フィリップ・グラスの大作オペラ《アクナーテン》《サティアグラハ》スペシャル上映会
ミニマル音楽の巨匠フィリップ・グラスと、舞台芸術の鬼才ロバート・ウィルソンの共同制作により1976年に初演された《浜辺のアインシュタイン》は、科学者アインシュタインを4時間超に渡り詩的に表現した大作。この伝説的オペラが神奈川県民ホールの開館50周年記念オペラシリーズの第1弾として、10月に新制作上演される。それに先駆け、グラスのオペラ作品《アクナーテン》と《サティアグラハ》のスペシャル上映会が7月に開催されることになった。
東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...
この2作は、世界最高峰のニューヨーク・メトロポリタン歌劇場(通称:MET)の最新オペラを映画館のスクリーンで楽しめるMETライブビューイングで過去に上映されたもので、《アクナーテン》(1984年初演)は史上初めて一神教を唱えた古代エジプト王アクナーテンの栄光と悲劇の物語、《サティアグラハ》(1979年初演)はインドを独立に導いた指導者ガンジーの生涯を描いている。
科学(《海辺のアインシュタイン》)、政治(《サティアグラハ》)、宗教(《アクナーテン》)のそれぞれの歴史で足跡を残した偉人を描いたこれら3つの大作オペラは、グラスの「ポートレート3部作」と呼ばれ、欧米ではワーグナー《ニーベルングの指環》と比較されることも多い。その壮大なスケールゆえ、3作すべてを上演した劇場はシュトゥットガルト歌劇場やニューヨーク・メトロポリタン歌劇場(MET)など、ごくわずかしかない。
【指揮】カレン・カメンセック【演出】フェリム・マクダーモット【キャスト】アクナーテン:アンソニー・ロス・コスタンゾ(カウンターテナー)/ネフェルティティ:ジャナイ・ブリッジス(メゾソプラノ)/太后ティイ:ディーセラ・ラルスドッティル(ソプラノ)/アメンホテプ 3 世:ザッカリー・ジェイムズ(バス)/ホルエムヘブ:ウィル・リバーマン(バリトン)ⒸKaren Almond _ Metropolitan Opera
7月16日に上映される《アクナーテン》と《サティアグラハ》のMETライブビューイングと、10月の《浜辺のアインシュタイン》新制作上演をあわせ、グラスの“ポートレート3部作”を“チクルス”として日本で初めて体験することができる画期的な企画となる。
カウンターテナー、アンソニー・ロス・コスタンゾが主演し、今年のグラミー賞最優秀オペラ録音賞を受賞した《アクナーテン》、名テノール リチャード・クロフトが歌い上げる美しい調べとガンジーの平和への思いが胸を打つ《サティアグラハ》。大迫力のMETライブビューイングで、他の誰にも真似できないグラスの作品世界を堪能したい。
日時:2022年7月16日(土) 《アクナーテン》12:00/ 《サティアグラハ》17:00
会場:神奈川県民ホール 小ホール
料金:全席指定 各回一般 3,200円 学生2,100円(24歳以下) 2演目セット券5,900円
詳細はこちら
〈一部の繰り返しを省略したオリジナル・バージョン/新制作/歌詞原語・台詞日本語上演〉
日時:2022年10月8日(土)、9日(日) 各日13:30開演
会場:神奈川県民ホール 大ホール
チケット発売:6月25日(土)
演出・振付:平原慎太郎
指揮:キハラ良尚
演出補:桐山知也
出演:松雪泰子、田中要次、中村祥子、辻彩奈(ヴァイオリン) ほか
電子オルガン:中野翔太、高橋ドレミ
フルート:マグナムトリオ[多久潤一朗 神田勇哉 梶原一紘]
バスクラリネット:亀居優斗
サクソフォン:本堂誠、西村魁
合唱:東京混声合唱団
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