インタビュー
2020.12.21
2021年4月スタート

玉川大学でミュージカルを本格的に学ぼう!

玉川大学芸術学部は、2021年4月より更なる教育の充実を目指し、学科を再編成。中でも注目されるのが芸術学部音楽学科に新設される「ミュージカルコース」だ。今回は、授業が行われる大ホール「Marble」にて、コースの中心として指導を行う長裕二教授、現在玉川大学でミュージカル俳優として活躍することを夢見て研鑽を積む学部3年生の中丸咲希さんにお話を伺った。

長井進之介
長井進之介 ピアニスト/音楽ライター

国立音楽大学演奏学科鍵盤楽器専修(ピアノ)卒業、同大学大学院修士課程器楽専攻(伴奏)修了を経て、同大学院博士後期課程音楽学領域単位取得。在学中、カールスルーエ音楽大学...

写真:各務あゆみ

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「ミュージカルコース」を率いる長先生に聞く!

長 裕二(おさ・ゆうじ)玉川大学芸術学部音楽学科教授
国立音楽大学音楽学部声楽科卒業・同大学院音楽研究科オペラコース修了。二期会会員。二期会オペラで活躍後、劇団四季のミュージカル「オペラ座の怪人」等に出演。現在は、玉川大学にて、後進の育成に情熱を注ぐ。

2021年新設の「ミュージカルコース」への進化

——これまで玉川大学ではパフォーミング・アーツ学科の中にミュージカルを学べる授業があり、それが人気だったことも受け、この度芸術学部音楽学科でコース新設となりました。授業の一つだったところから4年間を通しての教育になるということは大きな変化ですが、どのようなカリキュラムとなるのでしょうか?

長 教授 「大きな目標になるのが、ミュージカル作品一本を完成させる、ということですね。旧カリキュラムで行っていたミュージカルの授業では、シーンを抜粋してソロやアンサンブルのパフォーマンスを行う、というものを春と秋に発表していました。新設立のミュージカルコースでは、3年次(簡易演出)と4年次に一本のミュージカルの公演を行います」

——一つの作品の全体を演じる、ということは将来ミュージカル俳優として活躍していく上では大きな経験となりますね。ただその分、学生さんたちは歌や踊り、演技の基礎がよりしっかりと求められることになります。授業はどのように行われるのでしょうか?

長 教授 「1年次は新設の演劇・舞踊学科の教員からも指導を受け、演劇の基礎をしっかりと身につけてもらいたいと思います。さらに舞台技術や劇場運営についての知識を学び、劇場スタッフの経験も積んでいただくことで、一つの舞台が作り上げられるための全てを肌で感じてもらうことが可能です。そして2年次になってからはミュージカルに特化した表現を学び、アンサンブルなどの実習を行っていきます」

実践的なミュージカルの授業

——“舞台人”としての基礎から応用までしっかり学べるのですね。パフォーマンスの向上はもちろんですが、社会人としての経験も学べるのは非常に魅力的です。ミュージカルの実践的な指導はどのように行われるのですか?

長 教授 「ミュージカルの授業は、劇団四季などで活躍されていた先生方に演出や振付、現役のミュージカル俳優の先生に歌唱指導を担当してもらう予定です。実践的な指導だけではなく、学生にとっては大きな刺激、そして貴重な経験になるでしょう」

東京藝術大学音楽学部声楽科卒業後、劇団四季に入団し活躍された久保田彩佳先生(写真・右)は、場面・感情・身体表現を学生たちに考えさせながら、わかりやすく丁寧に指導。(写真提供:玉川大学)

——演技や歌唱など、充実した学びを受けることができますが、作品を勉強していく上では読譜など基礎的な音楽の素養も求められることになっていくと思います。授業についていけるか心配な学生さんもいらっしゃるかもしれません。

長 教授 「もちろんスムーズな読譜や、音楽的な経験というのは大きいですが、経験の差を悲観して諦める必要はまったくありません。歌やダンスなどの実技指導はもちろんですが、ソルフェージュなど音楽の基礎的なことについての授業もしっかりと行います。そもそも歌は大学の4年間で一気に伸びるものです。私自身も歌を始めたのは高校2年生からですし、大学に入ってから始めたい、という方も安心してお越しいただきたいですね」

玉川大学で広がる様々な可能性

——ミュージカルの本場はやはりアメリカですし、英語も不可欠だと思いますが、玉川大学では英語の授業も非常に充実しているそうですね。

長 教授 「玉川大学の英語の授業は、全学共通英語教育プログラム『ELF(English as a Lingua Franca)』(共通の母語を持たない人同士のコミュニケーションに使われる英語)と名づけられ、世界中の人々と多様な場面や状況でコミュニケーションできることを目標としています。真にグローバルな活躍を目指してもらうために、語学研修も盛んに行われています。ミュージカルコースでは、ミュージカルナンバーを英語で歌うことはもちろんですが、それを自分で訳して歌ってもらったりもします。ミュージカルコースの先生の中にはブロードウェイで活躍されている方とのつながりもあるので、いずれはなにかしらの交流を図ることも考えているところです」

——卒業後の進路に期待することは、やはりミュージカルでの活躍が大きいと思いますが、玉川大学では様々な可能性が開かれていることも魅力的です。

長 教授 「もちろんミュージカルの舞台に羽ばたいていけるような充実した指導体制を揃えています。ただ、大学での学びの中で、自分の新しい可能性を見つけることも少なくありません。玉川大学は総合大学ということもあり、就職希望者の就職率も高く、キャリアセンターのサポートも充実しています。夢を目指しながら就職の可能性も模索できるので、卒業後のことを見据えて、ぜひ学生の皆様には幅広い学びの中で自分の可能性を広げていってもらいたいですね」

先輩に聞く!

玉川大学芸術学部パフォーミング・アーツ学科3年 中丸咲希さん

心揺さぶられるミュージカルの授業

——現在は学科再編成前の授業を受けている中丸さん。ミュージカルの授業の様子を教えてください。

中丸さん 「実際のミュージカルナンバーを用いてアンサンブルの授業を受けています。授業は週2回あって、演目や楽曲は学生の希望をもとに先生方と相談しながら決定していきます。私は今年、「アナスタシア」や「ミス・サイゴン」といった演目のナンバーを中心に勉強しています。毎年春・秋には学外の方々にも観ていただける発表会もあるので、歌や演技はもちろん、衣装や振付、構成なども学生と先生が協力し合って作り上げていきます」

——指導はどのように受けていらっしゃいますか?

中丸さん 「現役で活躍されている先生を含め、劇団四季やオペラの舞台で活躍されていた先生方4名がとても丁寧にご指導くださいます。発声はもちろん、歌唱や演技も先生が実際にお手本を示してくださるので、毎回の授業が感動の連続です」

久保田彩佳先生の実践的な授業。英語の歌詞の発音・発声のポイントやピンマイクの使い方など、きめ細やかな指導を受ける。(写真提供:玉川大学)

玉川大学でみつけた将来の夢

——ミュージカルでは歌や演技、そして踊りが求められますが、ダンスも授業があるのですか?

中丸さん 「玉川大学ではクラシックバレエにジャズ、コンテンポラリーダンスに日本舞踊まであります。私自身は小さい頃から高校までクラシックバレエを専門にやっていて、もともと大学でもバレエを勉強したくて入ったので、バレエの授業を受けつつ、今はジャズダンスにも取り組んでいます」

——もともとバレエ志望だったのですね。歌の勉強はどうされていたのですか?

中丸さん 「大学に入ってからはじめました。いま個人レッスンでは発声やイタリア歌曲を中心に習っています。大学に入った当初はまさか自分がミュージカルを勉強したくなるとは思っていなかったのですが…。授業で先生方の歌や演技を見たり、経験談を伺っているうちに引き込まれてしまって。自分自身は勿論、周りも驚いています(笑)。ミュージカルの歌唱は英語でのことも多く、また自分で訳したものを歌うということもあるので、英語の勉強も欠かせません。玉川大学では英語の授業が充実しているのでその学びがとても活きています」

——将来の目標を教えてください。

中丸さん 「ミュージカルの舞台で活躍できるようになることが夢です。そのために今はオーディションに向けての準備を進めているところです。色々と不安はありますが、大学のサポートがとても充実しているので、安心して自分の夢に向かって突き進むことができます!私自身、大学に入ってからミュージカルの勉強をはじめましたし、玉川大学ではソルフェージュなどの音楽の基礎、ダンスやバレエも基礎から丁寧な指導が受けられます。“興味はあるけれど何も習っていないから…”と迷っていらっしゃる皆さんにも安心して受験してほしいと思います」

玉川大学芸術学部音楽学科の3コースが2021年4月よりスタート!

★ミュージカルコース

 

★演奏・創作コース

音楽学科の中で、特に実技を専門的に学べるのが演奏・創作コース。第一線で活躍中の先生から直接指導を受けられる。専攻はもちろん、アンサンブルも充実しており、一般教養科目も幅広く受講可能。玉川大学の特徴である充実した英語教育も受けられるため、卒業後の海外留学を視野に入れやすい。また総合大学ならではの多彩な人間関係の構築により、幅広い視野を持った人間力の高い音楽家としての成長が期待できる。また演奏家や作曲家としてだけではなく、音楽に関わる様々な職種への挑戦も万全のサポート体制のもとで可能である。

 

★音楽教育コース

中学校や高等学校で音楽教員として活躍することをめざすという明確な目標のもと、仲間たちと切磋琢磨しながら、歌唱や器楽演奏、創作や鑑賞を総合的に学ぶことが出来る。長年にわたり指導の現場で教鞭をとってきた先生方のもと、実践的な学びはもちろん、授業を進めるための理論的なノウハウについても指導を受けることができる。また、実際に中学校などで授業を参観する「参観実習」や公共教育施設や学校で「教育インターンシップ」を受けることも魅力。こうした経験が高い採用実績につながっている。さらに在学中に中学校と高等学校はもちろん、小学校の教員免許状まで取得することも可能だ。

長井進之介
長井進之介 ピアニスト/音楽ライター

国立音楽大学演奏学科鍵盤楽器専修(ピアノ)卒業、同大学大学院修士課程器楽専攻(伴奏)修了を経て、同大学院博士後期課程音楽学領域単位取得。在学中、カールスルーエ音楽大学...

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