2023.08.20
日曜劇場『VIVANT』の壮大な世界観を盛り立てるクラシック音楽
交響曲第2番は、中世以降発展したグレゴリオ聖歌にある《怒りの日(ディエス・イレ)》の旋律が執拗に引用されている点が大きな特徴だ。「怒りの日」とは、キリスト教における「終末の日」を示す。世界が終わる日に、これまで生きてきた人間が地上に復活させられ、進むべきは天国か地獄か、その審判が下されるのだ。
『VIVANT』に登場した交響曲第2番第1楽章の冒頭も、《怒りの日(ディエス・イレ)》が形を変えて引用されている。不正を働いた山本が裁きを受ける瞬間にマッチしているといえる。
シーンにぴったりと合うだけでなく、ストーリーに奥行きをもたせるクラシック音楽。新たな視点から物語を楽しむのも乙だろう。今後、また新しいクラシック音楽が登場することにも期待したい。
放送:毎週日曜21:00~21:54
製作著作:TBS
原作・演出:福澤克雄
プロデュース:飯田和孝、大形美佑葵、橋爪佳織
演出:宮崎陽平、加藤亜季子
脚本:八津弘幸、李正美、宮本勇人、山本奈奈
音楽:千住明
出演:堺雅人、阿部寛、二階堂ふみ、松坂桃李、役所広司、二宮和也 ほか