——舞台では、科学者ビクター(岐洲匠)が作った「怪物」(七海ひろき)と心を通わせる、盲目の女性アガサ役です。共感する部分はありまか?

彩凪 アガサは原作の『フランケンシュタイン』にはないオリジナルのキャラクターです。盲目というハンデはあるけれど、精神面が強くて、向上心がある女性ですね。人から偏見の目で見られる怪物の純粋さや優しさを、心で感じることができるんですよ。怪物がアガサと出会い、変化していく様子が出せればと思っています。

——宝塚では、気品溢れる美しい男役として幅広い役柄を巧みに演じられていました。外部でのお芝居はいかがですか?

彩凪 宝塚では、「雪組」で互いの性格もよく知っているメンバーと、毎回、新しい作品を作ってきました。これからは初めての人たちと互いの性格を知らないままご一緒するので、不安もありますが順応していきたいと思いますね。芝居については、今回、「目」の演技が使えませんので、「目が見えない演技」を考えているところです。あと宝塚では、男役の美しい見せ方のような「様式美」も大切でした。これからは、より自然体で心を通わす芝居になるのかなと思います。

——初めてのことが多い中、宝塚時代の先輩とご一緒なのは心強いですね。

彩凪 自分は人見知りなところもあるので、七海さんとご一緒なのはめちゃくちゃ心強いです。ご本人はすごく優しくておっとりしている方で、外見とのギャップがいいんですよ。在団中は稽古場の廊下で挨拶するぐらいでご一緒する機会はあまりなくて、お芝居でご一緒するのは今回が初めて。緊張はありますが、楽しみにしています。

——これまでの『フランケンシュタイン』のイメージとは違う、退廃的で美しいポスターも印象的です。彩凪さんの新たな魅力が発見できそうで、期待しています。

彩凪 初めてのストレートプレイの舞台に女性役で、目が見えない役……と、すべてが挑戦で、1から作るつもりでいます。物語は原作とは違うところもあるオリジナルな作品。見終わったあと、さまざまな愛の形に、普段見落としがちな大切なものを思い返してもらえると思います!

舞台『フランケンシュタイン-cry for the moon-』のポスター

音楽を通して前向きな気持ちに

——普段はどんな曲を聴かれるんですか?

彩凪 ディズニーとジブリが大好きで、公演前や、ウォーミングアップやストレッチをしているときなどによく流しています。ハワイが好きなので、リラックスしたいときはウクレレだけのディズニーの曲を聴いたり。好きな曲は「アナ雪」や『美女と野獣』、『アラジン』、『リトル・マーメイド』とか……。『千と千尋の神隠し』や『トトロ』などをピアノ演奏で聴くのもお気に入りです。

『UKULELE DISNEY HAWAIIAN』

——ポップス系でお好きな曲はありますか?

彩凪 最近、何気なく聴いていて「この曲いいな」と思うのは、だいたいヒゲダン(Official髭男dism)さんの曲でした! 声質とメロディの旋律が好きで、癒されるんですよ。自分のプロデュースコンサートでも、「宿命」という曲を歌いました。

Official髭男dism「宿命」

——宝塚時代の曲で、思い出に残っている曲があれば教えてください。

彩凪 宝塚を卒業する直前のディナーショーで、自分で作詞をして歌った「明るい未来へ」という曲です。詩の中にポジティブで前向きに生きたいというメッセージと、ファンへの感謝の気持ちをこめました。これまで自分が舞台で言ったセリフや題名も織り交ぜたり。その頃、すでに退団を決めていたのですが、しっとりしたくはなかったので、メロディはポジティブに作ってもらったんです。

——「明るい未来へ」は前向きな気持ちになれる、彩凪さんらしい曲ですね!では、クラシック音楽で好きな楽曲も教えてください。

彩凪 4歳のころからバレエをずっとやってきたので、クラシックはよく聴いていました。《くるみわり人形》や《白鳥の湖》など……。

宝塚では「春雷~ゲーテ作『若きウェルテルの悩み』より~」という主演舞台でゲーテを演じたこともあって、ベートーヴェンの《月光》に、縁を感じています。卒業して「アプローズ~夢十夜~」というコンサートをやったときにも、《月光》を使わせてもらって。この曲を聴くと当時を思い出すんです。

「春雷~ゲーテ作『若きウェルテルの悩み』より~」

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第14番《月光》

——彩凪さんにとって音楽の魅力とは?

彩凪 音楽は自分に力を与えてくれる存在です。元気になりたいときは『アナと雪の女王2』の「イントゥ・ジ・アンノウン」や『アラジン』の「スピーチレス~心の声~」、「フレンド・ライク・ミー」を流すと、気分が上げられます。『グレイテスト・ショーマン』の「This is Me」を聴くと、ポジティブになれます。また頑張ろう! と思わせてくれるんです。

「イントゥ・ジ・アンノウン」、「スピーチレス~心の声~」、「フレンド・ライク・ミー」、「This is Me」

公演情報
舞台『フランケンシュタイン-cry for the moon-』

【東京公演】
日時:
 2022年1月7日(金)~1月16日(日)
会場: 紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA

【大阪公演】
日時: 2022年1月20日(木)~1月23日(日)
会場: COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール

出演: 七海ひろき、岐洲 匠、彩凪 翔/蒼木 陣、佐藤信長、横山結衣、北村由海/永田耕一

料金: 全席指定 10,000円

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NAOMI YUMIYAMA
NAOMI YUMIYAMA 映画ライター、コラムニスト

大学卒業後、フランス留学を経て、『ELLE Japon(エル・ジャポン)』編集部に入社。 映画をメインに、カルチャー記事担当デスクとして勤務した後、2020年フリーに...