6つの歌(ゲザング)第4曲「グレーテルの警告」——グレーテルの失恋から学ぶ教訓?
生誕250年にあたる2020年、ベートーヴェン研究の第一人者である平野昭さん監修のもと、1日1曲ベートーヴェン作品を作曲年順に紹介する日めくり企画!
仕事終わりや寝る前のひと時に、楽聖ベートーヴェンの成長・進化を感じましょう。
1792年、22歳のベートーヴェンは故郷ボンを離れ、音楽の中心地ウィーンに進出します。【天才ピアニスト時代】では、ピアニストとして活躍したウィーン初期に作曲された作品を紹介します。
東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...
グレーテルの失恋から学ぶ教訓? 6つの歌(ゲザング)第4曲「グレーテルの警告」
さまざまな詩人の詩によって散発的に作曲された6つの歌は、1810年になってから出版されている。全6曲が出そろうのは1809年であるが、これら6曲中で最初に作曲されたのが、弁護士であり作家でもあったゲルハルト・A・ハーレム(1752~1819)による10行3節の詩「グレーテルの警告」であり、第1稿は1795年に作曲されていた。決定稿は1809年の第2稿。
イ長調、8分の6拍子による24小節の有節歌曲。
グレーテルが若い日の苦い恋の想い出を語ることで、若い娘たちに警告する。「色目と戯れと歌で、誘ってきたの、若く美男子のクリステルが。私は彼にのぼせて、彼は私のすべてを奪ったの、でも、もうそれからは私を喜ばせてくれない。不実な男があなたにぞっこんになっても、信じちゃだめ、男の言うことなんか」と歌う。
解説:平野昭
クリステル、ひどい男だったみたいですね……いつの時代にもこういう男性はいそうなので、教訓にもなりそうな作品ですね。
6つの歌(ゲザング)第4曲「グレーテルの警告」Op.75
作曲年代:1795年(ベートーヴェン25歳)
出版:1810年8月
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