——今月から、お二人が共演するミュージカル『エリザベート』が開幕します。最後に、今後のミュージカル界への想いをお聞かせください。

井上　僕が歳を重ねてきて思うのは、日本は西洋音楽に関してはアジアでは先駆けで、その学びを元に発展してきましたよね。ミュージカルは自分たちの市場がしっかりあるぶん、コロナもあって近年は少し内向きだったのではないかと。もっともっと世界に目を向けていきたいなと、自分では感じています。

ミュージカルは世界的に見ても、常に新しい作品が生まれ進化を続けているので、僕たちもその流れの中にいたいですね。そのためにも、これからの世代へ渡せるもの、託せるものができるだけ豊かで多いといいな。僕自身もまだまだ新しい景色を見たいと思っています。

田代　先日、休館した帝国劇場も、2030年度にまたオープンする予定ですから、そこにむかってみんなで紡いでいきたいですよね。僕にとって芳雄さんはミュージカル界の第一人者。いつもワクワクする世界を後輩に見せてくださったり、さまざまなチャンスを僕に与えてくださっているので、本当に心強いし、感謝しています。

そしてクラシック・ファンのみなさんには、まずは『エリザベート』という作品をご覧いただければ、ミュージカルが初めての方でも、必ずミュージカルの魅力に気づいていただけると思います！

——芸大という同じ出発点から、それぞれの道のりを歩まれてきたお二人の深い絆と、ミュージカル界への熱い想いが伝わってきました。25周年を迎える『エリザベート』での新たな挑戦に期待が高まります。