2022.12.16
ただいまショパン第44回
ポロネーズ 嬰へ短調 Op.44――ポーランド民族音楽を盛り込んだ大ポロネーズのはじまり
ショパンの作品を全曲聴いてみよう! ショパン自身がつけた作品番号順に聴くことで、ショパンの“設計図”が見えてきます。
ONTOMO編集部
東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...
ポロネーズ 嬰へ短調 Op.44
1841年6月、ショパンはふたたびノアンに戻ってきました。プレイエルから新しいピアノも到着し、友人たちも訪ねてくるなど、充実した田舎暮らしを楽しむショパン。バラード第3番や幻想曲などの名作を書き上げ、創作活動も充実していました。「ポロネーズ 嬰へ短調」は、そんな夏に生まれた、4つの部分からなる大作です。
ポーランド民族音楽を融合させたこの作品は、壮大なポロネーズの領域へショパンが入ったことを示している。前作までのように一つの作品番号に対照を感じさせるポロネーズを並べることはしない。このポロネーズ以降、一つのポロネーズに語りつくすべきさまざまな感情がすべてもりこまれる。
——小坂裕子著 作曲家◎人と作品シリーズ『ショパン』(音楽之友社)180ページより
中間部にマズルカを配したこの大ポロネーズは、フランス語圏や英語圏では《悲劇的》の愛称で呼ばれることもあります。献呈先は、パリに住む亡命ポーランド人、ボーヴォ=クラオン侯爵夫人。彼女はポーランド貴族コマール家の娘で、ピアノ協奏曲第2番を捧げられたデルフィナ・ポトツカ伯爵夫人の妹です。
作品紹介
ポロネーズ 嬰へ短調 Op.44
作曲年代:1841(ショパン31歳)
出版:1841年
献呈:Fürstin Carl von Beauvau
ただいまショパン
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