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2020.04.03
おやすみベートーヴェン 第110夜【天才ピアニスト時代】

「ヴァイオリン・ソナタ第3番 変ホ長調 」——難解すぎる、喜びが失せると酷評されてしまった!

生誕250年にあたる2020年、ベートーヴェン研究の第一人者である平野昭さん監修のもと、1日1曲ベートーヴェン作品を作曲年順に紹介する日めくり企画!
仕事終わりや寝る前のひと時に、楽聖ベートーヴェンの成長・進化を感じましょう。

1792年、22歳のベートーヴェンは故郷ボンを離れ、音楽の中心地ウィーンに進出します。【天才ピアニスト時代】では、ピアニストとして活躍したウィーン初期に作曲された作品を紹介します。

ONTOMO編集部
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神楽坂を拠点に、取材・編集作業をしています。

監修:平野昭
イラスト:本間ちひろ

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難解すぎる、喜びが失せると酷評されてしまった! 「ヴァイオリン・ソナタ第3番 変ホ長調 」

「第3番」については1899年6月5日付の『一般音楽新聞※』に次のような酷評がされている。「ひたすら難解で、自然さや歌にかけている(中略)風変わりな転調を追求し(中略)難解の上に難解を積み重ねているので耐えられないし、喜びも失せる」。

 

※『Allgemeine Musikalische Zeitung』(独)。1798年にドイツ・ライプツィヒで創刊された音楽雑誌。50年にわたって刊行されたこの新聞は、当時としては圧倒的であった1000部という出版部数を誇っていた(通常であれば400〜500部程度)。最大の特徴が新刊楽譜、特にピアノ曲の出版案内と主要な演奏会評であった。

酷評の中には「練習用としては大いに役立つ」と書かれていますし、とにかく技法の高度さ、複雑な転調に対して当時かなり否定的な意見が目立っていましたね。

調の関係も第1楽章が変ホ長調なのに第2楽章がハ長調になっていますし、転調も頻繁で半音階もすごく多いですね。

――小山実稚恵、平野昭著『ベートーヴェンとピアノ「傑作の森」への道のり』(音楽之友社)61ページより

初演時の評価、かなりの酷評ですね……。高度なテクニックや複雑な転調を取り入れることで、独自性を打ち出していったベートーヴェン。これにめげずに、挑戦し続けていったのですね。

作品紹介

「ヴァイオリン・ソナタ第3番 変ホ長調 」Op.12-3

作曲年代:1797~98年(ベートーヴェン27〜28歳)

出版:1798年12月/99年1月

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