇場
スペシャル・コンサートA面
日程:2023年7月8日(土)13:00開演
会場:コンサートホール
料金(税込):一般1,500円 U30(30歳以下)1,000円
スペシャル・コンサートB面
日程:2023年7月8日(土)16:30開演
会場:コンサートホール
料金(税込):一般1,500円 U30(30歳以下)1,000円
A面&B面セット券:一般2,500円 U30(30歳以下)1,500円
大人ボンクリ
日程:2023年7月8日(土)19:00開演
会場:コンサートホール
入場無料
ワークショップ・コンサート
7月7日(金)
ヤン・バング~Reading the Air/ヴァイオリンとモーション・センターの部屋/木村まりによる上級者向け電子音楽講座
7月8日(土)
影絵と音楽の部屋~マレーシア ラーマ王子の伝説~/ファゴットの部屋/ノルウェーの部屋/トーンマイスター石丸の部屋/アンサンブル・ノマドの部屋
料金(税込):各回 一般1,500円 U30(30歳以下)1,000円
無料プログラム
7月7日(金)14:00~21:00、7月8日(土) 11:00~19:00
PLANKTONの部屋/電子音楽の部屋
7月8日(土)開演時間未定
アトリウム・コンサート
チケット購入:東京芸術劇場ボックスオフィス
TEL:0570-010-296(休館日を除く10:00~19:00)
窓口:営業時間:休館日を除く10:00~19:00
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