インタビュー
2024.03.06
舞台人が語る「WE LOVE MUSICAL!!」第11回

浦井健治×田代万里生対談・後編〜好きな音楽とミュージカルの未来

注目の舞台人が、ミュージカルの魅力を語る連載。今回はミュージカルをメインに、話題の舞台で活躍を続ける、浦井健治さんと田代万里生さんが登場。共に20代でミュージカルデビューして以来、舞台でずっと切磋琢磨してきた同世代のお二人。後編では、ミュージカル界への期待や抱負、好きな音楽について語ります!

取材・文
NAOMI YUMIYAMA
取材・文
NAOMI YUMIYAMA ライター、コラムニスト

大学卒業後、フランス留学を経て、『ELLE Japon(エル・ジャポン)』編集部に入社。 映画をメインに、カルチャー記事担当デスクとして勤務した後、2020年フリーに...

写真提供:ホリプロ

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縁と好奇心を大切にミュージカル界で活躍

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——そもそもお二人がミュージカルの世界で活躍するようになったいきさつは?

浦井 僕個人に関しては、“縁”だと思っています。おこがましいかもしれないですけど、これまで無我夢中でやってきて、そこで出会った方たちとの繋がりに導かれたのかなと。というのも、この仕事をやりたい人はたくさんいるし、専門的に学ぶ学校も多いけれど、舞台に立ち続けるのはまた別の話で。本当にシビアな世界だからこそ、お声掛けをいただけているのは感謝しかないんです。

この世界で自分がどう必要とされるかがわかったのは、多分30歳を超えたくらいからじゃないかな。以前、「10年やったら本物」って、池畑慎之介さんに言われたんです。10年続いたら本物で、その先の10年で何ができるか。そうしたら次の10年が見えてくるって。

田代 今は何年目?

浦井 ミュージカルでデビューしてからは20年目!

田代 僕は2月で15周年。

浦井 これはだから、縁なのかなと。10年続くってことはとてもありがたいことで、それだけ必要とされるって思うようになりました。

浦井健治(うらい・けんじ)
1981年生まれ、東京都出身。2000年に特撮ドラマ『仮面ライダークウガ』の敵の首領役で俳優デビュー。2004年にミュージカル『エリザベート』のルドルフ皇太子役に抜擢され、以降、ミュージカル、ストレートプレイ、映像など幅広く活躍。近年ではミュージカル『キングアーサー』、『王家の紋章』ほか話題作に出演し、第22回読売演劇大賞最優秀男優賞など数々の演劇賞を受賞。2024年6月15日より、ミュージカル『モンパルナスの奇跡~孤高の画家モディリアーニ~』に出演予定。

——田代さんはいかがですか? 芸大を卒業後は、オペラの世界で活躍されていましたけど。

田代 もともと、僕は大学卒業当時、ミュージカルの俳優をやりたいとか、やっていきたいと思ったことは一度もなかったです。今年の1月もサントリーホールで《椿姫》のアルフレードを歌わせてもらったりして、自分の中でカテゴライズがあまりない。実際、ミュージカルを初めて観たのも20歳頃とみんなより遅くて、それまでマイクやスピーカーに縁がないクラシック耳だったから、映画より大きいような音にびっくりして別世界のようでした。

結果的に舞台デビュー作になる『マルグリット』は、《椿姫》をミュージカルに置き換えた作品。実際、ロンドンまで行って世界初演を見たら、オペラ歌手みたいな俳優さんばかりで、これはやりたいと思って日本でオーディションを受けました。そこからいろんなお声がけをいただいたり、僕自身も好奇心で歩み寄ったりして、今15周年って感じです。

田代万里生(たしろ・まりお)
1984年生まれ、埼玉県出身。東京藝術大学音楽学部声楽科テノール専攻卒業。15歳より本格的に声楽を学び2003年「欲望という名の電車」でオペラデビュー、09年『マルグリット』でミュージカルデビューを果たす。近年の主な出演作に、『アナスタシア』『マチルダ』『エリザベート』『ガイズ&ドールズ』『ラビット・ホール』『ジャック・ザ・リッパー』『マタ・ハリ』『スリル・ミー』『マリー・アントワネット』等。第39回菊田一夫演劇賞受賞。

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