インタビュー
2023.12.04
サントリーホールのジルヴェスター&ニューイヤー・コンサートの顔。鉄道や回転寿司を題材にシュトラウス風のポルカを作曲!

ウィーン・フォルクスオーパー響と来日する指揮者グイド・マンクージのユニークな横顔

サントリーホールのジルヴェスター&ニューイヤー・コンサートで来日を重ねるウィーン・フォルクスオーパー交響楽団。2023/24年も素敵な歌手やバレエ・ダンサーらとともに華やかな年末年始を楽しめるプログラムが予定されている。

今回同行する指揮者グイド・マンクージは、イタリア出身で幼い頃からウィーンで学び、作曲家としてもシュトラウス風の作品を書くなど、ユニークな活躍を続けているマエストロ。以下、その横顔とメール・インタビュー、公演の聴きどころをご紹介しよう。

取材・文
林田直樹
取材・文
林田直樹 音楽之友社社外メディアコーディネーター/音楽ジャーナリスト・評論家

1963年埼玉県生まれ。慶應義塾大学文学部を卒業、音楽之友社で楽譜・書籍・月刊誌「音楽の友」「レコード芸術」の編集を経て独立。オペラ、バレエから現代音楽やクロスオーバ...

メイン・ビジュアル:グイド・マンクージ(左)、2023年1月のウィーン・フォルクスオーパー交響楽団によるサントリーホール ニューイヤー・コンサートから©Naoya Ikegami SUNTORY HALL

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ナポリの音楽一家の生まれで、指揮者の父や作曲家ニーノ・ロータからピアノの手ほどきを受けるなど、早くから恵まれた環境で学んだグイド・マンクージは、父の死後、母の故郷ウィーンに9歳から移住、ウィーン少年合唱団に入団し、ソリストもつとめ、ウィーンでずっと学んできた。そして2011年から 22年までウィーン・フォルクスオーパーの正指揮者として数多くの舞台作品を指揮してきた。

マンクージがユニークなのは、作曲家として2006年からウィーン風な作品を生み出してきたことである。これまでにワルツ9曲、ポルカ14曲、マズルカ、行進曲などを6曲。その中には、2016年にもサントリーホールで演奏したことのある《新幹線ポルカ》も含まれている。

鉄道ファンならずとも気になる、この《新幹線ポルカ》からマンクージに質問してみた。

グイド・マンクージ(指揮)
1998~2002年シェーンブルン宮殿室内管弦楽団首席指揮者、2000~02年ウィーン・トーンキュンストラー管弦楽団副指揮者、2011~22年ウィーン・フォルクスオーパー正指揮者。ウィーン芸術週間、クラングボーゲン、ロンドン古楽コンソートなどに客演。ウィーン室内歌劇場、エアフルト歌劇場などでも指揮している。2002年クラーゲンフルト劇場の首席指揮者に就任。作曲家としても評価が高い
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鉄道の旅が大好き、シュールな体験も作曲の意欲をかきたてる

――マンクージさんは、指揮者としてのみならず作曲家としてもさまざまな面白い作品をお書きになっていますね。たとえば今回の来日公演でも演奏される《新幹線ポルカ》は、面白いアイディアですね。

マンクージ 日本を超特急で縦断する「新幹線」をイメージして書いた曲です。ワクワクした気持ちにさせてくれるポルカだと思いますよ。ポルカの最後は東京駅に到着するんです。新幹線のホームでみなさんが聴いているおなじみのメロディーが登場するかもしれませんよ!

――ご自身の公式YouTubeチャンネルでは《レイルジェット・エクスプレス》という曲も公開していますね。鉄道と音楽の特別な関係については、どのようにお考えですか。

マンクージ 実のところ、私の人生において鉄道と音楽の間に特別な結びつきはありません。ですが、私は鉄道で旅すること、特に日本の新幹線、オーストリアのレイルジェット(Railjet)、ドイツのイーツェーエー(ICE)、フランスのテジェヴェ(TGV)といった高速鉄道が大好きなのです。作曲家にとって列車の旅は、この感覚を音楽に表現したいと思う特別な時間でもあります。

グイド・マンクージ作曲《レイルジェット・エクスプレス》

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