2020.01.04
おやすみベートーヴェン 第20夜【ボンでの少年・青年時代】
アリア《キスの試練》——シュミットの楽しい詩「会ってみたいよ、キスが罪って証明できる人がいるなら!」
生誕250年にあたる2020年、ベートーヴェン研究の第一人者である平野昭さん監修のもと、1日1曲ベートーヴェン作品を作曲年順に紹介する日めくり企画!
仕事終わりや寝る前のひと時に、楽聖ベートーヴェンの成長・進化を感じましょう。
ONTOMO編集部
東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...
シュミットの楽しい詩「会ってみたいよ、キスが罪って証明できる人がいるなら!」 アリア《キスの試練》
バスとオーケストラのためのアリア。先輩同僚であったボンの宮廷歌手J.ルックス(1756~1818年)のために作曲。詩人で弁護士のK.E.カール・シュミット(1764~1824年)の詩が楽しい。
「僕の賢い母は言う、子よ、キスは罪ですよ! でも、罪びとの僕は思う、それって悪いことじゃない。人殺しと泥棒は恐ろしい罪だっていうこと、僕にもわかるよ。会ってみたいよ、キスが罪って証明できる人がいるなら! 僕のキスは盗んだんじゃない、ドリスが僕にくれるんだ。彼女の眼を見ればわかるよ、罪だなんて悩んでいないよ! 母さんは中傷誹謗者だ! キスは罪なの? もう僕、哀れな罪びとは思う、この罪はどうしようもないよ!」
解説:平野昭
シュミットの詩、楽しくかわいらしい内容ですね。あの肖像画のベートーヴェンが、キスをテーマにした詩に、こんなに軽やかな曲をつけていたとは……。青年時代の作品から見える意外な一面ですね。
作品紹介
アリア《キスの試練》WoO89
作曲年代:1791/92年(ベートーヴェン21/22歳)
出版:1888年
関連する記事
-
《第九》が年末に演奏される理由とは?《第九》トリビアを紹介!
-
ベートーヴェン《月光》の献呈相手ジュリエッタのことを友人に綴った手紙
-
ベートーヴェンの生涯と主要作品
ランキング
- Daily
- Monthly
関連する記事
ランキング
- Daily
- Monthly
新着記事Latest
2025.07.09
京都市交響楽団ソロ・コンサートマスター会田莉凡さん「オーケストラで弾くことはずっ...
2025.07.07
“感じればいい”は本当か?~飯田有抄がガチで伝えるクラシック音楽の面白さ
2025.07.07
【Q&A】指揮者・吉﨑理乃さん~東京国際指揮者コンクール入賞! 音楽愛に満ちた若...
2025.07.05
ゴルトベルク変奏曲は「人生のレジュメ」~ピアニスト、エル=バシャが満を持して挑む
2025.07.05
指揮者・山田和樹、ベルリン・フィルとの共演を振り返る「生命力のキャッチボール」
2025.07.03
今週の音楽家の名言【ヴァイオリニスト・石田泰尚】
2025.07.03
【音楽が「起る」生活】ノット&スイス・ロマンド管、《イオランタ/くるみ割り人形》
2025.07.02
白石美雪『音楽評論の一五〇年 福地桜痴から吉田秀和まで』が音楽本大賞個人賞受賞!