レポート
2019.07.19
英国製オーディオの真髄 これぞクイーンの音!

令和になってもクイーン熱は下がらない!――音楽・映画連動講座『ボヘミアン・ラプソディ』Part.2 リポート

タワーレコードによる「音楽を題材とした映画」の音楽に焦点を当ててアカデミックに解説していくシリーズ講座。6月29日に音楽の友ホールで開催された第2回は、ゲストMCに音楽評論家の萩原健太、講師にROLLY、清水一雄の各氏を迎えるなど、前回に引き続き豪華布陣。ディープで愉しい「クイーン講義」に会場が湧いた。

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月刊「stereo」編集部
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月刊「stereo」編集部 オーディオ誌

1963年創刊の老舗で、唯一の月刊オーディオ誌。クラシック音楽中心の音楽之友社にあって、ロック&アウトドア野郎が多数在籍する異色(異端?)の存在。庶民の心を持ち続け、...

協賛: 株式会社ナスペック

撮影:『stereo』編集部

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モニターオーディオとロクサンが解き明かす本当のクイーン

平成の終わりは間違いなく「クイーン色」に染まっていた。アカデミー賞4部門を制覇した映画『ボヘミアン・ラプソディ』によってもたらされた空前のクイーン旋風は、令和になっても止む気配がない。昔からのファンにとっては「何をいまさら」と思うかもしれないが、若者のなかには映画を見て初めてクイーンの素晴らしさに気付きファンになった人も多いと聞く。

タワー・アカデミー主催による本講座は、映画を一つの起点として、まだクイーンの魅力のほんの一部しか知らない人は、そのさらなる魅力を発見し、長年のファンは「なぜクイーンは特別なのか」を改めて見直す。そうしたキッカケの場として企画された。

ゲストMCの音楽評論家 萩原健太氏(左)と、前回に引き続きMCを務めた矢口清治氏。

本講座の目玉のひとつは「最高のオーディオ装置でクイーンを聴くこと」である。

スピーカーは1972年創業のモニターオーディオ。今回はその最上位モデル、Platinum PL300Ⅱを用意。それを駆動するアンプとプレーヤーは1985年創業のロクサンのBlak Seriesである。両者ともクイーンの地元イギリスの老舗オーディオメーカーである。

今回使用されたスピーカー、堂々たる体躯を誇るMONITOR AUDIO Platinum PL300Ⅱ。
巨大なスピーカーを楽々と駆動した再生機器たち。上からROKSANのBLAK CD PLAYERとBLAK Integrated AMP。同じくROKSANのCaspian CD PLAYER。最下段はパワーコンディショナーIso TekのEVO3 SIGMAS。

モニターオーディオ&ロクサンで聴くクイーンの音

ROLLY氏のコメント

(We Will Rock Youを聴いて)ブライアンのギターの息遣いが手に取るように分かる。ギター・ソロが登場する直前の空気感までがリアルに伝わり、まるで目の前に本人がいるみたいで気持ち悪いほど。こんな体験が出来るなんて、本当にレコードというものが存在する時代に生まれて良かったと思う」

第1部の講師はテレビでもお馴染みのミュージシャン、エンターティナーROLLY氏。
清水一雄氏のコメント

(ボヘミアン・ラプソディを聴いて)まずダイナミクスの大きさが素晴らしいです。それだけでなく、音のセパレーションの良さと、適切なバランスも備えていて、すごくいいなと思いました。自宅ではヘッドホンで試聴することが多いですが、もし自宅でこの装置を鳴らすことが出来たら、本当に気持ちいいだろうなと思いました」

第2部の講師、QUEENESSのギタリスト清水一雄氏。

講師陣のギター演奏も交えて新たな「クイーン体験」を

今回の講師は2人とも名うてのギターの名手とあって、話題は必然的にクイーンのギタリスト、ブライアン・メイに集中した。

ROLLY氏はメイの唯一無二のサウンドを、例えば滞空時間の長い独特のチョーキングや、ピックの代わりに6ペンス・コインで弾く効果について、爆笑エピソードを交えながら熱演と熱弁で講義。

会場の音楽の友ホールにはたくさんのファンが集まり、熱気につつまれた。

一方、清水一雄氏は、メイの愛器「レッド・スペシャル」を持参。メイが父親と一緒に家具の木材から手作りした唯一無二のギターだが、現在は非常に質の高いコピーモデルが存在する。

手作り故に独特の機構を備え、また相当にクセのある弾き心地だそうだが、それが清水氏にかかると、いとも容易く弾いているように見えるのはさすがである。実際に演奏しながらの解説は、例えば“ブライアン・メイ的”なエフェクターの使い方といった部分について、ギターに詳しくなくても「耳」で理解することが出来るので面白い。

今回は『オペラ座の夜』『華麗なるレース』そして『世界に捧ぐ』といった70年代中盤のクイーンのアルバムを振り返ったが、モニターオーディオが奏でる音は、迫力だけでなくリアリティと、ある種の温かみも備え、とくにギター・ソロやコーラスのメロウな響きは、かつてないクイーン体験を会場全体にもたらした。

全4回の講座では、クイーンの作品を時代順に紹介していく。第2回には映画のタイトルにもなっている名作「ボヘミアン・ラプソディ」が収録された『オペラ座の夜』も登場した。

9月7日(土)に開催されるパート3&4は、いよいよ最終回。濃密なクイーンの音空間に触れられるこのチャンスをお見逃しなく!

ホールのホワイエには映画『ボヘミアン・ラプソディ』の巨大パネルも!
次回イベント情報
TOWER ACADEMY presents 音楽・映画連動講座「ボヘミアン・ラプソディ」Part 3&4

日時: 2019年9月7日(土)

Part.3:13:00–15:00終了予定

Part.4: 17:00-19:00終了予定

講師: Part.3: 未定 Part.4:未定

MC: 矢口清治

ゲストMC: 萩原健太(Part.3、Part.4共に解説)

会場: 音楽の友ホール(東京都新宿区神楽坂6-30)

チケット代: 各3,000円(税込)

申込方法: TOWER ACADEMYのホームページの応募フォームへ入力

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1963年創刊の老舗で、唯一の月刊オーディオ誌。クラシック音楽中心の音楽之友社にあって、ロック&アウトドア野郎が多数在籍する異色(異端?)の存在。庶民の心を持ち続け、...

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