インタビュー
2025.09.06
2025年9月13日~15日にミュージカル『のだめカンタービレ』シンフォニックコンサート! が開催

三浦宏規(千秋真一役)と竹中直人(シュトレーゼマン役)が指揮について師弟対談!

2023年に上演され、大好評を博したミュージカル『のだめカンタービレ』。2025年9月にフルオーケストラを迎えたシンフォニックコンサートが、ミュージカル版キャスト陣を再び集めて開催されます。今回は、千秋真一役の三浦宏規さん、シュトレーゼマン役の竹中直人さんにインタビュー。前回の上演を経て築かれた、朗らかな “師弟関係”をみせてくれました。

取材・文
桒田萌
取材・文
桒田萌 音楽ライター

1997年大阪生まれの編集者/ライター。 夕陽丘高校音楽科ピアノ専攻、京都市立芸術大学音楽学専攻を卒業。在学中にクラシック音楽ジャンルで取材・執筆を開始。現在は企業オ...

撮影:齋藤大輔

三浦宏規
衣装:FABRIC TOKYO
スタイリスト:小田優士
ヘアメイク:小林雄美

竹中直人
ヘアメイク:和田しづか

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千秋とシュトレーゼマン、リアルでも師弟関係?

——2023年のミュージカルを振り返りつつ、今回のシンフォニックコンサートが決まったときの思いをお聞かせください。

竹中 え!? また、再びシュトレーゼマンを?! 本当に本当にわたしなんかがまた続投して良いのでしょうか……? という思いと、また宏規と一緒ならば絶対に宏規を笑わせてやる! ですね(笑)。

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三浦 勘弁してください(笑)。本当に前回は苦労したんですよ。稽古場での竹中さんは何でもありで、本当に何が出てくるのかがわからない。だから、いつも笑わないように必死でした(笑)。

でもやっぱり、竹中さんはスターなんです。竹中さんがいるだけで、その場の空気が変わる。お召し物もかっこいいし、オーラもすごい。いざ芝居が始まると、誰よりも自由。生き様にも痺れる……。学ぶことばかりでしたね。

——まるでリアルの師弟関係のような……。竹中さんから見て、三浦さんの印象はいかがでしたか?

竹中 三浦くんの第一印象は、「とても明るくきれいな青年だ……」です。共に過ごす時を重ねるごとにチャーミングな部分も知り、とても楽しかったです。全然カッコつけてないしね。

あと、お芝居には相性がありましょう? 日々共演して合う人もいれば、だんだん合わなくなってくる人もいる。三浦くんとは相性がよいです。そして宏規は僕にいつも優しく接してくれるのでそれもありがたいです。

三浦 そう言っていただけて光栄です!

怖いけど楽しい!? 2人の指揮体験

——竹中さんは、上野樹里さんと同じく実写ドラマから引き続きシュトレーゼマンを演じてらっしゃいますね。

竹中 僕は基本的にスケジュールさえ合えばどんなお仕事も断らないです。でも、のだめは唯一断ったお仕事なんですよ。「なんたってドイツ人の役ですからね。ぼく日本人でましょ? 絶対できるわけないです!」って。

すると、フジテレビのプロデューサーと監督がとても寂しそうな顔をなさって……。だからぼくは「特殊メイクで鼻をつけて、カツラをかぶって、こんな雰囲気でどうでしょう」とイメージを描いて見せたら、「それでいきましょう!」と言われ、結局やることになってしまったんです。後に原作を読んでみると! 僕の描いたイメージとまったく違っていた!

——結果的にそれがハマり役になって……。

竹中 正直に言うと、僕は当時の映像を観ていないんです。自分を見るのが怖くて。でも、一つだけ例外があって、映画版でシュトレーゼマンがプラハのスメタナホールで指揮をするシーン。「自分はちゃんと指揮ができているのだろうか……」と気になり、それだけは観てみようと映画館で目を覆いながら鑑賞しました。

——たしかに、スメタナホールで指揮を振るのは貴重なシーンですね。

竹中 この作品を通じて、指揮はとても深く素晴らしく、大きな大きなスピリットが必要なんだと深くずしりとぼくを刺激してくれました。だって、ただ腕を振っているだけじゃないんだもん! だから、宏規は本当に大変だと思います。

手前:三浦宏規さん 奥:竹中直人さん
ミュージカル『のだめカンタービレ』2023年公演より
写真提供:東宝演劇部

——三浦さんはまさに今、シンフォニックコンサートに向けて指揮の練習をされていますよね。

三浦 はい、まさに今、苦戦しています。今回は実際にフルオーケストラを指揮することになり、自分のタクトで音を生み出さなければいけない恐怖と楽しさを感じています。

——実際に今、指揮者の茂木大輔さんより指導を受けている最中とのこと。どんなアドバイスを受けていますか?

三浦 「指揮者が音楽をどんな形にしていきたいのか」をタクトと体で表現することで、演奏者はついてくるんだと教わりました。

実際に茂木先生から「このフレーズはどんなイメージ?」と問われて、僕が「草原の中で小鳥が鳴いているようなイメージです」と答えると、「じゃあそういう感じで振ってみて」……という感じで指導していただいていますね。貴重な経験ですが、やっぱりオーケストラの前に立つと足が震えます(笑)。

竹中 怖いよね。僕は10年以上前になりますが、プラハで撮影が行なわれた3日間は汗びっしょりでした。腕も痛くなるしね。「これは絶対に間違えてはいけない!」というプレッシャーもあるし。「いやはや、すごいお仕事を引き受けてしまったな……」と思いました(笑)。

シンフォニックコンサートは「ご褒美の時間」

——お二人はこれまで、クラシックとの関わりが深かったとか。竹中さんは、ご自身が監督をされた映画『連弾』でクラシックを一つの題材として扱っていましたね。

竹中 やっぱり、クラシックの壮大な広がりが好きです。モーツァルトの《トルコ行進曲》とか、泣けてくる。あと、ブラームスも。ぼくの監督映画『連弾』(2001)でも使わさせていただきましたし、《トルコ行進曲》は監督映画『東京日和』(1997)で流れます。口笛でも吹けます!

——口笛で! 三浦さんはクラシックバレエをされていたことから、クラシック音楽と縁が深そうです。

三浦 そうですね。母がピアノの先生だったので、多分お腹の中にいるときからずっと聴いていたんだと思います。だから、他のジャンルの音楽よりも、クラシックを聴く時間のほうが長かったんじゃないかな。今回指揮をするベートーヴェンの「交響曲第7番」もずっと大好きだったので、「この曲を振れるんだ!」とうれしく思っています。

モーツァルト:《トルコ行進曲》、ベートーヴェン:交響曲第7番

——改めて、今回のシンフォニックコンサートへの意気込みや聴きどころを教えてください。

竹中 フルオーケストラをバックに歌うとなると、僕は玉置浩二殿を思い浮かべてしまいます。玉殿はフルオーケストラをバックに歌っていますからね! もう、気分は玉置浩二で歌うしかない(笑)。オーケストラをバックに歌うのは初めての経験ですし、緊張しますが楽しみです。

三浦 素晴らしいクラシックやミュージカルの楽曲たちを、フルオーケストラの編成で聴ける。前回のミュージカルがまた違った形でお客様に楽しんでいただけることは、僕にとっても夢のようで、ある種のご褒美なのかもしれません。指揮を振るのはこれ以上にないくらい緊張していますが、オーケストラを振るなんてなかなかできない経験なので、楽しみたいと思います。

公演情報
ミュージカル『のだめカンタービレ』シンフォニックコンサート

日時: 2025年9月13日(土)~15日(月祝)12:00開演、18:00開演(15日は昼公演のみ)

会場: 東京ガーデンシアター

出演: 上野樹里 三浦宏規
松島勇之介/有澤樟太郎/高橋健介(日替出演・出演日順)
華優希/清水美依紗(日替出演・出演日順)
大久保祥太郎 竹内將人 なだぎ武 /竹中直人ほか

ゲストピアニスト 石井琢磨(東京公演のみ)

東京フィルハーモニー交響楽団(東京公演のみ)

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取材・文
桒田萌
取材・文
桒田萌 音楽ライター

1997年大阪生まれの編集者/ライター。 夕陽丘高校音楽科ピアノ専攻、京都市立芸術大学音楽学専攻を卒業。在学中にクラシック音楽ジャンルで取材・執筆を開始。現在は企業オ...

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