2020.01.06
おやすみベートーヴェン 第22夜【ボンでの少年・青年時代】
《ミンナに》――若きベートーヴェンが作曲を試みた謎の詩
生誕250年にあたる2020年、ベートーヴェン研究の第一人者である平野昭さん監修のもと、1日1曲ベートーヴェン作品を作曲年順に紹介する日めくり企画!
仕事終わりや寝る前のひと時に、楽聖ベートーヴェンの成長・進化を感じましょう。
ONTOMO編集部
東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...
若きベートーヴェンが作曲を試みた謎の詩――《ミンナに》
作詞者不詳の9行の詩に3稿を残した未完の作品と言われているが、ベートーヴェンは1790年頃から、ウィーンに進出する頃までに作曲を試みている。
未完ながら第3稿にはピアノ伴奏も付けられ、全22小節で音楽的には完結していると見ることもできる。歌詞の中に「ミンナ」という女性の名前は出てこない。
1800年頃に出版された作曲者、作詞者ともに不明の歌曲に《ミンナに》という曲名が見られるが、その歌詞中に、この詩の1節が含まれている。
「お前のそばだけが、お前の胸にもたれるだけで、不安と悲しみと痛みと、そして悩みのすべてが消えてゆく。われらの愛が我らを喜ばせる。君無しでは神も僕に何も与えられない、僕無しでは神も君に何も与えられない。君は僕の妻、僕は君の夫」
解説:平野昭
この「ミンナに」の詩に、若きベートーヴェンは3回曲をつける挑戦をした形跡があるそう。未完といわれている短い歌曲ですが、皆さんにはどう聴こえるでしょう。
作品紹介
ミンナに(未完)WoO115
作曲年代:1790~92年(ベートーヴェン20~22歳)
出版:1888年
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