ベートーヴェンが劇音楽を付けたゲーテの戯曲『エグモント』〜魅力的な英雄の主張とは
2019.12.24
おやすみベートーヴェン 第9夜【ボンでの少年・青年時代】
「クラヴィーア四重奏曲変ホ長調」——モーツァルトの影響とベートーヴェンの独自性
生誕250年にあたる2020年、ベートーヴェン研究の第一人者である平野昭さん監修のもと、1日1曲ベートーヴェン作品を作曲年順に紹介する日めくり企画!
仕事終わりや寝る前のひと時に、楽聖ベートーヴェンの成長・進化を感じましょう。
モーツァルトの影響とベートーヴェンの独自性 「クラヴィーア四重奏曲変ホ長調」
実はこの3曲、モーツァルトの3曲のヴァイオリン・ソナタ(K296、376、380)の形式、調、楽章数と共通していて、スタイルの面で影響を受けていることが明らかなんです。ただ、調号の数や転調の仕方など、音楽的な内容はモーツァルトとは全然違います。
——小山実稚恵、平野昭著『ベートーヴェンとピアノ「傑作の森」への道のり』(音楽之友社)15ページより
モーツァルトの影響を受けつつも、ベートーヴェンらしさが見られる3曲の「クラヴィーア四重奏曲」は、平野さん曰く「少年時代の傑作」。また、J.S.バッハの《平均律クラヴィーア曲集》を徹底的に学んだことも、調選択や転調の仕方に大きな影響を与えたそうです。モーツァルトとの違いにも注目してみましょう。
作品紹介
「クラヴィーア四重奏曲変ホ長調」WoO36-1
作曲年代:1785年(ベートーヴェン14歳)
出版:1828年
作曲順とWoO番号(初版譜による)が不一致だが、3番(ハ長調)、1番(変ホ長調)、2番(ニ長調)の順で成立。3曲セットとして死後出版。
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