1月の特集「アニバーサリー」

プーランク120歳おめでとう! “メロディをもった最後の作曲家”のプレイリスト

プレイリスト
2019.01.07

2019年1月7日に120回目の誕生日を迎えるフランスの作曲家フランシス・プーランク。室内楽、歌曲、オペラなど多ジャンルにわたって名作を残したプーランク作品からおススメを集めたプレイリストです。

20世紀最高のメロディメイカー・プーランクの作品をお楽しみください!

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同時代の芸術家ジャン・コクトーが描いたピアノを弾くプーランク。
川上哲朗 ONTOMO編集者
川上哲朗
川上哲朗 ONTOMO編集者
東京生まれの宇都宮育ち。高校卒業後、渡仏。リュエイル=マルメゾン音楽院にてフルートを学ぶ。帰国後はクラシックだけでは無くジャズなど即興も含めた演奏活動や講師活動を行う...

フランシス・プーランクを知っていますか?

2019年1月7日、120回目の誕生日を迎える作曲家がいます。パリ生まれのパリ育ち、生粋のパリジャンで、名ピアニストでもあったフランシス・プーランクです。

パリ音楽院でのアカデミックな教育は受けず、ストラヴィンスキー、バルトークやアルバン・ベルクなど当時の前衛的な作曲家と親交を結び、影響を受けつつも、死ぬまで美しいメロディを書くことをやめなかったプーランクの作品には現代人の心にも馴染む、ポップな感覚が溢れています。

フランシス・プーランク(1930年頃)

たくさんの名曲を残してくれた、そしてフルートを吹く私にとってみればフルートのための名曲中の名曲『フルートとピアノのためのソナタ』を書いてくれたプーランクへ感謝と、ほんの小さな誕生日プレゼントとしてプレイリストを作りました。

プーランクの音楽をあまり知らない方にもおススメできる代表曲を集めましたが、プーランク大好きな方も「あの曲がないぞ!」と怒りながら聴いていただければと思います。

3つの無窮動/フランシス・プーランク(ピアノ)

1918年の兵役中に書かれて、1919年に出版されたので、今年で100周年のピアノ曲。
無窮動(むきゅうどう)とは常に一定した動きで進む楽曲のこと。単調で、けだるい伴奏の上で流れるいたずらっぽいメロディが愛らしい小品です。

「C」~ルイ・アラゴンの2つの詩/フェリシティ・ロット(ソプラノ)、パスカル・ロジェ(ピアノ)

歌曲の分野でも名曲をたくさん残したプーランク。
1曲目の「C橋を渡ったら、そこからすべてが始まった」と歌いはじめる「C(フランス語発音でセー)」という詩は、すべての言葉の終わりが「セー」の音で終わる韻を踏んでいます。ドイツ占領軍との激戦で有名なロワール地方に実在するC橋の悲しいお話。

「パリへの旅立ち」/ピエール・ベルナック(バリトン)、フランシス・プーランク(ピアノ)

陽気なメロディもプーランクのお得意。アポリネールの歌詞につけたのは、「歌曲」というよりはシャンソンの雰囲気。パリ~ジョリ~(美しいパリよ!)の掛け声も楽しい一曲。

あぁ! なんて素敵なんだろう 陰気な土地を離れて
パリに行けるなんて! 美しいパリよ!
たぶん、ここは愛の神が作ったんだ (訳:川上哲朗)

六重奏曲~第1楽章/レ・ヴァン・フランセ

とにかく管楽器に名曲が多いプーランク。日本でも大人気、名手揃いの木管五重奏団「レ・ヴァン・フランセ」の代名詞で、来日のたびに演奏しているので、お馴染みの管楽器ファンの方も多いのではないでしょうか。フルート、オーボエ、クラリネット、ホルン、ファゴットとピアノの名人芸が飛び出して、聴いて楽しい、吹いて楽しい! でも、そこにメランコリーが顔を出すのは都会っ子の宿命?

「サルヴェ・レジーナ」~歌劇《カルメル派修道女の対話》

フランス革命時、宗教弾圧を受けても信仰を捨てず、自ら断頭台へ向かった修道女たちの心の葛藤を描くオペラ《カルメル派修道女の対話》のラストシーン。聖歌を口ずさみながら断頭台に向かう修道女たちの歌声がギロチンの音のたびに減っていく……。
敬虔なカトリック教徒でもあったプーランクは宗教曲も多く残していますが、このオペラは彼の信仰心が表れた、ショッキングながらも、涙を誘う傑作オペラです。

2台のピアノのための協奏曲~第2楽章/フランシス・プーランク、ジャック・フェヴリエ(ピアノ)

「音楽でモーツァルトに勝るものはない」と公言していたプーランク。この2台のピアノのための協奏曲の2楽章冒頭も、まるでモーツァルトのような美しいメロディからはじまります。

トランペット、ホルンとトロンボーンのためのソナタ~第3楽章「ロンド―」

オーケストラのほとんどすべての管楽器のために室内楽曲を書いているプーランク。3つの金管楽器のために書かれたこのソナタも、愉快な中にもヘンテコな和音で捻りがきいた名品。

即興曲第15番「エディット・ピアフを讃えて」/ガブリエル・タッキーノ(ピアノ)

フランス人の誇りであるシャンソン歌手エディット・ピアフ。面識はなかったそうですが、プーランクは日記のなかでピアフの歌をラジオで聴いたと綴っています。この即興曲もピアフの歌声のように悲しげで、揺れ動くような美しいメロディは一度聴いたら忘れられない魅力をもっています。

「黒い聖母の連祷」/パーヴォ・ヤルヴィ(指揮)、パリ管弦楽団・合唱団

プーランクの宗教音楽のひとつで、調性が薄く、メロディも曖昧。教会で祈りの言葉を謳い交わすお祈り「連祷」の形式で書かれており、ホールで演奏されることを前提していながら、まるで教会の中にいるような錯覚を起こす美しい作品。この曲の「黒い聖母」とはフランス南部ロット県のロカマドゥールにある黒い聖母子像のことです。

「愛の小径(こみち)」/フェリシティ・ロット(ソプラノ)、マルコム・マルティノー(ピアノ)

正真正銘、プーランクが書いたシャンソン(当時でいうポップス)がこちら。歌手で女優のイヴォンヌ・プランタン主演の舞台で歌われて、大ヒットしました。「あなたと初めて歩いた愛の道はどこにいったの? あなたはもうここにいない……」という切ないラヴソング。

フルートとピアノのためのソナタ~第1楽章/ジャン=ピエール・ランパル(フルート)、フランシス・プーランク(ピアノ)

最後に紹介するのはプーランク晩年の作品のひとつ、古今のフルート作品でも最高傑作の呼び声高いフルートソナタです。20世紀を代表する名フルート奏者ジャン=ピエール・ランパルのために書かれた、その音楽は「アレグロ(快活に)・マリンコニーコ(憂鬱な)」という矛盾した表題記号がつけられています。陽気さと陰気さ、聖人と遊び人、相反する顔を覗かせるプーランクの音楽にピッタリです。

まとめて聴くにはこちらから

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