パシフィックフィルハーモニア東京に新コンサートマスター&コンポーザー・イン・レジデンスが就任!
パシフィックフィルハーモニア東京に、2023年度より新しくコンサートマスターとして、ヘンリック・ホッホシルトと髙木凜々子が、コンポーザー・イン・レジデンスに作曲家の西村朗が就任する。
就任に際して開催された記者会見では、音楽監督の飯森範親、次期楽団長の二宮光由、髙木凜々子が登壇し、それぞれ新シーズンへの意気込みや聴きどころを語った。
すでにパシフィックフィルハーモニア東京と3回共演している髙木凜々子は、「これまでの共演を通して、団員の皆様は本当に音楽に対して愛と情熱を持っているのを感じたので、一緒に演奏できるのが楽しみ」と前向きに抱負を述べた。
ヘンリック・ホッホシルトは、1990年からライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団のコンサートマスターを務めている。ビデオメッセージで「パシフィックフィルハーモニア東京が家族のように調和することにより、一人一人が大事にされ、重要であると感じ、そして、一番大切なのは受け継がれてきたものを吸収し、より良い形で将来の世代に引き継ぐ責任を誰もが感じることです。そういった意味で、私はパシフィックフィルハーモニア東京と一緒に、新しいシーズンを成功裏にスタートできることを願っています」と話した。
飯森音楽監督も今年の共演を振り返り、「ドイツのオーケストラで何回も指揮をしてきましたが、ホッホシルトさんがいるだけで、みんながそのドイツのオーケストラの響きになる。彼の魔術にかかったかのように、彼の持っていらっしゃるドイツ的なメンタリティーに吸い寄せられてしまうのを体験した」と明かし、今後の彼の就任に期待を表した。
特別首席コンサートマスター
1990年よりライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団コンサートマスター。
K.ヘルテルにヴァイオリン、G.ボッセに室内楽、G.ノイベルトに作曲、V.ローデに指揮を学ぶ。
93年から2003年までゲヴァントハウス・オクテットの創設メンバーとして国内外で演奏活動を行う。後進の指導に熱心で、ドイツ国際オーケストラアカデミー(IJOA)講師に始まり、02年よりライプツィヒ音楽大学に勤め、10年に名誉教授に就任。ユンゲ・ドイチェ・フィルハーモニー管弦楽団、シュレスヴィヒ-ホルシュタイン音楽祭管弦楽団等で講師を務め、19年からはジャカルタ・インドネシアのアマデウス交響楽団にて芸術顧問を務める。アフィニス夏の音楽祭には2005年から参加。
© Gert Mothes
ソロコンサートマスター
3歳よりヴァイオリンを始める。東京藝術大学在学中にブダペストで行われたバルトーク国際コンクールで第2位及び特別賞を受賞し国内外から注目を浴びる。その他シュロモ・ミンツ国際コンクール第3位、東京音楽コンクール第2位及び聴衆賞、日本音楽コンクール第3位及びE・ナカミチ賞など数々のコンクールで入賞。
東京ニューシティ管弦楽団の第133回定期演奏会でスタンコヴィッチのヴァイオリン協奏曲第2番を日本初演し好評を得る。
東京藝術大学卒業、2010年度ヤマハ音楽奨学生。2018年度2021年度ローム音楽奨学生。
2020年CD「凜々子ブリランテ」2022年CD「リリコカンタービレ」をリリース。
使用楽器は株式会社黒澤楽器店より貸与のストラディヴァリウス「Lord Borwick」(1702年)
ⒸNaoya Yamaguchi
西村朗がコンポーザー・イン・レジデンスに就任することについて、飯森音楽監督は、「西村さんとは30年近くのお付き合いになり、彼の作品を20数曲ほど初演してきました。彼の作品にはエネルギー、哲学、そしてパッションが感じられ、またその中に、人生、人間とは何か……そういったものが込められています。私はさらに、西村さんにパシフィックフィルハーモニア東京と一緒に新しい音楽を作っていってほしいという強い思いを抱いています」と思いを明かした。
コンポーザー・イン・レジデンスとして初めて委嘱する作品は、2024年1月27日にピアニストの小菅優によって初演される新曲のピアノ協奏曲となる。
また、今シーズンの新たな試みとしては、「オーケストラアライアンス」が挙げられる。大阪を拠点に活動する日本センチュリー交響楽団とオーケストラアライアンスを締結し、合同演奏会やソリストの共同招聘などを行なう。
さらに、2022年度から継続して、学生年間パスポートも発行する。25歳以下の学生限定で、2023年度の両楽団の34の主催公演(センチュリー響19公演、パシフィックフィルハーモニア東京15公演)が聴き放題となる年間パスポート。二宮次期楽団長も「学生の皆さんにぜひオーケストラを好きになってもらいたいと思います」と期待を込めた。
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