ウィーン・フィル来日公演が持つ特別な意義とは? 楽団長フロシャウアーが語る
いよいよウィーン・フィルの来日公演が近づいてきた。それは、単に海外から超名門オーケストラがやってきてコンサートを開催するというだけにはとどまらない、さまざまな教育プログラムをともなった広がりと継続性のある文化交流であり、音楽界における1年のうちでも、もっとも重要な行事のひとつである。
その意義について、ウィーン・フィル楽団長ダニエル・フロシャウアーが動画メッセージを、サントリーホール公式サイトを通じて発信した。また、それに関連してONTOMO編集部も独自取材をおこなったので、以下にそれをご紹介しよう。
1963年埼玉県生まれ。慶應義塾大学文学部を卒業、音楽之友社で楽譜・書籍・月刊誌「音楽の友」「レコード芸術」の編集を経て独立。オペラ、バレエから現代音楽やクロスオーバ...
ソヒエフは近い将来、ニューイヤー・コンサートの指揮者候補にもなり得ると確信しています
まず、今回急遽代役として日本でウィーン・フィルを振ることになったロシア(北オセチア)出身の指揮者トゥガン・ソヒエフについてのフロシャウアー楽団長のコメントから。
フロシャウアー「私たちが最初にトゥガン・ソヒエフと出会ったのは韓国だと記憶しています。彼の、音楽を伝える稀有な才能は明らかでした。
最近では彼との共演やツアーの機会がますます増えてきています。私たちは、近い将来、トゥガンが最高の指揮者の一人になると信じており、ウィーン・フィルのサマーナイト・コンサートやニューイヤー・コンサートの指揮者候補になり得ると確信しています」
ソヒエフといえば、2022年のロシアのウクライナ侵攻を受けて、ロシアのボリショイ劇場とフランスのトゥールーズ・キャピトル国立管弦楽団から二者択一を迫られ、その両方の音楽監督のポストを辞任する決断をしたことが記憶に新しい。
日本ではNHK交響楽団への客演を通しても、その実力はつとに知られている。
2017年の秋にソヒエフにインタビューしたことがあるが、そこで感じたのは、ひじょうに冷静で知的な人物であるということ。葛飾北斎の晩年の作風に特に惹かれるとのことで、日本文化にも造詣が深い様子がうかがえた。今回の代役が決まって、ソヒエフも大いに張り切っているに違いない。
関連する記事
-
現代音楽界のレジェンド、I.アルディッティにきく 作曲家との50年を振り返るプロ...
-
3~6歳対象の創作×鑑賞芸術体験プログラム「いろいろドレドレ」が7/26,27に...
-
世界最大規模のオルガンの魅力を楽しむ全5企画「サントリーホールでオルガンZANM...
ランキング
- Daily
- Monthly
関連する記事
ランキング
- Daily
- Monthly