インタビュー
2023.01.08
宝塚OGが語る、音楽と私 Vol.16

音くり寿「音楽は自分を救ってくれる存在」〜退団後初のミュージカル『ファースト・デート』でわがままな役に挑戦

宝塚歌劇団の人気OGが、お気に入りの音楽について語る「音楽と私」。第16回は、元花組娘役として活躍し、抜群の歌唱力を誇った音くり寿さんが登場。2023年1月19日から上演されるミュージカル『ファースト・デート』への意気込みや宝塚時代の思い出の歌、好きな作曲家について語ってくれました。

取材・文
NAOMI YUMIYAMA
取材・文
NAOMI YUMIYAMA ライター、コラムニスト

大学卒業後、フランス留学を経て、『ELLE JAPAN(エル・ジャパン)』編集部に入社。 映画をメインに、カルチャー記事担当デスクとして勤務した後、2020年フリーに...

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宝塚在団中は男性に振られる役が多かったけれど、今回は……?

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音さんの新作舞台『ファースト・デート』は、2013年にブロードウェイで上演されたミュージカルコメディ。ニューヨークのレストランバーを舞台に、一度も会ったことのない状態でデートをする“ブラインドデート”に挑む草食系男子のアーロン(村井良大)と、自由奔放なケイシー(桜井玲香)のドラマが描かれる。音さんはアーロンの元カノのアリソン役で出演。1月19日からシアタークリエで開幕する。

——舞台『ファースト・デート』は、宝塚歌劇団を退団後、初めて挑戦するミュージカルですね。NYを舞台に、“ブラインドデート”に挑む男女の駆け引きをスピーディに面白く描いた本作に、出演が決まったときのお気持ちは?

 この舞台は以前、ニューヨークで観たことがあるんです。英語なのですべての内容は理解できなかったのですが、すごく面白くて! その後、脚本を読み、こんなに面白い舞台に出られるなんて夢みたいと思いました(笑)。

音くり寿(おと・くりす)
埼玉県出身。2014年宝塚歌劇団に入団し、花組に配属。2017年『MY HERO』、18年『蘭陵王』などの作品でヒロインを務める。主な出演作は、『花より男子』、『はいからさんが通る』、『元禄バロックロック』など。22年、宝塚歌劇団を退団。2023年1月にミュージカルコメディ『ファースト・デート』に出演。

——舞台になるニューヨークは、お好きな街なんですか?

音 宝塚に入る前によく行っていましたし、退団後も行きました。街の雰囲気が好きですし、舞台もよく観ています。

——音さんは主人公アーロンの元カノであるアリソン役。役についてはいかがですか?

音 台本をいただいたときのアリソンの第一印象は、わがままで自己中心的で、アーロンの振り方がもうひどいな~ って(笑)。アーロンの頭の中にある理想のアリソンと現実のアリソンの違いをわかりやすく表現できたらいい なと思います。 

宝塚に在団中は男性に振られる役が多かったので、今回は逆だなと思いながら、だがしかし結末は……!? とにかく楽しんで演じたいと思います。 

あと自分の課題としては、宝塚は表現をオブラートに包むところがあるのですけど、今回は直接的な表現が多いなと。お稽古を通して『ファースト・デート』の現実的な世界に、自分を慣らしていきたいです。

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