2020.03.26
おやすみベートーヴェン 第102夜【天才ピアニスト時代】
「主題と6つの変奏曲」——いろいろな表情が楽しめる、マンドリンとチェンバロのための変奏曲
生誕250年にあたる2020年、ベートーヴェン研究の第一人者である平野昭さん監修のもと、1日1曲ベートーヴェン作品を作曲年順に紹介する日めくり企画!
仕事終わりや寝る前のひと時に、楽聖ベートーヴェンの成長・進化を感じましょう。
1792年、22歳のベートーヴェンは故郷ボンを離れ、音楽の中心地ウィーンに進出します。【天才ピアニスト時代】では、ピアニストとして活躍したウィーン初期に作曲された作品を紹介します。
いろいろな表情が楽しめる、マンドリンとチェンバロのための変奏曲「主題と6つの変奏曲」
作曲家フランティシェク・ドゥシェック(1731〜99)とその夫人で名ソプラノのヨーゼファ(1754〜1824)を中心とするサロンは、プラハの音楽文化の象徴的存在であった。(中略)また、このサロンの常連であったクラリ伯爵令嬢ヨゼフィーネ(1777〜1828)のために、マンドリンとチェンバロのための二重奏曲を4曲(ソナタ2曲、アダージョ、変奏曲=WoO43a、43b、44a、44b)作曲しており、同サロンで、ベートーヴェン自らも共演者となって演奏したであろうことは確実である。
——小山実稚恵、平野昭著『ベートーヴェンとピアノ「傑作の森」への道のり』(音楽之友社)35ページより
本日ご紹介するのは、伯爵令嬢ヨゼフィーネに贈った4作品のうち、最後の作品です。マンドリンとチェンバロが持つ心地良い音色や、さまざまな表情を楽しむことができます。ベートーヴェンとヨゼフィーネは、最後の作品をどのように奏でたのでしょうか。
作品紹介
「主題と6つの変奏曲」WoO44b
作曲年代:1796年春(ベートーヴェン25歳)
出版:1965年
クラリ伯令嬢ヨゼフィーネに献呈
小山実稚恵、平野昭著『ベートーヴェンとピアノ「傑作の森」への道のり』(音楽之友社)
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