子どもと一緒にクラシックのライブ体験を!
「子どもをクラシック音楽に触れさせたい!」「生のコンサートに連れていきたい!」とお考えのパパ・ママは多いのでは。さまざまな楽器の魅力、音や響きの美しさ、その奥に広がる文化の豊かさ……感性の柔らかな子どもたちにぜひ体験させたいものですよね。その一方で「子どもはクラシックを楽しめるかな……」「コンサートに子どもが行くのはハードルが高いのでは……」「家族で行くとチケット代が……」と不安もあるもの。そんなファミリーにこそ、お子さんのクラシックコンサート・デビューに「ラ・フォル・ジュルネTOKYO 2018」(以下、LFJ)をおすすめします!
専門は学校音楽教育(音楽科授業、音楽系部活動など)。月刊誌『教育音楽』『バンドジャーナル』などで取材・執筆多数。近著に『音楽の授業で大切なこと』(共著・東洋館出版社)...
池袋も加わりパワーアップ!
LFJは今年で14回目となる、世界最大級のクラシック音楽祭。ゴールデンウィークの東京国際フォーラムを全館使い、朝から晩までクラシックコンサートがひっきりなしに行なわれます。今年はメイン会場に東京芸術劇場(池袋)も加わってパワーアップ。ホールでのコンサートのほか、無料イベントやグッズ・グルメなどの屋台も盛りだくさん。お子さんから祖父母世代の方まで・クラシック通から初心者さんまで、あらゆる方が1日中楽しめる音楽のお祭りです。
さて、LFJがファミリーにおすすめの理由を、子ども向け企画を担当されているKAJIMOTOのスタッフに伺いながら、詳しくご紹介しましょう。
ほとんどの公演で3歳以上が入れる!
おすすめの理由その1は、小さなお子さんでもほとんどの公演に入れること。日中の公演は3歳以上入場可能です。目を惹くさまざまな形の楽器やドレスアップした演奏家たち、全身で感じる生の音の響きや心躍る旋律、ちょっぴり大人びた雰囲気……コンサートには子どもたちの胸をときめかせるものがいっぱい! 新しい世界に目を輝かせるお子さんの姿は、パパ・ママにとっても忘れられない思い出になるはずです。
とはいえ「やっぱり心配……」という方には、ご自身も2児のママであるスタッフからアドバイス。「突然コンサートに連れていくと、人もいっぱいいるし、初めての空間にびっくりするかもしれないので、事前にオーケストラの絵本などを見せて『こういうところに行くんだよ』とイメージを伝えています。子どもはお腹が空いたり、眠くなったり、体温調節がうまくできなかったりするとグズるので、コンサートの前に体調を整えてあげることも重要ですね」とのこと。お子さんと一緒に事前準備をしながらワクワク感を高めること自体も、親子のコミュニケーションの機会になりそうです。
「0歳からのコンサート」3公演
おすすめの理由その2は、子どもたちのために企画されたコンサートの数々。恒例の「0歳からのコンサート」は赤ちゃんを抱っこしたお客様がホールに集い、老若男女の笑顔があふれる素敵なコンサートです。今年は物語や映画にちなんだ音楽を、映像やお話も交えながら演奏し、客席も歌や踊りで参加できるコンサートなど3公演を開催予定。
そのうち、東京芸術劇場の1公演で指揮を務める角田鋼亮さんはご自身も1児のパパで、ご愛息のリアルな姿やお気に入りの曲を参考にしながらプログラムを組まれたそう。「どれも聴いてすぐに楽しんでいただけるような作品です。口ずさみやすいメロディ、キレッキレのリズム、明るく輝かしいオーケストレーション、中にはつい笑ってしまうような作品まで。たくさんの舞曲に心が沸き立つこと間違いなしです。私の1歳半の息子でも実証済みです」と、角田さんもパパ目線で太鼓判!
また、今回は小学生を主なターゲットにした「キッズのためのシネマ・コンサート」を初開催。映画『チャップリンの移民』からインスパイアされたジャズピアノの即興演奏を、スクリーンに映し出される映画を観ながら楽しめるとのこと……こちらも一般的なコンサートとはひと味もふた味も趣の異なる企画で、お子さんたちの反応が楽しみですね。
無料イベント「こどもたちの音楽アトリエ」
そしておすすめの理由その3は、「こどもたちの音楽アトリエ」と題された子ども向けのワークショップ。ステージで行なわれる音楽劇に子どもたちが参加したり、プロの演奏家と一緒に歌い踊ったり……子ども目線で考え抜かれたプログラムは、クラシックファンのパパ・ママでさえ思いつかない「音楽の楽しみ方」でいっぱい! 心と体を存分に動かして音楽と触れあうお子さんの笑顔から、改めて音楽の喜びを教えられることもあるでしょう。
「こどもたちの音楽アトリエ」は、この音楽祭の有料公演チケットまたは半券があれば、無料で参加可能(全10プログラム。一部は事前予約が必要)。コンサートの前後に立ち寄れば、音楽の楽しみ方を多面的に体験できる1日になりそうです。
それぞれの家族に合った楽しみ方を!
また、LFJは1つひとつのコンサートがコンパクトでリーズナブルなこともポイント。一般的なクラシックコンサートは約2時間、チケットは数千円~数万円にもなりますが、LFJは1公演がおおむね45分、チケットも1,500円~3,000円。これならお子さんも最後まで楽しめるし、ご家族分のチケットも買いやすいもの。ご家族おそろいでコンサートの感動を共有できれば、お家での会話も弾みますね!
公式ホームページやパンフレットなどでも、子ども向けコンサートやイベント・その楽しみ方が紹介されています。ぜひファミリーでお出かけして、素敵な音楽に彩られた思い出をいっぱいつくってきてくださいね。
テーマ: 「モンド・ヌーヴォー 新しい世界へ」
新しい世界へ亡命・移住した作曲家たち、ショパンやラフマニノフ、プロコフィエフ、ストラヴィンスキーなどの作品のほか、ワールドミュージックやジャズ、映画音楽を取り上げる。
日程: 5月3日(木・祝)・4日(金・祝)・5日(土・祝)
時間: 9:30~23:00の中で、各公演45~60分のプログラム。
会場: 丸の内エリア(東京国際フォーラム、大手町・丸の内・有楽町)、池袋エリア(東京芸術劇場、池袋西口公園、南池袋公園)
公演番号: M111
日時: 5月3日(木・祝) 10:00~10:45
会場: 東京国際フォーラム ホールA
出演: シンフォニア・ヴァルソヴィア、廖國敏[リオ・クォクマン](指揮)、中村萌子(司会)
曲目: メンデルスゾーン:《夏の夜の夢》から
公演番号: M211
日時: 5月4日(金・祝) 10:00~10:45
会場: 東京国際フォーラム ホールA
出演: シンフォニア・ヴァルソヴィア、廖國敏[リオ・クォクマン](指揮)、中村萌子(司会、歌)
曲目: J.パウエル:映画《PAN ~ネバーランド、夢のはじまり~》から
S.シュワルツ&H.ジマー:映画《プリンス・オブ・エジプト》から
A.メンケン:映画《ポカホンタス》から カラー・オブ・ザ・ウィンド
R.ロジャース&O.ハマースタインⅡ世:映画《サウンド・オブ・ミュージック》から
公演番号: T311
日時: 5月5日(土・祝) 10:45~11:30
会場: 東京芸術劇場 コンサートホール
出演: 兵庫芸術文化センター管弦楽団、角田鋼亮(指揮)、中村萌子(司会)
曲目: コルンゴルト:バレエ音楽「雪だるま」から 序曲(ツェムリンスキー編)
ショパン/グラズノフ編:バレエ音楽《レ・シルフィード》から ポロネーズ第3番イ長調《軍隊》op. 40 No. 1
ツェムリンスキー:《時の勝利》からの3つのバレエ音楽 から 第3番プレスト
ストラヴィンスキー:サーカス・ポルカ
プロコフィエフ:バレエ音楽《シンデレラ》 組曲第1番 op. 107 から シンデレラのワルツ
プロコフィエフ:《3つのオレンジへの恋》から 行進曲
コルンゴルト:組曲《シュトラウシアーナ》
日時: 5月3日(木・祝) 10:00~10:45
会場: 東京国際フォーラム ホールD7
日時: 5月4日(金・祝) 10:30~11:15
会場: 東京芸術劇場 シアターウエスト
日時: 5月5日(土・祝) 10:00~10:45
会場: 東京国際フォーラム ホールD7
出演: ポール・レイ(ジャズ・ピアノ)
会場: 東京国際フォーラム 地下2階 ホールE キオスクステージ
音楽劇『ミヨーさんと行く! 新しい世界への旅』
日時: 5月3日(木・祝) 11:30~12:15
チャオ! イ・ムジチ合奏団
日時: 5月4日(金・祝) 11:30~12:15
リズムにのって大合唱しよう! ~山をこえ、海をわたった打楽器~
日時: 5月5日(土・祝) 11:30~12:15
参加対象年齢: ステージ上は3歳~小学生、客席は年齢制限なし
料金: 無料 ※有料公演のチケットまたは半券が必要
日時: 5月3日(木・祝)~5日(土・祝) 各日10:45~18:30 随時
参加対象年齢: 年齢制限なし
工作ルーム ~新しい世界ってどんな世界?~
監修: 伊藤史子(デザイナー、アトリエリスタ/東京藝術大学非常勤講師)
会場: 東京芸術劇場 5階 ギャラリー1
楽器体験ルーム ~ヤマハ Touch&Try~
会場: 東京芸術劇場 地下1階 アトリエイースト
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