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2025の秋、熱狂に包まれた「ショパン国際ピアノコンクール」をリポート!

透明感と豊かさをあわせ持つ声で、多くの聴衆を魅了し続けているソプラノ・森麻季さん。その美しい歌声の背景には、日々の暮らしの中で続けている、声と体のケアが欠かせません。舞台に立ち続けるために、森さんはどのように身体と向き合い、声のコンディションを保っているのでしょうか。クラシック音楽とウェルネスの視点から、そのセルフケアの方法をうかがいました。

編集者、ライター。女性誌編集、ECサイト編集・ディレクター、WEBメディア編集長、書籍編集長などを経て現在。はじめてクラシック音楽を生で聞いたのは生後半年の頃。それ以...
——声楽家にとって「体」はどういう存在でしょうか。
森麻季(以下、森): 私にとって体は、“生きた楽器”そのものです。弦楽器や管楽器とは違い、自分の内側から音を奏でる唯一無二の存在。舞台では下半身を安定させて、息の流れを絶やさないようにして声を届け続けます。
技術を磨くほど、この楽器はより豊かに響いて、繊細な表現も可能になりますし、自分の体が音楽を導いてくれる“教師”のようにも感じています。
——「教師」という表現が印象的です。歌っている自分を客観的に見ている感覚があるのでしょうか。
森: そうですね、体の中にもう一人、自分の声や音程を冷静に聴いている人がいるような感覚です。
たとえば「今ちゃんと響いている?」とか、「支えは大丈夫?」と、もう一人の自分がいつも確認しています。実際に声を出している私と、それを見守っている私がいて、それはどちらもとても大切です。








