プレイリスト
2018.07.17
ドラマ『健康で文化的な最低限度の生活』の劇伴を務める

fox capture planが選ぶクラシックファンにも聴いて欲しい7曲

7月スタートのドラマ『健康で文化的な最低限度の生活』(関西テレビ)の劇中音楽を担当することが発表されたfox capture plan。「現代版ジャズ・ロック」をコンセプトとして活動するピアノトリオで、岸本亮(Key / JABBERLOOP / POLYPLUS)、カワイヒデヒロ(B)、井上司(Dr)が2011年に結成。2017年、TBS系ドラマ『カルテット』、2018年フジテレビ系ドラマ『コンフィデンスマンJP』の劇伴を担当し、口コミで話題を集めてきた新進気鋭のインストゥルメンタルバンドだ。彼らの楽曲から、ONTOMO読者にオススメしたい楽曲をセレクトしてもらった。

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fox capture plan
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fox capture plan インストゥルメンタル・バンド

“現代版ジャズ・ロック”をコンセプトとし2011年結成。2013年2ndアルバム『BRIDGE』で『JAZZ JAPAN AWARD 2013アルバム・オブ・ザ・イヤ...

聞き手・文
衣輪晋一
聞き手・文
衣輪晋一 メディア研究家・フリーライター

サブカルライターを経てインドネシアで日本語教師ボランティア。帰国後は文芸批評と民俗学の「フィールドワーク」をメディア研究に取り入れ、現場に足を運んで得た情報を基に考察...

撮影:mika

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「ジャズ、ロック、クラブミュージックの影響下のサウンドをやっていますが、実は何気にクラシックの影響も受けている」(岸本)と話す彼らが、クラシックファンにも聴いて欲しい楽曲について語ってもらった。「とくにカワイくんの作った曲は、大学生時代にオーケストラに参加していたこともあり、クラシックの要素が強いかも」と岸本氏は語る。

Butterfly Effect

彼らがストリングスを導入し始めた頃に出されたアルバム『BUTTERFLY』の表題作。「ネットラジオのクラシック番組に出演させてもらったときにも紹介した楽曲。このアルバム全部をクラシックファンの方々にも聴いてもらいたい。クラシカルな『Kaleidoscope』や『In the darkness』もピアノ的にオススメ」と岸本氏。カワイ氏は「『the beginning of ….』や『the last story of the myth』もぜひ聴いてみてください」と。井上氏は「個人的には『…with wind』も面白いのでは?」と話す。

混沌と創造の幾何学

前出のアルバム『BUTTERFLY』の4曲目に収録。カワイのオススメで、岸本氏は「現代音楽の要素が多分に盛り込まれている」と解説。カワイ氏は「同アルバムは弦楽カルテットの前奏で入っていくなどの遊びもあるオススメアルバムです」と力強く語った。「ポストロック的な音楽に影響を受けてきた僕たちですが、元々は現代音楽っぽいサウンドからスタートしていったように思います」(岸本氏)。

Exceed the Limit

彼らの1stアルバム『trinity』の4曲目に収録。井上氏は「ピアノの機械的なフレーズを繰り返している上で、ドラムは人力で叩いていくというスタイルが、クラシック目線で見ても面白いところなのでは?」と提案する。

white ambience

前出の1stアルバム『trinity』6曲目に収録。「ピアノの初期の基礎練習に、ミニマルなフレーズを繰り返すものがありますが、これをヒントに、クラシカルな意味で右手と左手の動きが違うものを作ってみようとした曲。クラシックピアノの方ですら弾いてみたら難しいと感じるだろう曲なので、相当に練習して臨みました」と岸本氏。

衝動の粒子

前出の1stアルバム『trinity』の2曲目に収録。「バッハのように同じフレーズをどんどん重ねていき、ベース音だけを変えて展開していくというサウンドのつくり方。クラシック要素も割と強めです」とカワイ氏。

Possibillity

5枚目のアルバム『FRAGILE』の9曲目に収録。井上氏のオススメで「ストリングスの入った壮大なバラードといった趣」と解説する。同アルバムからは「『FRAGILE#1』、『FRAGILE#2』は個人的にクラシックを意識して作った楽曲」と岸本氏。

Theme from Quartet

fox capture planの名前を一躍有名にしたTBS系ドラマ『カルテット』のテーマ曲。岸本氏は「『カルテット』はクラシック好きの方も大勢観ていらしたドラマだそうなので、やはりこの曲は是非聴いてほしいですね」と胸を張る。fox capture planを知る上で入門編的な曲だ。

プロフィール
岸本亮(Key)

 

ピアノ担当。ホーンなども入ったクラブジャズバンド・JABBERLOOPにも所属。クラシックとの出逢いは幼少期、母がピアノの先生だったこと。高校2、3年生でチック・コリアやビル・エバンスなどジャズに触れる。大学時代にはビックバンドも経験し、山野ビックバンドコンテストにも出場。関西在住自体はソウル・ファンク・ディスコ系のバンドも。

カワイヒデヒロ(B)

ベース担当。叔父が作曲家の川井憲次で、当時からそのサンプルを聴いて育った。音楽に目覚めたのは高校3年生。クラブミュージックやジャズに触れ、大学に入ってクラシックのオーケストラに入る。岸本とはイベントで他バンドとして競演した際に出逢い、「ピアノトリオがやりたい」と誘われ、同志に。

井上司(Dr)

ドラム担当。幼稚園、小学校とピアノを学んでいたが、中学2年生の頃、ニルヴァーナの映像のデイブ・グロールのドラムを見てドラムを始める。いくつかのバンドを経た後、友人づてに岸本と出会い、fox capture planを結成に参加。岸本は声を掛けた理由を「僕たちの周りのドラムとは違うサウンドだった。ライトシンバルの音がジャズっぽく聴こえたのも決め手になった」と振り返る。

インフォメーション

9月5日(水)に7枚目のオリジナル・フル・アルバム『CAPTURISM』が発売。

アルバムを携えたライブ“CAPTURISM TOUR –KICK OFF LIVE”を9 月 7 日(金) 京都府 磔磔にて、9 月 8 日(土) 東京都 渋谷 CLUB QUATTROにて開催。

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fox capture plan インストゥルメンタル・バンド

“現代版ジャズ・ロック”をコンセプトとし2011年結成。2013年2ndアルバム『BRIDGE』で『JAZZ JAPAN AWARD 2013アルバム・オブ・ザ・イヤ...

聞き手・文
衣輪晋一
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衣輪晋一 メディア研究家・フリーライター

サブカルライターを経てインドネシアで日本語教師ボランティア。帰国後は文芸批評と民俗学の「フィールドワーク」をメディア研究に取り入れ、現場に足を運んで得た情報を基に考察...

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