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2020.04.08
おやすみベートーヴェン 第115夜【天才ピアニスト時代】

「弦楽三重奏曲(第2番)卜長調」――3本の弦楽器から交響曲への予感?

生誕250年にあたる2020年、ベートーヴェン研究の第一人者である平野昭さん監修のもと、1日1曲ベートーヴェン作品を作曲年順に紹介する日めくり企画!
仕事終わりや寝る前のひと時に、楽聖ベートーヴェンの成長・進化を感じましょう。

1792年、22歳のベートーヴェンは故郷ボンを離れ、音楽の中心地ウィーンに進出します。【天才ピアニスト時代】では、ピアニストとして活躍したウィーン初期に作曲された作品を紹介します。

ONTOMO編集部
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神楽坂を拠点に、取材・編集作業をしています。

監修:平野昭
イラスト:本間ちひろ

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3本の弦楽器から交響曲への予感?「弦楽三重奏曲(第2番)卜長調」

今日からの3日間は「op.9」として出版された弦楽三重奏をご紹介します。

ヴァイオリンとヴィオラとチェロのための弦楽三重奏曲は5曲ある。Op.3の変ホ長調トリオ(1794/95、弦楽三重奏曲 第1番と呼ばれることがある)と、Op.8のニ長調のセレナーデ(1796/97)と、このop.9の3曲セットだ。

第1曲のト長調と第3曲のハ短調の2曲が、1797年の後半あるいは98年の年明けからスケッチされ、98年3月の半ばまでに完成させている。

3曲セットの1曲目は、op.9-1 ト長調のトリオです。

Op.9はすべてが4楽章構成で、交響曲や弦楽四重奏曲に接近し、挑戦しようとしているかのような姿勢がうかがえる。

特に、この第1曲は第1楽章に堂々としたアダージョの緩徐導入部まで付けられている。導入部15小節の後に、アレグロ・コン・ブリオの2分の2拍子の主部が続く。第2楽章はアダージョ・マ・ノン・タント・エ・カンタービレと指示されたホ長調、4分の3拍子による緩徐楽章。第3楽章はト長調のスケルツォ。第4楽章はプレスト。多彩な転調はきわめて大胆で、強弱法やスタッカートとレガートのコントラストが生かされた力強いフィナーレ。

解説;平野昭

第1楽章に序奏がついている、4楽章構成の特徴は約1年後に発表される交響曲第1番を予感させますね。たった3本の弦楽器が織りなす豊かな世界をお楽しみください。

作品紹介

弦楽三重奏曲(第2番)卜長調 op.9-1

作曲年代:1797年初期~98年春(ベートーヴェン27歳~28歳)

出版:1798年7月

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