五味太郎×樹原涼子 音楽絵本『こっけん』誕生!絵と音、教育をめぐる「やんちゃな」対話
楽譜が読めなくても、ピアノに触ったことがなくても、「こっけん」と遊ぶだけであっという間に不思議な音世界が広がる音楽絵本『こっけん』が誕生! 楽譜の上におおきく広がる絵は、なんと絵本界のレジェンド・五味太郎さんが手がけられたもの。作曲者の樹原涼子さんと、この画期的な音楽絵本誕生の経緯から、音と絵の出合い、そして初等教育や音楽教育のありかたについてまで、自由奔放に語り合っていただきました。
某洋酒メーカーでの文化広報誌製作を経て、フリーランスに。音楽、美術、絵本、旅などのテーマを中心に、インタビューや取材を重ねている。祖父が遺したヴァイオリンを40半ばで...
「実験精神が面白い。絵の形がすぐ見えたよ」
樹原 ちょうど1年前、お会いしたこともない五味太郎さんに、私の熱い気持ちを長々とメールさせていただいたことから、この素敵な本が生まれて、夢のようです。まさか叶うなんて!
五味 文面から、なんかすごい熱量を感じたんだよね。ちょっと怖いぐらい(笑)
樹原 ある日お風呂の中で、ねこふんじゃった♪を口ずさんでいたんです。歌いながらふと、「猫は踏んじゃダメだよね!」と思い、ねこふまないで♪と歌い出したら止まらなくなって、そのまま曲ができて。
これからは「ねこふまないで」の方をピアノで広めていきたい! そうだ、この曲だけじゃなくて黒鍵で曲をいっぱい書いちゃおう、黒鍵って楽しいよねって一人でワ〜っと盛り上がって、曲もワ〜っと書いたときに、曲だけじゃなくて絵もほしい、あ〜これは絶対に五味太郎さんにやっていただきたい!と、ひらめいたんです。
子育て中もずっと親しんでいた五味さんの絵本があれこれ頭に浮かんで、この音楽をあの色で表してもらいたい!絶対、絶対!って、目をキラキラさせて編集者に迫りました(笑)
五味 黒鍵を使った遊びが、どういう絵になるのか。面白いじゃないですか。実験精神というのかな、俺がやる作業の風景も見えたし。
樹原 でき上がった12曲をまとめてバンっと聴いていただき、五味さんから迷いなく12枚の絵がバンっと返ってきて。バンバンバンっとできましたね。
作曲家、ピアニスト、歌も歌う。武蔵野音楽大学器楽学科ピアノ専攻卒業。
子どものためのピアノメソッド『ピアノランド』で1991年にデビュー、シリーズで200万部のロング&ベストセラーとなる。『ピアノランドプラス』『耳を開く 聴きとり術 コード編』『ピアノランド スケール・モード・アルペジオ』『即興演奏 12のとびら 音楽をつくってみよう』など独特の視点で他にないテキストを作る。樹原涼子ピアノ曲集は舘野泉、青柳いづみこ、宮谷理香、小原孝等のピアニストに演奏されている。ゲーム音楽、樹原涼子とごきげんバンド、シューマン『子供の情景』研究会など活動は多岐にわたる
五味 得意な人が得意なことをやっていれば、何の問題もないの(笑)。マチスの影響か、ちょうど切り絵をやりたい気分だったし、直感的に形が見えたから、すぐできたよ。
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