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2019.07.11
【7月14日】東京芸術劇場で開催!「仲道郁代 ピアノ・フェスティバル

5台ピアノ60指の妙技 仲道郁代らスター・ピアニストが参戦する迫力満点の共演

2019年7月14日、東京芸術劇場で「仲道郁代 ピアノ・フェスティバル Vol.2」が開催される。ピアニスト、仲道郁代さんが芸術監督を務め、藤田真央さん、横山幸雄さん、菊池洋子さん、松田華音さん、實川風さんの6人が共演。5台のピアノで繰り広げる大迫力の演奏に注目だ。仲道郁代さんに聴きどころをお伺いした。

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東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...

メインビジュアル:前回のピアノ・フェスティヴァル舞台リハーサルの様子

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「5台ピアノ」と聞いてもピンと来ない方が多いかもしれない。百聞は一見に如かず。昨年3月に行なわれた「ピアノ・フェスティバル」のハイライト動画をご覧いただきたい。

5台のグランドピアノに6人のピアニスト!

5台のグランドピアノが扇形に並び、第一線で活躍するピアニストたちが真剣に挑む様子は圧巻!
昨年の第1回では、仲道郁代さんがリハーサル動画をSNSに投稿したところ、若いリスナーを中心に拡散され、話題になったという。
芸術監督を務める仲道さん曰く、「第一線のピアニストが本気で作り上げるエンターテイメント」。

そもそも、どうしてこのような形のコンサートが実現したのだろうか?

仲道 ピアニストって孤独でしょう。いつも一人で弾いていますしね。弦楽器の方は集まってアンサンブルをしていますが、ピアノでも何かできないかなと思っていました。
ピアノも5台集まると、ひとつのピアノのサウンドとは違う、スペクタキュラーな面白さがあります。1回目が面白かったので、またやろうという話になりました。

折角これだけのメンバーが集まるんだから、簡単に合わせをして、簡単にやってしまうのではなく、みんなでひいひい言いながら弾くような曲をやろうと。1回目のときには、これは「参加する」じゃなくて「参戦する」って感じだよね、と。それだけに達成感も大きいです。

――5台ピアノで6人のピアニストということは、1台は連弾?

仲道 5人でローテーションをして、1人おやすみになります。
ピアノは、スタインウェイと、ヤマハと、ベーゼンドルファーを使いますが、全員がローテーションでいろいろなポジションになるように、順列組み合わせのように、頭を使って決めました。みんな第一、第二、第三、とすべてどこかを回ります。

おやすみの1人は司会者になり、次の曲を紹介します。それも去年すごくお客さまからも好評で、演奏者それぞれのキャラクターが垣間見えますよ。

――普段ピアニスト5人でっていう機会はないと思うんですが、リハーサルを重ねてお互いの呼吸を探っていく感じですか。

仲道 テンポ感、呼吸どころか、合わせるのがすごく大変です。
長い時間リハーサルをするので、差し入れも多くて、おやついっぱい(笑)。当日も舞台裏がすばらしいケータリングの山々になります。
舞台袖も大変。ピアニストが6人に加え、調律師さんに譜めくりさんも大勢だし、たくさんのスタッフが入ります。すべてにおいて普段のコンサートの雰囲気と違っています。

ピアニスト6人のクロストークも見どころ

公演の前には、6人のピアニストが壇上にあがり、クロストークが行なわれる。事前にお客様からいただいた質問に全員が答えていくそうだ。
普段同じ舞台に上がることが少ないピアニストが一堂に会することだけでもレアな上に、ピアニストの素顔を知る貴重な機会になるかもしれない。

仲道 ピアニスト6人が1つの質問に答えるなんて、なかなかないのではないでしょうか。ひとつの質問にみんなで答えると、それぞれ答えが違うんですよ。

――例えば、どんな質問が?

仲道 ピアノじゃない楽器だったら何をやりたいかとか、練習はどんなことをするか、小さい頃はどんなだったとか、一般的に皆さんが聴きたい質問から始まり、ピアノの音色をどういうふうに作るのかとかいった専門的なことまで、いろいろです。

ピアニスト同士も、お互い「へえー」と。この人こういうことを考えているんだ、という発見があります。

一筋縄ではいかない、超絶技巧のプログラム

――クラシックに馴染みのない方でも聴いたことのあるメロディが並びますね。

仲道 オーケストラの曲もありますが、単にたくさんのピアノで弾いてるだけではなく、私のこだわりは編曲が素晴らしいということ。「(フライヤーに)60指が乱舞する超絶技巧」と書いてありますが、本当にそんな感じで、5台のピアノで作り上げるサウンドと、みんなの指がばらばらばらばら動いている様と、それを見るだけでもすごく面白いと思います。

――横山幸雄さんの編曲も。

仲道 横山さんの曲は、有名なカルメンのテーマですが、変な音をいっぱい使っていていて面白い曲ですよ(笑)。横山くんの頭の中ってどうなってるんだろうみたいなね、不思議ワールド全開です。

前半はモーツァルトの2台ピアノから始まります。第1、第2ピアノで、1楽章、2楽章、3楽章を6人が入れ替わりで弾くので、それぞれの音の魅力とかも比べてお聴きいただけるかもしれません。

それからサン=サーンスの『白鳥』も、普通の白鳥じゃなくて、白鳥にさまざまな音がいっぱいついている。すごくオシャレな白鳥だったり。2台ピアノも、一筋縄じゃいかない曲たちです。

仲道郁代(ピアノ/芸術監督)
日本音楽コンクール第一位、ジュネーヴ国際コンクール最高位、エリザベート王妃国際コンクール入賞を経て、日欧でデビュー。CD録音は 「ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ全集」他、名盤多数。 2018年より「Road to 2027」と題したリサイタルシリーズを10年にわたり展開中。一般社団法人「音楽がヒラク未来」代表理事。桐朋学園大学教授。
(c)KiyotakaSaito
横山幸雄(ピアノ)
ショバン国際ピアノコンクール日本人最年少入賞。ポーランド政府よりショパン・バスポート授与。ショパン作品連続演奏でギネス記録保持。日本パデレフスキ協会会長、エリザベト音楽大学客員教授。
(C)アールアンフィニ
菊池洋子(ピアノ)
第8回モーツァルト国際コンクールで日本人として初優勝。ザルツブルク音楽祭のモーツァルト・マチネに出演する国内外で活躍。「モーツァルト ピアノ・ソナタ全曲演奏会」を群馬(18年に全5回)と兵庫(18~19年に全4回)とで開催。出光音楽賞受賞。
(C)Yuji Hori
實川風(ピアノ)
ロン・ティポー・クレスパン国際コンクール1位なしの第3位、最優秀リサイタル賞、最優秀新曲演奏賞受賞。東京藝術大学を首席で卒業。同大学大学院修了。グラーツ国立音楽大学にて、マルクス・シルマー氏に師事。
(C)Yuki Ohara
松田華音(ピアノ)
6歳よりモスクワで学び、グネーシン記念中等(高等)音楽専門学校で外国人初の最優秀生徒賞受賞。2013年同校を首席で卒業。モスクワ音楽院に日本人初のロシア政府特別奨学生として入学。ドイツ・グラモフォンよりアルバムを2枚リリース。
(C)Ayako Yamamoto
藤田真央(ピアノ)
弱冠18歳で「クララ・ハスキル国際ピアノ・コンクール」優勝。ルール音楽祭に招かれた他、ヴェルビエ音楽祭にアカデミー生として参加。昨シーズンはスイス、フランスでリサイタルを行うなど、飛躍を遂げる気鋭。

今回のピアノ・フェスティヴァルに登場するのは、藤田真央さん、横山幸雄さん、菊池洋子さん、松田華音さん、實川風さん、仲道郁代さんの6人。
若手から中堅まで、まさに第一線を走るピアニストたちだ。

仲道 この5人の皆さんすごくキャラクターが違うので、集まったときに一体どんなワールドができるのか楽しみですね。予想を超える面白さになるんじゃないでしょうか。

公演情報
仲道郁代 ピアノ・フェスティヴァル Vol.2

日時 2019年7月14日(日)
15:15~ 6人のピアニスト クロストーク
16:00開演(15:00開場/18:00終演予定)
会場 東京芸術劇場コンサートホール
チケット S席 7,000円(売り切れ)/A席 6,000円/B席 5,000円
お問い合わせ ジャパン・アーツぴあ 03-5774-3040

プログラム
《第1部》2台ピアノ
モーツァルト:2台のピアノのためのソナタ ニ長調 K. 448
第1楽章/菊池洋子・仲道郁代
第2楽章/藤田真央・松田華音
第3楽章/横山幸雄・實川風

ドビュッシー:ベルガマスク組曲より“月の光” 
實川風・菊池洋子

サン=サーンス:動物の謝肉祭“白烏”
實川風・菊池洋子

シャブリエ:「エスパーニャ」
松田華音・横山幸雄

ボロディン:「イーゴリ公」よりダッタン人の踊り
仲道郁代・藤田真央

《第2部》5台ピアノ
横山幸雄、菊池洋子、實川風、松田華音、藤田真央、仲道郁代

J. シュトラウスⅡ:美しく青きドナウ

モーツァルト:トルコ行進曲

横山幸雄:カルメンの誘惑と幻想~5台のピアノのための

リムスキー=コルサコフ:熊蜂の飛行

サン=サーンス:死の舞踏

ホルスト:ジュピター(組曲「惑星」より)

*曲目・曲順・演奏者は変更になる場合がありますのでご了承ください。

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