プレイリスト
2020.01.30
おやすみベートーヴェン 第46夜【ボンでの少年・青年時代】

8つの歌曲(リート)第2曲「炎の色」——女性詩人メローの麗しい詩にのせた歌曲

生誕250年にあたる2020年、ベートーヴェン研究の第一人者である平野昭さん監修のもと、1日1曲ベートーヴェン作品を作曲年順に紹介する日めくり企画!
仕事終わりや寝る前のひと時に、楽聖ベートーヴェンの成長・進化を感じましょう。

ONTOMO編集部
ONTOMO編集部

神楽坂を拠点に、取材・編集作業をしています。

監修:平野昭
イラスト:本間ちひろ

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女性詩人メローの麗しい詩にのせた歌曲 8つの歌曲(リート)第2曲「炎の色」

機に応じて作曲した数曲の歌曲を、ベートーヴェンは1795年ころまとめて出版する計画をたてた。しかし、結果的にこの「8つの歌曲」Op.52の出版は1805年まで待たなければならなかった。

 

第2曲「炎の色」は、奇しくもベートーヴェンと同い年の女性作家で詩人のゾフィー・メロー(1770~1806)の詩による。1792年秋にボンで作曲したもので、ウィーンに出てから1794年に第2稿を作っている。この詩人メローは文学者で詩人のクレメンス・ブレンターノ(1778~1842)と結婚することになる。

 

1節4行の詩が全8節あるが、2節ずつつなげた有節歌曲として作曲されているので、4回繰り返して全節を歌うことになる。

 

曲はアンダンテ・コン・モート、8分の6拍子のト長調。3小節の前奏で始まり、第11小節で詩の第1節を終え、第13小節から第2節となる(つまり、第4、6、8節も同じ)。この後半では一瞬ト短調への翳りを見せ、第21~24小節の後奏でも減七和音によるかげりがある。

 

「私は知っている、私が大好きな色のあることを、私はその色を金や銀よりずっと高い価値あるものと思っている。好んで額に飾り、衣装にも使う、私はそれを真実の色と名をつけた。確かに愛らしくたおやかな姿でバラは咲くけど、あっという間に色あせてしまう。だから人はそれを愛の花と呼ぶ、その魅力は素晴らしいのだけど、すぐにしぼんでしまう」と歌われる。そして、大空の青色、雪の色について語られ、最後に「真実の色は土砂降りの雨にも色落ちせず、焼き尽くすような太陽の光にも色あせない」と曲を閉じる。

解説:平野昭

炎の色こそ真実の色というすてきな詩に、ベートーヴェンのメロディがさらに彩りを添えていますね。ボン時代最後の歌曲です。

作品紹介

8つの歌曲(リート)第2曲「炎の色」Op.52

作曲年代:1792年秋(ベートーヴェン22歳)

 

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