読みもの
《第九》が年末に演奏される理由とは?《第九》トリビアを紹介!

生誕250年にあたる2020年、ベートーヴェン研究の第一人者である平野昭さん監修のもと、1日1曲ベートーヴェン作品を作曲年順に紹介する日めくり企画!
仕事終わりや寝る前のひと時に、楽聖ベートーヴェンの成長・進化を感じましょう。

東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...
昔の解説だと、《悲愴ソナタ》について「モーツァルトにもハイドンにも前例のない、グラーヴェ(重々しく、荘重にの意)の序奏がついたソナタ形式」なんて記述がいっぱいあるんですけど、モーツァルトやハイドンに前例がなくたって、15年前のベートーヴェンが子どものときに前例があるんです。
平野さん談
「ラルゲット・マエストーソ」と指示された9小節の序奏にはじまり、「アレグロ・アッサイ」に移行するこの形式は、《悲愴ソナタ》に通ずるものがあるとのこと。
ベートーヴェンの革新性がすでに表れているうえに、ネーフェ先生のレッスンでJ.S.バッハの《平均律クラヴィーア曲集》を全曲弾いていたという、かなりのピアノの腕前も感じさせる作品だそうです。最初期の作品にして、革新性と表現の豊かさを感じさせるとは、さすがベートーヴェン!
選帝侯ソナタ第2番 へ短調WoO47-2
作曲年代:1782~83年(ベートーヴェン12~13歳)
出版:1783年ボスラー社







