インタビュー
2022.05.01
5月の特集「健康」

フルート奏者で龍角散社長の藤井隆太が語る演奏家の「健康経営」

演奏家、とくに管楽器奏者にとって喉の健康は死活問題! 演奏前のトラブルで焦った経験がある方も多いのでは? そこでONTOMO編集部はプロのフルート奏者で、鎮咳去痰薬を中心に製造・販売している株式会社 龍角散の代表取締役社長の藤井隆太さん(隆は正しくは生のうえに一の字)にインタビュー。管楽器奏者の「喉の健康」について伺いました。

ONTOMO編集部
ONTOMO編集部

東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...

2021年バルカン室内管弦楽団との共演から。

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株式会社 龍角散は、社名にもなっている鎮咳去痰薬「龍角散」を製造・販売する、江戸時代から続く製薬会社。「ゴホン! といえば龍角散」のキャッチコピーでもお馴染みです。

現在、8代目(株式会社になってからは5代目)の代表取締役社長を務める藤井隆太さんは、音楽高校・大学そしてフランス留学で音楽を学んだ、プロのフルート奏者でもあります。1995年の社長就任以降は、喉の健康に重きを置いた経営方針で数々のヒット商品を生んでいます。

そんな「管楽器」と「喉」のプロフェッショナルである藤井社長に、「管楽器奏者の喉の健康」について伺いました。

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藤井隆太(ふじい・りゅうた)株式会社龍角散 代表取締役社長

3歳より故久保田良作氏にヴァイオリンを師事。11歳より故林りり子氏にフルートを師事。桐朋学園大学音楽学部及び研究科修了。故小出信也氏に師事。研究科在学中に渡仏。エコール・ノルマル・音楽院で故クリスチャン・ラルデ氏に師事。レオポルド・ベラン国際コンクールで1位入賞。1985年より小林製薬、1987年より三菱化成工業を経て1995年より龍角散8代目社長に就任。龍角散ダイレクトや服薬補助ゼリー投入などで、就任時の累積赤字を一掃し、2018年3月度で就任時売上の約5倍の204億円を達成。
フルート奏者としてコンサートへの出演や後進の指導にもあたっている。

龍角散&ヤトロン室内管弦楽団と毎年5月に開催される「龍角散ビルコンサート」に出演。2007年、同コンサートで故小出信也氏とチマローザ2本のフルートのための協奏曲を協演。2012年、台湾大学医学人文博物館でのコンサートで現地ヴァイオリニスト、ピアニストと共演。日本交響楽振興財団賛助会員、厚生労働省社会保障審議会医療保険部会臨時委員、公益社団法人東京生薬協会会長、公益社団法人神田法人会会長、桐朋学園音楽部門同窓会副会長。

トラブルでも演奏に対応できる「健康経営」を

——ご自身が演奏前に心がけている健康のためのルーティンなどあれば教えてください。

藤井   仕事柄、海外出張や接待飲み会も多く、10年程前までかなり太り気味で体調も不調でありました。商工会議所の議員になったことをきっかけに「健康経営」に目覚め、汗をかくほどの速足で毎日約一万歩を目標に歩くことを心掛けました。毎日体重を計測することでモチベーションも上がると、自然と暴飲暴食も避けるようになります。結果、10年前と比較して体重が10キロ程減り人間ドックの結果も好転しました。

驚いたのはブレスが長くなったことです。昨年バルカン室内管弦楽団と共演しましたが、学生時代に使った譜面と比較してもブレスの回数が減っていました。これは同じ長さのフレーズであった場合、表現力の増大を意味するのです。

——演奏前の体調のトラブルで焦ったご経験はありますか? どのように切り抜けましたか?

藤井   フルーティストにとって唇の乾燥、荒れは大敵です。業界内外の懇親会などで急に演奏することもあり、唇も荒れ、しかも中国式の乾杯の洗礼も受け、それでも演奏しなければならない状況は音楽家の常識では想定できない状況です。

しかし回数を経るに従って、いかなる環境であっても演奏できるようになったのは進歩でした。リップクリームだけは、自宅、会社など何箇所にも置いてあります。

楽器演奏を健康のモチベーションに

——龍角散は演奏前にも服用できますか? どんな効果が期待できるでしょうか?

藤井   如何なる環境でも演奏しなければならないということは、寒くても暑くても乾燥していても埃っぽくても対応しなければならないということです。演奏を始めて「喉が…..」では仕事にならないので、演奏前には予防的に飲んでいます。

しかし、症状もないのに麻薬成分などを含んだ強い鎮咳去痰薬は服用したくはありません。龍角散は血中に入って効く薬ではなく、生薬成分が喉の粘膜を潤すので、通常の呼吸よりはるかに激しい呼吸となる演奏中でも、かなり楽になることを実感しています。

——喉の健康にとって、普段から心がけたいことはなんでしょうか。

藤井   私の場合、「セルフメディケーション」の推進に尽きます。常に喉の状態に関心を持ち、喉が乾燥したり不快感があれば「龍角散ののどすっきり飴」や「龍角散ののどすっきりタブレット」などで和らげます。

夜寝る前は砂糖を含んだものは舐めたくないので、ノンシュガーの「龍角散ののどすっきりタブレット」や、微粉末生薬製剤の「龍角散」で就寝中の喉を乾燥やホコリなどから守ります。外出時などは水なしでサッと溶ける顆粒タイプの「龍角散ダイレクトスティック」や、マンゴー味の「龍角散ダイレクトトローチ」が手放せません。

左から龍角散ダイレクトスティック ミント、ピーチ、龍角散ダイレクトトローチ マンゴーR。いずれも第3類医薬品。せき、たん、のどの炎症による声がれ・のどの不快感に効果を発揮する。

——楽器演奏は健康にどのような効果があると考えますか?

藤井   健康を保つには何らかの「モチベーション」を持つことが大切かと思います。究極的には「健康寿命の延伸」ではありますが、私の場合、それが「音楽」なのです。音楽家を志した者としては少しでも良い演奏をしたいと思っています。それが私の「健康モチベーション」になっているのです。「音楽」とともに健やかに年齢を重ねたいと思います。

2021年バルカン室内管弦楽団と尾高尚忠のフルート協奏曲を共演時、本番前の舞台袖。
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東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...

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