大ヒット映画の日本版主役に抜擢!

映画『リメンバー・ミー』のミゲル役を射止めた石橋陽彩くんの歌唱力のヒミツにアプローチ!

インタビュー
2018.06.15
この記事をシェアする
© 2018 Disney/Pixar
撮影:mika
林田直樹 ONTOMOエディトリアル・アドバイザー/音楽ジャーナリスト・評論家
林田直樹
林田直樹 ONTOMOエディトリアル・アドバイザー/音楽ジャーナリスト・評論家
1963年埼玉県生まれ。慶應義塾大学文学部を卒業、音楽之友社で楽譜・書籍・月刊誌「音楽の友」「レコード芸術」の編集を経て独立。オペラ、バレエから現代音楽やクロスオーバ...

――この春から中学2年生なんですよね? 映画『リメンバー・ミー』公開以降、学校でも随分話題になったんじゃないですか? 日常生活とか変わりましたか?

石橋 あまりしゃべったことのない友達が結構話しかけてくれるようになったり、最近は名前じゃなくてリメンバー・ミーってあだ名がついたり、あとミゲル君って呼ばれてます(笑)。

――学校でも、女の子のファンがついちゃったりして?

石橋 先輩や後輩も、結構映画を観てくださったりしてて。うれしいなっていうのはあります。

――部活は?

石橋 テニス部に入っています。

――音楽関係の部活には入っていないんですか?

石橋 僕が学校に入る前に、合唱部がなくなっちゃったみたいで、いまは吹奏楽部しかないんです。それに、運動がしたいなと思って。

――映画『リメンバー・ミー』は本当に素晴らしくて、吹き替え版と字幕版と両方観ましたが、吹き替えのほうがいいくらいでした。石橋君の歌も素晴らしくて、いったいどうやってそんなに歌が上手くなったのか、その秘密を教えてもらえませんか?

石橋 小さいときから音楽が大好きだったんです。3歳くらいのときにハワイに旅行に行ったときに、路上で演奏しているミュージシャンの人たちがいて「一緒にやるかい?」みたいなことを彼らが言ってくださって、一緒にやったらすごく楽しくて。それから自宅に帰っても、いろんなものを取り出して、とりあえず叩いてみたり。

――ご両親は音楽関係?

石橋 いや、全然そんなのなくて。もし僕が歌に目覚めていなかったら、今頃はスノーボーダーをめざしていたかもしれません。母がスノーボーダーなんです。

――じゃあ、最初の音楽との接点は何だったんでしょう?

石橋 昔、NHK大河ドラマの音楽が始まると、机でリズムを叩いていたりというのはありました。僕がまだ1歳くらいのころなんですけど、リズムが好きなのはそこらへんから始まったのかなと思います。

――そうなんですか。でもあるときからは、歌のトレーニング、勉強をされたんですよね?

石橋 幼稚園の年少から、歌とダンスをやり始めて、そこからどんどんいろんな歌を歌っていくたびに、歌うことって楽しいんだなということに気づいて、発表会にも出て、もっと自分の歌の個性を出していきたいと思い始めたのが5年生くらいのときです。それからいろんなお仕事にもチャレンジするようになりました。

――歌と踊りを一緒に習い始めたんですか。

石橋 はい。4歳くらいから音楽スクールに通っていました。4年生くらいのときにテレビに出演させていただいて、そこで話すのがあまりうまくいかなかったので、今度は演技レッスンにも通うようになりました。小学校6年生からミュージカルや舞台にもいろいろ出演させていただくようになり、いろいろなお仕事に触れる機会をいただきました。そして、今回の『リメンバー・ミー』のオーディションの話があったんです。12歳の音楽好きという設定だったので、「すごい、僕とぴったりじゃないか!」と思って、猛練習で、渡された台本と曲をずっと練習して、「これに受かりたい!」という思いでオーディションを受けました。

「『リメンバー・ミー』の主題歌は、僕にも最初はすごく難しかったのですが、音域がすごく広いじゃないですか。歌いにくい曲ではあるんですけど、音程だけじゃなくてメッセージ性がすごく強い曲なので、家族の顔をひとりひとり思ったりとか、大切な人を思ったりとか、思いが強ければ強いほど、きっとうまく歌えると思います。練習も必要ですが、ぜひカラオケなどでも思いを強く持って歌っていただければうれしいです」

――すごい人数のオーディションだったんでしょうね。

石橋 本当に運が良かったんだなと思います。

――全然違和感なく、主人公のミゲルに感情移入できたのではないですか?

石橋 オーディションのときは、ミゲルではなく本当に自分を出したというか。僕も同じ12歳で、音楽も大好きだったから、「これは自分を出せばいいんじゃないか」と思って。

――それで見事オーディションでミゲル役を勝ち取ったわけですね。映画も吹き替えも本当に素晴らしかったですが、吹き替え自体は初めての経験だったわけでしょう? オーディションに受かっても、実際の仕事として、映画の吹き替えを録るまでが大変だったのでは?

石橋 声優は初挑戦で、何もかもわからなくて……。

――映像とシンクロする難しさもあるわけでしょう?

石橋 最初は映像と英語の音だけだったので、シンクロさせるのがすごく難しくて……。言葉のイントネーションもすごく難しくて、一発OKのこともあれば、同じセリフを30回くらい繰り返さなければいけなかったこともあります。

――歌うシーンとしゃべるシーンとどっちが苦労しましたか?

石橋 どちらもですが、歌はリズムに合わせればはまっていくんですが、言葉は口に合わせなければいけないので。すごく気持ちがこもって、いい感じじゃないかなと思っても、長さの関係で、何回も何回も言い直さなければいけなかったり。細かな、一秒の誤差でももう一回録り直し、となりますから。

映画の中でリップロール(舌を細かく震わせて高い掛け声をかける)とか使っていますが、ヴォイストレーナーの先生が、僕が5年生のときにラテン音楽をすごく聴かせてくれていたこともあってメキシコの音楽の世界に入ることができました。

――そうなんですね。道理で見事にはまっていたわけです。でも中学生というと、アルバイトもしたことがないのが普通でしょう。それなのに、仕事としてそれだけのことをしなければいけなかったのは大変だったでしょうね。よくやりましたね。

石橋 (笑)はじめての仕事が小学1年生で、そんな小さいときから大人の世界を経験させていただいたのは幸運でした。ここで経験すれば将来すごく役に立つんじゃないかと思っていました。お仕事でたくさんの方たちや芸能人の方たちにお会いして、いい経験をしているんだな、と思っています。

――タモリさんの司会する「Mステ」に出られていましたよね。あれは緊張された?

石橋 本番でタモリさんが「石橋君どう?」と質問したときに、言おうと思っていたセリフが全部吹っとんで、頭の中が真っ白になっちゃったんです。「あ、あの……すごく緊張してて、あの……」となったときに、タモリさんが「いま何歳だっけ?」とフォローを入れてくださって、本当に助かりました。

――でも、テレビでの歌も本当に素晴らしかったですよ。どうして石橋君はあんなに歌が上手いんでしょう。その秘密を教えていただけませんか?

石橋 そうですね。この「リメンバー・ミー」を歌うときは、英語バージョンを聴いて、どういう歌詞なのかを確認してから、家族に向けて「忘れないでね」という歌詞なんだなと思って、自分の家族を頭の中でイメージしたりとか、天国にいるひいおじいちゃんやひいおばあちゃんに向けて、願いを込めて歌っている感じです。

――自分のことなんだと思って歌うようにしているんですね。

石橋 「リメンバー・ミー」でなくとも、他の曲であっても、言葉の意味を確認するようにしています。曲を聴いてライブの時のイメージします。僕は元歌は聴かずに、カラオケの音源だけを聴いて、歌うようにしています。自分のストーリーに置き換えています。そっちの方が、自分のオリジナルも出しやすいし、すごく歌いやすくなります。

「初めてのディズニー/ピクサー映画は、小学校1年生のときに観た『トイ・ストーリー2』でした。すごく面白くて、バズ・ライトイヤーとウッディみたいに、自分が持っているおもちゃが話しかけて来てくれるとうれしいなと思ったのを覚えています。ディズニーランドに初めて行ったときは、もう夢の国だなあと…。最初は絶叫系とか乗れなかったですが、去年の秋、初めて乗ったのですが、ビッグサンダーマウンテンに3回と、スペースマウンテンに5回、スプラッシュマウンテンに1回乗りました(笑)」

――技術的なことは、歌っているときはあまり考えない?

石橋 ヴィブラートを入れすぎてしまうことがあるのですが、そこは気を付けています。

――クラシック音楽の人にもぜひ聴いてほしいくらい、ヴィブラートは素敵でした。ところで、今度14歳ということは、そろそろ変声期ですよね。男の子の場合、声変わりの時期に歌をどうするかは難しい課題ですよね?あまり歌いすぎないほうがいいという話もありますけど……?

石橋 もう声変わりの時期で、だいぶ低くなってきています。最初に歌っていた「リメンバー・ミー」の原曲は同じキーではもう歌えないんです。いま二つキーを下げています。ヴォイストレーナーの先生と、小学生の頃から、変声期のための発声法としてファルセットをたくさん使うとか、高い声を出さずにいかに発声をきちんとやるかとか、そういう準備を続けてきました。寝るときは加湿器をつけて、マスクを二重にして、喉が乾燥して声が枯れないように気を付けています。

――男の子の声帯にとっては大事な時期ですからね。声変わりした後も素敵な歌手になれるように、願っています。今後の活動のビジョン、夢は?

石橋 いまは「リメンバー・ミー」だったり、ミュージカルやダンスだったり、いろんなことに挑戦しているんですけど、最終的には歌って踊れる歌手が目標です。声優もできて、ドラマにも出て……たとえばAAA(トリプルA、男女6人のパフォーマンスグループ)のメインヴォーカル、西島隆弘さんのように、歌って踊れて演技もできるのは本当にすごいと思います。三浦大知さんも憧れています。低音から高音まで幅広い声を持っている歌手になりたい。今は目標に向かって日々勉強しています!

石橋陽彩(いしばし・ひいろ)

2004年8月24日生まれ、千葉県出身。子役や歌手として活動し、2018年公開の映画『リメンバー・ミー』の日本版声優として主役のミゲル役に抜擢。8月4日開催の『a-nation2018 supported by dTV&dTVチャンネル』に出演決定。

『リメンバー・ミー』
イベント情報
『リメンバー・ミー』

カラフルな死者の国に迷い込んだ、ミュージシャンを夢見る少年ミゲル。唯一の頼りは、家族が恋しいガイコツのヘクター。日の出を過ぎたら永遠に家族と会えなくなる、絶体絶命のふたり──彼らと家族をつなぐ鍵は、ミゲルが大好きな名曲“リメンバー・ミー”に隠されていた……。

7月4日 先行デジタル

7月18日 MovieNEX発売

発売:ウォルト・ディズニー・ジャパン

© 2018 Disney/Pixar

取材を終えて

ディズニー/ピクサー映画『リメンバー・ミー』ミゲル役の日本版声優で注目度急上昇の石橋陽彩君にお会いすることができた。あまりの演技と歌の素晴らしさに、いったいどうやってあのような才能が育ったのか、ぜひその秘密を知りたいと思ったのである。

お会いして思ったのは、中学2年生とは思えないほど、自立したしっかりした考え方を持っておられるということだった。小さいころから舞台に立つという環境によって、きっとそれは育てられてきたのだろう。

子どもには仕事をさせない、賃労働をさせない、というのがいまの教育的な考え方であるが、その一面、社会性のある仕事を責任感をもってやるということが、子どもも大きく育てるのだと痛感した。

ヴィブラートや歌詞に対する考え方、自己管理の態度も、本当に素晴らしい、まさに本物のアーティストとして成長している石橋君の今後も、きっと素晴らしいものになるに違いない。(林田直樹)

 

ツイートする
シェアする

ONTOMOの更新情報を1~2週間に1度まとめてお知らせします!

更新情報をSNSでチェック
ページのトップへ