2020.04.25
おやすみベートーヴェン 第132夜【天才ピアニスト時代】
「交響曲第1番 ハ長調 第4楽章」——初演から5年後、聴衆の反応は
生誕250年にあたる2020年、ベートーヴェン研究の第一人者である平野昭さん監修のもと、1日1曲ベートーヴェン作品を作曲年順に紹介する日めくり企画!
仕事終わりや寝る前のひと時に、楽聖ベートーヴェンの成長・進化を感じましょう。
1792年、22歳のベートーヴェンは故郷ボンを離れ、音楽の中心地ウィーンに進出します。【天才ピアニスト時代】では、ピアニストとして活躍したウィーン初期に作曲された作品を紹介します。
初演から5年後、聴衆の反応は「交響曲第1番 ハ長調 第4楽章」
ベートーヴェン音楽の愛好家を自任する銀行家のヨーゼフ・フォン・ヴュルト(生没年不詳)が1月20日に自邸で開いた演奏会でも、交響曲第1番と新作の《エロイカ》交響曲が演奏されている。ヴュルトは1803年から07年までの冬のシーズン4期にわたって月1回、日曜日の午前中に自邸で定期演奏会を開催していた。(中略)2月13日付の『総合音楽新聞(AMZ)』はこの演奏会について詳しい演奏会評を載せている。
「ベートーヴェンのハ長調交響曲がヴュルト氏によって正確に、しかも楽々と演奏された。格調高い芸術作品だ。すべての楽器の用法は見事で、飛び抜けて豊かで美しい楽想がこの作品の中で壮麗かつエレガントに展開される」
——平野昭著 作曲家◎人と作品シリーズ『ベートーヴェン』(音楽之友社)80ページより
昨日ご紹介したように「交響曲第1番 ハ長調」の初演は大成功とは言えませんでしたが、この演奏会では良い評価を得られたようです。ベートーヴェンにとって初めての交響曲、のちに発表される交響曲と聴き比べてみるのも面白いかもしれません。
作品紹介
「交響曲第1番 ハ長調」Op.21
作曲年代:1799〜1800年3月(ベートーヴェン29歳頃)
初演:1800年4月2日
出版:1801年11月ホフマイスター社(ウィーン)
平野昭著 作曲家◎人と作品シリーズ『ベートーヴェン』(音楽之友社)
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