2020.02.14
おやすみベートーヴェン 第61夜【天才ピアニスト時代】
「12のコントルダンス」——《エロイカ》最終楽章の主題も登場する舞曲集
生誕250年にあたる2020年、ベートーヴェン研究の第一人者である平野昭さん監修のもと、1日1曲ベートーヴェン作品を作曲年順に紹介する日めくり企画!
仕事終わりや寝る前のひと時に、楽聖ベートーヴェンの成長・進化を感じましょう。
1792年、22歳のベートーヴェンは故郷ボンを離れ、音楽の中心地ウィーンに進出します。【天才ピアニスト時代】では、ピアニストとして活躍したウィーン初期に作曲された作品を紹介します。
《エロイカ》最終楽章の主題も登場する舞曲集 「12のコントルダンス」
コントルダンスとは、イギリス起源の2拍子のカントリーダンスが、18世紀のフランスで宮廷舞曲として洗練されたもの。
1795年から1802年までに作曲された、トランペットとヴィオラを外した編成のオーケストラで演奏される舞曲集。第8曲にだけタンバリンが加わる。多彩な木管楽器は曲によって編成を変える。
2つの8小節楽節(フレーズ)が基本だが、第3、5、6,10、12曲には大小のトリオ部が付けられている。
第7曲と第11曲を連結したものが1801年のバレエ音楽《プロメテウスの創造物》終曲に使われ、第7曲はさらに1802年のピアノの変奏曲Op.35や、1803/04年の交響曲第3番《エロイカ》終楽章の変奏主題として使われている。
解説:平野昭
華やかな舞曲集、いかがだったでしょうか。
第9曲までは、ベートーヴェン本人が編曲したピアノ独奏版もあります。併せてお楽しみください。
作品紹介
「12のコントルダンス」WoO14
作曲年代:1795~1802年(ベートーヴェン25~32歳)
出版:1802年モロ社(ウィーン)、ピアノ編曲も同時出版
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