「美少女戦士セーラームーン Classic Concert 2018」レポート!

乙女の心をくすぐる「美少女戦士セーラームーン」、その魅力が詰まったクラシックコンサート

レポート
2018.08.30

昨年25周年を迎えた『美少女戦士セーラームーン』。青春時代をセーラー戦士たちとともに歩んできた方も多いのでは。
開催第2回目となる本コンサートは、華やかな装いのお客様で満席! セーラームーンの世界観にどっぷり浸かってきました。その模様をお届けします。

この記事をシェアする
写真:堀衛
セーラームーン・ファンのレポーター
長井進之介 ピアニスト/音楽ライター
長井進之介
セーラームーン・ファンのレポーター
長井進之介 ピアニスト/音楽ライター
国立音楽大学鍵盤楽器専修(ピアノ)卒業、同大学大学院修士課程器楽専攻(伴奏)修了を経て、同大学院博士後期課程音楽学領域単位取得。在学中にカールスルーエ音楽大学(ドイツ...

昨年25周年を迎え、初のクラシックコンサートが開催された『美少女戦士セーラームーン』。大好評だった前回を受け、今年も8月28日より第2回が開催中だ。

アニメ第1期が放送された1992年から、ずっとセーラームーン・ファンである筆者が行った、8月28日(火)東京芸術劇場での初回公演の模様を紹介させていただこう。

《ムーンライト伝説》でスタート!

「美少女戦士セーラームーン クラシックコンサート」には、セーラームーンファンにとって嬉しい演出が盛りだくさん。

最初はセーラームーン/月野うさぎ役の三石琴乃によるナレーションつきのアバンBGMに続き、『セーラームーン』の世界には欠かせない《ムーンライト伝説》の演奏。冒頭の鐘の音が流れた瞬間に、オープニングの映像が目に浮かんだ方は多かったはず。

ちなみに、昨年はどちらかと言えば原曲のテイストを残したビックバンド風だったが、今回は《ムーンライト伝説》のアレンジがガラリと変化。完全に“交響曲”の仕上がりに。あちこちに散りばめられたメロディがだんだん集約して、完全な形で聴こえてくるという流れは、より聴き手のワクワクドキドキを高めてくれた。

演奏は東京フィルハーモニー(指揮:新田ユリ)。一流のオーケストラの演奏を楽しめるのも魅力。

特に心に刻み込まれた3つのパートがある。

まずは、『セーラームーン』で多くの名曲を生み出したシンガーソングライター、小坂明子がピアノ演奏で参加するコーナーだ。小坂が作曲した作品のうち《ラ・ソウルジャー》《伝説生誕》、そして《タキシード・ミラージュ》を、ピアノ協奏曲のように3つにまとめて演奏。

《ラ・ソウルジャー》《タキシード・ミラージュ》は、聖杯の力を得て2段変身しセーラームーンがスーパーセーラームーンになったように、昨年からパワーアップ!

特に《ラ・ソウルジャー》ではカデンツァが長大化し、鍵盤を駆け巡るような細かい音型の嵐に加え、厚い和音のオンパレードなど、より高度な技術が要求されるアレンジに。それをたっぷりと歌い上げながら、さまざまな色をもって聴かせてくれる小坂のピアノからは、必殺技「レインボー・ムーン・ハートエイク」を繰り出すセーラームーンが重なって見えた。

『セーラームーン』のさまざまな楽曲に関わり、名曲を生み出した小坂明子さん。カデンツァは圧巻。

ゲストアーティスト、寺下真理子とSUGURUの熱演

続いては、筆者がもっとも愛するキャラクター、オトナな雰囲気いっぱいのセーラーウラヌス(天王はるか)セーラーネプチューン(海王みちる)のコーナーだ。

新たな試みとして、冒頭に圧倒的な存在感を放つパイプオルガンを使用してのJ.S.バッハの《トッカータとフーガ》の演奏が入った。

この曲は『美少女戦士セーラームーンS』第21話(110話)、いよいよタリスマンが出現するという回で、敵である「ウィッチーズ5」のひとり、ユージアルが演奏(実際はフリだけでテープ再生)したもので、物語を力強く彩ったもの。苦しめられながらもお互いを想いながら戦う、ウラヌス&ネプチューンの姿に涙したことが蘇る。

そんな彼女たちの変身やバトルシーンをメドレー形式にした《ウラヌス&ネプチューンメドレー》は、10分越えの楽曲。ヴァイオリニスト寺下真理子とピアニストSUGURUの熱演は、まさにお互いを大切に想いながら戦い続けるウラヌス&ネプチューンの姿と重なるものがあった。

特に海王みちるは天才ヴァイオリニストという設定があり、寺下の奏でる凛とした深い音色は、みちるの奏でるヴァイオリンはきっとこんな感じだと思わせてくれたし、SUGURUの笑顔で力強く寺下をサポートする演奏は、ウラヌスの強さと優しさ、華麗さを思わせた。

SUGURUさん(ピアノ)と寺下真理子(ヴァイオリン)さん、そしてオルガンの華やかな競演。

アニメソングの女王、堀江美都子が熱唱!

最後は、初参加となる堀江美都子を迎えてのコーナー。

堀江は『美少女戦士セーラームーンセーラースターズ』に登場する最強の敵、セーラーギャラクシアを演じていたが、今回は三石琴乃との掛け合いによるドラマパートを交えながら、キャラクターソング《ゴールデンクイーン・ギャラクシア》を披露。堀江の力強い歌唱は“ギャラクシア様”の強さ、圧倒的存在感と重なり、いくらでもスターシードを差し上げたくなるようなパフォーマンスであった。

また、ギャラクシアのテーマ曲《シャドウギャラクティカ》《エターナルセーラームーン》変身曲の演奏や、アニメの最終話のセリフがそのまま入りつつ最後の《セーラースターソング》につながる構成からは、制作陣のセーラームーンに対する深い愛情を感じた。

堀江はこの曲も歌唱したが、ここでは声をガラリと変え、エターナルセーラームーンに救済され、本来の優しい心を取り戻したギャラクシアを思わせる歌声を聴かせた。

堀江美都子さんの迫力ある歌声がコンサートホールに響き渡る。

出演者や全楽曲を演奏した東京フィルハーモニー(指揮:新田ユリ)の演奏はもちろんだが、照明を含む演出にも感激した公演であった。『セーラームーン』を知る人にはキャラクターや場面がすぐに目に浮かぶ喜びがあり、知らない方にも、楽曲に浸るきっかけとなったのではないだろうか。

昨年よりもっと“クラシック”の要素と物語との連動性が強まった「美少女戦士セーラームーン Classic Concert 2018」。進化し続けるコンサートは、まさにパワーアップし続け、希望を失わず戦い続けるセーラームーンをそのもの。今後の開催も心から願うばかりだ。

昨年行われた25周年記念コンサートより

セーラームーン/月野うさぎ役の三石琴乃さん
プログラム終了後に登壇するゲストの面々
最後は観客も一緒になっての《ムーンライト伝説》歌唱。オーケストラの伴奏に加わるお二人
照明の演出にも注目
ロビーでセーラー戦士たちがお迎え(撮影:長井進之介)
美しいイラストのグッズもファンには嬉しい(撮影:長井進之介)
今後の公演情報
美少女戦士セーラームーン Classic Concert 2018

【大阪公演】
日時: 2018年9月7日(金) 19:00開演
会場: フェスティバルホール
料金: S 9,800円 A 8,800円 BOX 12,000円

【出演】
指揮:新田ユリ
ゲスト:堀江美都子、小坂明子、寺下真理子、SUGURU(from TSUKEMEN)
声の出演:三石琴乃・堀江美都子 

管弦楽:
関西フィルハーモニー管弦楽団

公式サイト:http://sailormoon-classic.com

ツイートする
シェアする

ONTOMOの更新情報を1~2週間に1度まとめてお知らせします!

更新情報をSNSでチェック
ページのトップへ