ひと塊のチョコレートを用意し、これを乳鉢ですりつぶすか、細かい粉になるまですりおろし、砂糖を適宜混ぜておく。小さな手鍋に水を入れ[て火にかけ]、温まってきたらチョコレートを入れ、いったん火から下ろし、ミル(泡立て器)で泡立てる。ミルがない場合、ひとしきり手鍋で沸かしては別の手鍋に[何度もくりかえし]移し替えるのがよいが、ミルで泡立てた時ほど滑らかにはならないので注意。こうして仕上がったチョコレートを飲むにあたっては、さきに紹介した調理法のように泡を除いたりせず供すること。

ヘンデルのオペラ作曲のお供としてのチョコレートは、ヨーロッパで大流行しながら、ヨーロッパ流にアレンジされて定着していきました。朝食に、バロック期のロンドンでの飲み方でチョコレートを味わって、ヘンデルに想いを馳せるのも一興です。

【音メシ!ヘンデルの食卓】英国風バロック・ホットチョコレート

【材料】(2杯分)

カカオマス  90g

水                 300ml

砂糖     大さじ2

シナモンスティック 1本

 

【作り方】

.カカオマスを包丁などで細かく刻み、砂糖と共にボウルに入れる。

.水を鍋に入れて、沸騰させる。

3.沸騰したら火を止めて、鍋に.の刻んだカカオマスと砂糖を加える。

4.泡立て器でカカオマスが溶けきるまで混ぜ、再び弱火で数分温める。

.カップに4.を注ぎ、シナモンスティックで全体をよくかき混ぜて完成。

 

カカオマスの代わりに板チョコレートを使用しても構わない。板チョコ1枚が60~65gとなるので、1杯あたり板チョコのおよそ3分の2を使用する。

 

スペイン風ホットチョコレートとして、湯の代わりに牛乳を使い、シナモンやクローブなどのスパイス類を加えて風味を楽しむのもよい。数時間置いて完成。

遠藤雅司(音食紀行)
遠藤雅司(音食紀行)

歴史料理研究家。国際基督教大学教養学部人文科学科音楽専攻卒。2013年から世界各国の歴史料理を再現するプロジェクト「音食紀行」をスタートさせ、実食イベントやレストラン...