2020.02.21
おやすみベートーヴェン 第68夜【天才ピアニスト時代】
弦楽三重奏曲(第1番)変ホ長調——ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロで演奏する6楽章構成の作品
生誕250年にあたる2020年、ベートーヴェン研究の第一人者である平野昭さん監修のもと、1日1曲ベートーヴェン作品を作曲年順に紹介する日めくり企画!
仕事終わりや寝る前のひと時に、楽聖ベートーヴェンの成長・進化を感じましょう。
1792年、22歳のベートーヴェンは故郷ボンを離れ、音楽の中心地ウィーンに進出します。【天才ピアニスト時代】では、ピアニストとして活躍したウィーン初期に作曲された作品を紹介します。
ONTOMO編集部
東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...
ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロで演奏する6楽章構成の作品 弦楽三重奏曲(第1番)変ホ長調
ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロによる弦楽三重奏曲はすでに時代遅れで、ハイドンもモーツァルトも1曲ずつしか作品を残していないが、ベートーヴェンは1795年から98年までの間に5曲残している。
しかし、この第1作は、モーツァルトの《ディヴェルティメント》変ホ長調K563と同じ楽章構成で、メヌエット楽章を第3、第5楽章にもつ全6楽章からなる。実質、セレナーデ(多楽章からなる小編成の合奏曲)あるいはディヴェルティメント(セレナーデが外で演奏されるのに対し、室内演奏用)という伝統を踏襲している。第2楽章アンダンテが変ロ長調、第4楽章アダージョが変イ長調で、他は主調の変ホ長調。
解説:平野昭
この頃もベートーヴェンは、モーツァルトの作品を勉強していたのでしょうね。同じ編成と構成の《ディヴェルティメント》変ホ長調K563も併せて聴いてみましょう。
作品紹介
弦楽三重奏曲(第1番)変ホ長調Op.3
作曲年代:1795年(ベートーヴェン25歳)
出版:1796年春
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