ダヴィッド・フリクリ〜作曲家に対して誠実でありたい
第19回ショパン国際コンクール、ついに全日程が終わり結果が発表されました! 翌日の取材会にて、ファイナリストのダヴィッド・フリクリさんにお話をうかがいました。
フランス文学科卒業後、大学院で19世紀フランスにおける音楽と文学の相関関係に着目して研究を進める。専門はベルリオーズ。幼い頃から楽器演奏(ヴァイオリン、ピアノ、パイプ...
演奏とは作曲家の感情を自分を通して観客に伝えること
——ショパンを演奏するとき、もっとも大切にしていることは何ですか?
フリクリ ショパンに誠実であることを心がけています。自分が演奏するすべての作曲家に対して、そう思って向き合っています。
もちろん、作曲家の感情を自分の中に入れて理解して、それを観客へと伝えたいと思っています。僕にとって演奏とは、そういうことなんです。
2001年4月26日生まれ。現在、マドリードのソフィア王妃音楽院でスタニスラフ・ユーデニッチに師事している。
2024年、イタリアのカントゥ国際ピアノ・オーケストラ・コンクールで第1位を受賞、またスペインのビーゴ国際ピアノコンクールでは第1位および聴衆賞を受賞した。
これまでにジョージア、ロシア、オランダ、デンマーク、中国など各国の国際コンクールでも優勝。ソロ・リサイタルや室内楽オーケストラとの共演を重ねており、ジョージア・フィルハーモニー管弦楽団、イスラエル・カメラータおよびイスラエル・フィルハーモニー、モスクワ・フィルハーモニーと共演している。
エリザベート・レオンスカヤ、レナ・シェレシェフスカヤ、ネルソン・ゲルナーといった著名なピアニストのマスタークラスにも参加している。
ショパンのピアノ作品の交響的な響きに惹かれる
——コンクールの中で演奏を振り返ってみて、今一番「もう一度弾きたい」と思う曲はどれですか?
フリクリ 《スケルツォ第3番》をもう一度弾きたいです。
ショパンの作品の中でも特に好きな曲なんです。ショパンは交響曲の作曲家ではありませんでしたが、ピアノで“交響的な発想”をしていると思うんです。ピアノという楽器を完璧に理解していて、その中から特別な響きを引き出す……それが人を惹きつける。僕自身もすごく惹かれるんです。とてもワイルドで力強い作品だと思います。
僕にとって、ショパンの作品の中で特に特別なのは、「ポロネーズ嬰ヘ短調」「スケルツォ第3番」、そして「ピアノ・ソナタ第2番」の3曲です。
この3曲はどれも特別な意味を持っていて、実際にすべてコンクールのプログラムに入れました。
第2ステージでの《スケルツォ第3番》
——もし子どもの頃の自分にひとこと言えるとしたら?
フリクリ 「進み続けろ」ですね。コンクールに対してもですし、人生そのものに対しても、そのように励ましたいです。
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