ベートーヴェンが劇音楽を付けたゲーテの戯曲『エグモント』〜魅力的な英雄の主張とは
2020.03.29
おやすみベートーヴェン 第105夜【天才ピアニスト時代】
「ピアノ・ソナタ第7番 ニ長調」——響きも構成もまるでオーケストラ作品!
生誕250年にあたる2020年、ベートーヴェン研究の第一人者である平野昭さん監修のもと、1日1曲ベートーヴェン作品を作曲年順に紹介する日めくり企画!
仕事終わりや寝る前のひと時に、楽聖ベートーヴェンの成長・進化を感じましょう。
1792年、22歳のベートーヴェンは故郷ボンを離れ、音楽の中心地ウィーンに進出します。【天才ピアニスト時代】では、ピアニストとして活躍したウィーン初期に作曲された作品を紹介します。
響きも構成もまるでオーケストラ作品! 「ピアノ・ソナタ第7番 ニ長調」
「第7番」は明らかに、「オーケストラ」が意識されていますね。
Op10のうち2曲——「第5番」「第6番」が3楽章と小規模な作品が続いたが、3曲目の「第7番」は4つの楽章を擁する大きい規模で書かれ、内容もより一層深いものが展開する。
第2主題からは、木管的な響きが聴こえてきますね。第66小節あたりからは、楽器が次から次へと変わっていく様子が浮かんできます。4声でこれだけの表現ができてしまうのか……と驚かされます。
――小山実稚恵、平野昭著『ベートーヴェンとピアノ「傑作の森」への道のり』(音楽之友社)43-44ページより
「第7番」には、今より音域の狭い当時のピアノでは出せない音も出てくるそう。ベートーヴェンの頭の中では、オーケストラの多様な音が響いていたようですね。
作品紹介
「ピアノ・ソナタ第7番 ニ長調」Op.10-3
作曲年代:1797~98年(ベートーヴェン27~28歳)
出版:1798年9月エーダー社
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