レ・フレールとして歩んだ17年と、斎藤守也さん・圭土さんのこれから――オリジナリティ溢れるライブパフォーマンスが生まれた理由
2006年にメジャーデビューして以来、独自に編み出したプレイスタイルと圧倒的なライブパフォーマンスで人気を博すピアノ連弾デュオ、レ・フレール。レ・フレールとしての演奏だけでなく、斎藤守也(兄)さんは教育、斎藤圭土さん(弟)はブギ・ウギと活動の幅を広げている。
9月18日のディズニー公式アルバム『ディズニー・オン・キャトルマン』リリースに当たって、特別インタビューを敢行! 守也さん、圭土さんそれぞれ、またレ・フレールとして、現在の活動やこれからの展望など、お話を伺いました。
1958年東京都生まれ。81年に早稲田大学政治経済学部政治学科を卒業、(株)日本経済新聞社へ記者として入社。企業や株式相場の取材を担当、88~91年のフランクフルト支...
ピアノ1台4手連弾ユニット「レ・フレール」の結成17年記念日に当たる2019年9月3日、都内で久しぶりのインタビューに臨んだ。
斎藤守也(もりや)&斎藤圭土(けいと)兄弟が考案した独自の「キャトルマンスタイル(※「キャトルマン」はフランス語で「4本の手」=「連弾」)」によるパフォーマンスには、ユニバーサルミュージックからメジャーデビュー(2006年)する前のインディーズ時代から、折に触れて接してきた。
2人とも40代に入り、演奏にますます磨きがかかる一方、ソロや楽譜の出版など、活動の幅もどんどん広がっている。インタビュー取材としてはあまり例のない組み立てだったが、最初に圭土単独、次にレ・フレール2人、最後に守也単独という3つのセッションを設け、それぞれの”事業部”の「現状と展望」を聞いた。
斎藤圭土:ヨーロッパで吸収したブギ・ウギを日本へ
――ブギ・ウギ・ピアニストとして3枚目、7年ぶりのソロアルバム『Piano Blues & Boogie Woogie(ピアノ・ブルース&ブギ・ウギ)』、特に『セントルイス・ブルース』を拝聴して、圭土さんの演奏にいい意味で「おじさんのいやらしさ」が出てきたので、うれしくなりました。
圭土 僕ももう、今年で41歳です。
音楽の生まれてくるきっかけには、日常生活の変化も大きく影響します。生きていると日々の中には嬉しいことだけでなく、悲しいことやつらいこともあります。ブルースの味わいなどは特に歳を重ねないと、本当のところはわからないのではないかと思います。『セントルイス・ブルース』はもう、そうした要素のかたまり。”いやらしさ”を感じていただいて、光栄です(笑)。
振り返れば、ファーストアルバムの『ブギ・ウギ・ファーイースト』は自作曲が中心で、バラードやブルースはほとんど入っていません。今回は収録した15曲中オリジナルを4曲にとどめ、ブルースをメインに置いています。この年齢に至り、初めてたどり着いた境地です。
――ブギ・ウギを演奏する際の心構えにも、変化はありますか?
圭土 ブギ・ウギは原点ですから、初めは完璧さを求めてアフリカ系アメリカ人のように弾かなければ、ドイツの師匠であるアクセル・ツヴィンゲンベルガーのように弾こう……と、20代の頃は模倣に懸命でした。模倣を重ねた結果、僕らしさ、オリジナリティが出せるようになってきたと思っています。
演奏スタイルにおいても、ブギ・ウギは何といっても前向きの音楽ですから、若いときは元気さが前面に出ていました。年齢を重ねると、それ以外に感じる部分がどんどん増えてきます。
――オリジナル曲の基本は。
圭土 ブギ・ウギが生まれた時代のテイストを残しつつ、独自のものを加えます。例えば今回のアルバムに収めた『ア・レフト・ハンド・ライク・ゴッド』では、アフリカ系アメリカ人の踊りの音楽が聴くための音楽に変わり、それがヨーロッパへと渡ってピアノ音楽に成熟するまでの流れを取り込みました。
ヨーロッパにはもっと、アフリカ系アメリカ人の音楽を忠実に再現した作品もあります。僕が日本に戻ってきたときはクラシックかジャズかの二者択一のような状況で、アメリカやヨーロッパとは完全に切り離された世界を感じました。「ブギ・ウギを弾くクラシックのピアニストがいてもいいじゃないか」と感じ、ヨーロッパで吸収したブギ・ウギのテイストを強く打ち出したオリジナル曲を書きたかったのです。実際に、辻井伸行さんはステージ上で何度も演奏してくれています。彼との共演は、毎回エキサイティングでとても楽しいです。
――クラシックのピアニストにも、弾いてもらう。
圭土 日本でピアニストを目指す場合、入り口はクラシックのピアノを習うしかありません。そこを逆にとらえ「僕の曲を将来、クラシックのピアニストに弾いてもらいたい」との願いをこめて、作曲しています。斎藤圭土という音楽家の遺伝子を100年先、200年先に残したいとの気持ちもあり、スコア(楽譜)の出版を始めました。
――ネットで販売しているソロピース譜ですね。2019年に第1集、第2集…と、立て続けに出ました。
圭土 最初のものは『恋文』『桜』など、日本をテーマにした5曲です。第2集では『マスカラード』『ルクセンブルクにて』……より多彩な5曲を並べています。実は、ピアノ演奏レベルとしては、かなり上級の楽譜です。物販のスタッフから聞いたのですが、私の楽譜を開き「難しい!」と漏らし、あわてて楽譜を閉じた方がいらっしゃったそうです(笑)。プロの弾き手であれば、コツさえつかめば意外に簡単なのですが……。
ブギ・ウギやジャズだけでなくクラシックだって、ピアノを弾く行為は自分のためにもあるのですから、本来は楽しいはずです。ヨーロッパのブギ・ウギのピアノ弾きは、それを生業(なりわい)にしている人もいれば、熱い思いだけに駆られて馳せ参じる人もいるのですが、みな腕は確かで、聴く人が多かろうと少なかろうと心底、楽しんでいます。近年は本家アメリカでやや下火となり、むしろヨーロッパの文化の土壌で熟成してきました。
一昨年には、ブギ・ウギ・ナンバーだけを集めた楽譜集も出版しました。日本では、『東京ブギウギ』『買い物ブギ』など服部良一先生の素晴らしい作曲もあって、まだ歌謡曲の1ジャンルみたいに扱われがちですけど、ピアノ音楽としても十分に魅力的です。「僕の音楽を”ピアノ小僧”たちが必ず面白がって弾く時代がくる」と確信して、出版を続けていきます。
――今年10月にはドイツの恩師アクセル・ツヴィンゲンベルガーとの日本ツアー「ブギ・ウギ・ピアノ2019」のライヴも名古屋、京都、東京で予定しています。
圭土 今も2年に1度くらいのペースで、ドイツの師匠のところへ弾きに行きます。彼のライヴに日本人の顔が加わると、大喜びしてくれるのが、ヨーロッパの考え方の素晴らしいところです。
しかし、僕は彼のようには弾けません。もし同じ弾き方をしたら、体を壊してしまうでしょう。ピアノは西洋人の間で発達してきた楽器ですから、アジア人には不利な部分も多々あります。制約を乗り越えて自分にしかできない弾き方、技術を究めるうえでも、オリジナル曲の存在は欠かせません。
第1弾
5冊「恋文」「桜」「シャクナンガンピ」「月冴えゆく」「故郷よ(新曲)」
第2弾
5冊 「Le Chemin」「マスカラード」「真夏の夜想曲」「ルクセンブルクにて」「永遠(新曲)」
定価 各700円+消費税
発売元 ポラリス・アルファ
10月11日(金)名古屋・カワイ名古屋 コンサートサロン ブーレ
10月12日(土)京都・LIVE SPOT RAG
10月15日(火)東京・ルーテル市ヶ谷ホール
11月22日(金)東京・新宿区 ガルバホール
詳細は斎藤圭土公式サイトまで http://boogie-woogie.jp/
レ・フレール:ウォルト・ディズニー・レコード」から公式アルバム発売!
――今日が結成記念日ということで、改めて、そのいきさつをうかがいます。
守也 2002年9月3日。地元、横須賀(神奈川県)のライブハウスに出演したときレ・フレールの名称で舞台に立ったのを結成日としています。お互いのソロステージのあと、アンコール程度に4手連弾を演奏しました。ほとんど即興でしたが、それが始まりです。あっという間の17年ですね。最初の頃の活動ペースはゆっくりでしたけど、キャトルマンスタイルの試行錯誤に3~4年を費やし、2005年に自主制作アルバム『ブギー・オン・キャトルマン』をリリース、活動を本格化しました。
――私も音楽プロデューサーとしての仕事で、クラシックの中堅男性ピアニスト2人による連弾の企画を続けています。一度、サプライズでレ・フレールの楽曲をアンコールに入れようと考えたのですが、2人からクレームがきました。守也さんと圭土さんが編み出したキャトルマンスタイルは肉体の密着度が高くて「女性の生徒と練習したら、セクハラすれすれだった」「僕たち2人で試したら、『特別な関係』と疑われるに違いない」というのが拒否の理由。兄弟お2人ならではの、ユニークな演奏スタイルなのだと思い知りました。
守也 兄弟でも許されない密着度、と思うことはあります(爆笑)。真面目な話、両手のクロスなどは演奏上の必要や音楽的な理由から生じました。どの曲をどう弾くかについては、2人で綿密に打ち合わせます。
圭土 ペダルは基本的に左側の低音部の担当ですが、右の高音部が受け持つ場合には、改めて相談します。両手の交差も上がスムーズか、下がスムーズか、事前に決めておく必要があります。楽譜上は可能な運指やペダリングでも実際に弾くと肘がぶつかってしまう、などは日常茶飯事です。真相は考えに考え抜かれた演奏スタイルだったのですが、ステージに出してみたら、結果的にものすごく受けました。
――17年にわたって人気を保ち、忠誠を誓ったリピーターとともに、新しいお客様も増え続けています。
守也 確かに、何度も僕らのコンサートに足を運んでくださる方が多いと感じています。17年もの間、僕らのファンでいてくださる皆さんには本当に感謝しています。
17年前と今では演奏が違うという自負はあります。デビュー当初とか勢いがすごい(笑)、でもあの瞬間にしか出せないものがあったと思います。毎回お客さんに楽しんでもらえるように色々考えますが、自分自身も、いまだに新鮮な気持ちでピアノに向かっている。そういった部分は変わっていないですね。
――お2人のライヴを最初に聴かせていただいたのは2006年。東京ディズニーリゾート内のイクスピアリにあったライヴハウスで、アニメーションの名曲を集めたアルバム『アニメ・ドゥ・キャトルマン』をリリースする少し前でした。ライナーノートも書かせていただき、幸せな出会いでした。今回、ついにウォルト・ディズニー・レコードから「ディズニー公式アルバム」として『ディズニー・オン・キャトルマン』をリリースするに至り、個人的にも感無量です。
圭土 ディズニーの音楽は僕たちの原点です。ディスクを出す前の段階、近くの幼稚園などを回っていた時代から、子どもたちのために『ミッキーマウス・マーチ』などを弾いていました。今回、公式アルバムとしてアルバムをリリースできるのは、とても光栄です。
独自の奏法、手のクロス、左手で刻むリズムといった基本はアニメのアルバムを出したころと同じでも、レコーディングへの習熟とか音響技術の進歩とかは確実にあって十分な準備のうえ、納得いくアルバムに仕上がりました。
世界のディズニー・ファンに聴いてもらいたい作品であり、その期待を裏切らないのはもちろんですが、ディズニーリゾート・ファン、映画ファンに加え、ピアノ音楽のファンにもぜひ、聴いていただきたいですね。
――ピアノの用途は本来、とてつもなく広いにもかかわらず、日本ではクラシック音楽の楽器としての存在感が強過ぎるように思います。
守也 確かにピアノはクラシック音楽の歴史から生まれた楽器ですが、現代においても、あらゆるジャンルに対応できるすごい楽器だと思います。クラシックには精通していないけど、ピアノの響きは大好きという方も多いと思います。
僕たちも最初はクラシックのピアノを習いましたが、決して器用に何でもこなせる生徒ではなかったので、先生に言われたことができなくて、レッスンはあまり好きじゃなかった。だからデビュー時点から、オリジナルでやるしかなかったのです(笑)。2006年にメジャーデビューする際、ユニバーサルミュージックからは「生誕250周年に当たるので、モーツァルトも録音しませんか?」と提案されたのですが、「嫌です」「上手じゃないです」といい、お断りしました。
――それでもレ・フレールのピアノの音色、打鍵にはヨーロッパ、留学先のルクセンブルク国立音楽大学で吸収したと思われる和声感やソノリティがあり、クラシック的にも一級品です。
圭土 ルクセンブルクに行ってようやく、思いつめて真面目に弾くだけのピアノ修業から解放されました。クラシックの基礎はみっちり教えますが、同時に生徒の個性もよく見ていて、同じベートーヴェンのソナタでも「守也は何番で、圭土は何番」と、異なる作品を与えられました。
――今はそれぞれ、日本での教育活動にも足を踏み入れています。
守也 僕はソロのワークショップを始めました。
圭土 僕は2年前に「ブギ・ウギ・アカデミー」を開設しました。ブギ・ウギ・アカデミーの生徒の多くは20代前半の男の子で元々ピアノをやっていて、どんどん上手になっていって、今では全国各地でコンサートを開くまでに成長しました。弟子たちの今後の活躍が楽しみです。
守也 4手連弾の魅力はたくさんあります。
まず、お互いに相手の音を、同じ位置で聴きながら演奏できるので、息が合わせやすい。あとは、2人の演奏家の音を1台の楽器の中で鳴らすと、1人では出せない、音の「うねり」みたいなものが生まれて、音が迫ってくるような演奏になる。そういったことが、他のアンサンブルとは違った、連弾ならではの一体感だったり魅力になっていると思います。
本格的に連弾の響きを追求し、ステージパフォーマンスとしてお客さんに楽しんでもらうこともできるし、気軽に親子で楽しむこともできます。4手連弾の可能性はまだまだあると思うので、このスタイルが定番になって、もっと盛り上がっていってほしいですね。全国の連弾を試みる方々に刺激を与えられるよう、僕らもがんばりますよ!
10月19日(土)長野・佐久市コスモホール 大ホール
12月4日(水)東京・キリスト品川教会 グローリア・チャペル
12月5日(木)東京・キリスト品川教会 グローリア・チャペル
12月8日(日)長野・長野市芸術館 メインホール
12月21日(土)長野・八ヶ岳高原音楽堂
12月25日(水)東京・ひの煉瓦ホール(日野市民会館)大ホール
詳細はレ・フレール公式サイトまで http://lesfreres.jp/
斎藤守也:ピアノ教則本『童謡アレンジで楽しく学ぶ 左手のための伴奏形エチュード』を出版、教育に力
――守也さんがキャトルマンスタイルとはまったく異質のソロアルバム『旅』を2013年にリリースしたとき、本当にびっくりしました。
守也 レ・フレール結成12周年記念としてのアルバムで「何か今までとは違った一面を出したい」と思って、かねて好きだった民族楽器をあれこれ使ったアルバムをつくりました。そもそもピアニストになる以前に、作曲家を目指していたということもあり、すべて自分自身で一から編曲まで手掛けるアルバムをいつか出したいなと思っていました。そんな思いから制作した『旅』があって、そのあとに再びピアノの世界へ向かい、ピアノソロアルバム『MONOLOGUE』をリリースできたのは幸せでした。
――そして今度は、音楽之友社からピアノ教則本『左手のための伴奏形エチュード』の出版です。
守也 童謡をベースにしたエチュード(練習曲)集です。レ・フレールの楽曲を弾いてくださる方から「左手が疲れる」という声をしばしば聞いたのが、執筆の発端です。レ・フレールの伴奏はブギ・ウギ・ピアノの左手以外は僕のオリジナルの伴奏パターンなので、「これは僕が解決するしかない」と思いました。
よくよく考えると、右手にクローズアップしたエチュードはたくさんあっても、左手のためのエチュードというのは確かに少ないですね。
今回のエチュードは子どもたち、だいたい中級レベルを前提にまとめました。何人ものピアノ教師から「子どもたちの楽しんで弾けるエチュードが少ない」「楽譜の苦手な子は音楽を耳でコピーしがちで、教える側が困る」といった声が上がっていることを知り、そこで子どもたちが知っている童謡のメロディと、同じリズムを刻む左手の伴奏で、”耳コピ男子”でも楽しく弾けるエチュードにしようと思いました。
僕自身、楽譜が苦手で苦しみ、先生を困らせていたので、耳コピ男子を応援したい気持ちもあります。
かといって、僕は耳コピがすごく得意なわけでもないのですが、楽譜が苦手だという理由でピアノをやめてほしくないなと。
耳で音を取ることができる子は、楽譜に頼らず自分の音を自分で判断するということを自然にやっていて、そういった習慣はピアノを演奏する上では大事だと思うんです。
楽譜通りに弾けたらおしまいではなく、音楽的により良くするには、音と音の繋ぎ方とか、ダイナミックのバランスとか、楽譜に書ききれないニュアンスをどう表現するかを自分の耳で聴いて判断する必要がある。
だからといって楽譜が必要ないというわけではなく、音楽家どうしでは、楽譜を前にしながら意見を交わしたりすることが多いですし、あとは耳で聴くだけでは、さらっと流れて気づかないような部分が、楽譜からは見えたりする面白さもあります。なので、楽譜が読めるに越したことはないと思いますが、楽譜に頼りすぎるのも良くないということかなと思います。
――教えることへの関心は高いし、ピアノ教師とも密に交流しているのですね。
守也 もともとレ・フレールを始める前はプロのピアニストになれるとも思っていなかったので、ピアノを教えていたこともあります。教えること自体は楽しく、好きでした。
レ・フレールとしての活動を始め、その中で「ピアノって、こんなに楽しいのですね」「私もこういうふうに弾いてみたい」といった声をたくさんいただいたので、何かまた僕なりに音楽教育に関わることができないかとずっと思っていました。僕なりのやり方でピアノの面白さだったり、僕なりの音楽の捉え方というものを伝えることができるのではないかと思ったんです。
ソロ活動をはじめ、ワークショップなども手がけていますが、デビューして10年以上、ステージパフォーマンスを通じて積み重ねてきた経験もある今だからこそ、以前とはまた違った方法で教育に向かえるなと思っています。
ワークショップを行なう中でも、自分自身で演奏して、「こういうやり方もあるんだよ」と、具体的に示したりするのですが、「説明はできても、それを実際に演奏してくださる先生が少ない」と楽器店の方に言われたことはとても嬉しかったですね。また教育への興味と情熱が高まりました。
――まだまだ何冊も、教則本を出しそうな勢いです。
守也 今回は童謡でしたから、次はオリジナル曲エチュードとか出したいですね。僕は12歳でピアノを始め、ずっと作曲もしてきました。
最初は、ただ音を並べて遊んでる感じの本当につたない作品でしたが、やりたいことの基本は変わってないんだと思います。
今回のエチュードも「僕が作曲を始めた頃の伴奏パターンを素材にして、新たなエチュードをつくれないか」、と思ったのがきっかけです。皆さんも遊ぶ感覚でこのエチュードを気軽に楽しんでもらえればと思っています。
子どもが好きなことを飽きずにずっとやっている感覚というか、自分から望んで何かに取り組んで夢中になった感覚は、大人になってから他のことに取り組んでも活きるものだと僕は感じていて、楽しむために色々と工夫していく中で「ただ楽しいだけでは上達しない」ということを知って、苦手なことも少し頑張って努力する気になれれば、何歳から何をやっても良いんだと思います。
僕自身が12歳という遅いタイミングでピアノを始めたからそう思うのかもしれませんが(笑)。
ちなみに僕の師匠は17歳からピアノを始め、今もプロのクラシックピアニストとして活動されています。
レ・フレールとしてもはもちろん、ソロでも活動はまだまだ続きます。自分なりの方法で音楽の魅力やピアノの楽しさを伝え、教則本も出していきたいなと思っています。
10月26日(土)神奈川・あーすぷらざ プラザホール
11月8日(金)東京・音楽の友ホール
11月14日(木)福岡・スクエアガーデン
11月28日(木)愛知・ヤマハ名古屋ホール
詳細は斎藤守也公式サイトまで http://moriya-saito.com/
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