インタビュー
2022.01.15
1月の特集「笑い」

ムノツィル・ブラスが語る笑いの極意~万国共通のユーモアが音楽の価値を高める

ムノツィル・ブラスにメールインタビュー! ユニークな衣装にひょうきんな動き、びっくりするような大胆な演出……ムノツィル・ブラスの唯一無二のパフォーマンスの秘密に迫ります。なぜ笑いを大切にするのか、そのモットーとは!?

取材・文
三木鞠花
取材・文
三木鞠花 ONTOMO編集者

フランス文学科卒業後、大学院で19世紀フランスにおける音楽と文学の相関関係に着目して研究を進める。幼い頃から楽器演奏(ヴァイオリン、ピアノ、パイプオルガン)を通して音...

2017年の来日公演より
写真提供: 松本市音楽文化ホール

翻訳協力:山取圭澄

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型破りなパフォーマンスで笑いを引き起こすムノツィル・ブラス。ウィーンの居酒屋「ムノツィル・イン」で意気投合した音楽家7人によって、1992年にウィーンで結成されました。メンバーは、ウィーン国立音楽大学やザルツブルク・モーツァルテウム大学で学んだトランペット3名、トロンボーン3名、チューバ1名で構成されています。

今回はトロンボーンのゲアハルト・フュッスルさんに、笑いとパフォーマンスについて詳しく教えていただきました。

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トランペット:トーマス・ガンシュ、ロベルト・ローター、ローマン・リンドベルガー

トロンボーン:レオンハルト・パウル、ゲアハルト・フュッスル
ゾルタン・キス

チューバ:ヴィルフリート・ブランドシュテッター

演奏していて自分たちも楽しくなるようなパフォーマンスを

——なぜ、ただ演奏するだけでなく、パフォーマンスで観客を笑わせるブラスアンサンブルを始めようと思ったんですか?

フュッスル 振り付けやユーモアを加えることで、音楽の価値を高められるのではないかと、最初から確信していたからです。

ゲアハルト・フュッスル
1968年オーストリア生まれ。父親の手ほどきでトロンボーンを学び、1988年にウィーン国立音楽大学に入学。ウィーン交響楽団やウィーン・フォルクスオーパー交響楽団等と共演を重ね、1995年からはオーバーエスターライヒやザルツブルクの音楽学校で教鞭を執っている。

——ネタはどのように相談して作り上げていますか?  誰が発案することが多い?

フュッスル アイデアは、大抵ふっと浮かんできます。次に、できるときには浮かんだアイデアを実際に試してみます。笑いは型にはめられるものではなく、偶然に生まれるものです。私たちは、いつもネタに余地を残すようにしています。すると、舞台の上で本物の笑いになるのです。オーセンティックな洒落こそが、最高のユーモアです

——パフォーマンスをするにあたって、何かモットーはありますか?

フュッスル 演奏していて自分たちも楽しくなるような音楽とパフォーマンスを心がけています。私たちの喜びが、観客にも伝染していきます。

ヨハン・シュトラウス2世《こうもり》序曲

いい音楽を奏でるのにユーモアは欠かせない

——音楽だけでなく、身体パフォーマンスなどさまざまなことを取り入れていますが、あれだけのショーを作り上げるのに、どのような練習をされていますか?

フュッスル いつも、まず音楽から練習し始めます。練習段階では、振付師と演出家の助けを借りて、音楽と芝居のコンビネーションから物語を作り上げていきます。

——これまでで一番気に入っている作品は?

フュッスル ここ数年、多くのショーをしてきましたが、ショーには私たちが大好きなコメディ的要素をたくさん取り入れています。特に評判が良いのは、「Lonely Boy」ですね。レオンハルト・パウルが両手・両足を使って4つの楽器を演奏するもので、素晴らしいパフォーマンスです!

「Lonely Boy」

——世界中で通用する鉄板のネタ、もしくは確実にウケるネタは?

フュッスル 実際、「Lonely Boy」が一番ウケていると思います!

——メンバーで一番笑いの沸点が低いのは誰ですか? 

フュッスル 私たちは、みんなよく笑います。いい音楽を奏でるのにユーモアは欠かせないものだと思っています。ロベルトが「笑いの発作」に襲われると、ほかのメンバーもみんな笑い始めます。そうするともう、止まりませんよ!

一番笑い上戸というロベルトさん。

ムノツィル・ブラスのユーモアは万国共通!

——日本の観客の反応はいかがですか?

フュッスル 私たちのショーで披露するユーモアは、文化の違いに左右されません。音楽による感動が国境を越えるように、心をくすぐるユーモアというのも、世界中で理解されるものです。ほかのお客さまと同じく、日本のお客さまも、私たちのユーモアに敏感に反応してくれます。

——日本のファンにメッセージをお願いします。

フュッスル 2つのメッセージを伝えたいと思います。まず、陰鬱な時代であっても、ユーモアを決して忘れないでください。そうすれば、この時代を乗り越えることができます。そして、私たちがみなさんの美しい国で再び演奏できる日がきたら、どうぞコンサートにいらしてください。たくさん笑っていただけることをお約束します。

早くライブでムノツィル・ブラスの笑いを体感できる日がきますように!
取材・文
三木鞠花
取材・文
三木鞠花 ONTOMO編集者

フランス文学科卒業後、大学院で19世紀フランスにおける音楽と文学の相関関係に着目して研究を進める。幼い頃から楽器演奏(ヴァイオリン、ピアノ、パイプオルガン)を通して音...

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