ペーター・コンヴィチュニー

Peter Konwitschny ペーター・コンヴィチュニー

オペラ演出家

1945年フランクフルト・アム・マイン生まれ。来日経験もある著名な指揮者フランツ・コンヴィチュニー(1901~62)を父に持つ。2歳のときからオペラに親しむ。ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の指揮者に父が就任したため旧東ドイツに移住した。音楽的素養の多くを父から受ける。(旧東)ベルリンのハンス・アイスラー音楽大学で演出を学ぶ。舞台芸術について東ドイツ時代ベルトヘルト・ブレヒトとワルター・フェルゼンシュタインの両巨頭に大きな影響を受ける。

71年よりベルリナー・アンサンブルに所属。ルート・ベルクハウスのもとで演出助手を務める。80年から演出家としてハレ、ライプチヒ、ドレスデン、ベルリン、グラーツ、バーセルで成功する。84年からはヘンデルの生地ハレ(旧東独)でバロックオペラを手がけ、特に『フロリダンテ』『リナルド』『タメルラン』(以上ヘンデル)『オルフェオとエウリディーチェ』(グルック)などで成功し世界的に注目を浴びる出発点となった。

オペラ専門誌「オーパーンヴェルト」にて95年以降5度「年間最優秀オペラ演出家」に選出され、直近ではグラーツでの『ファルスタッフ』がその対象である。ハンブルク州立歌劇場での成功作品は『ローエングリン』『ヴォツェック』『魔弾の射手』『青ひげ公の城』『マハゴニー市の興亡』『ドン・カルロ』『バラの騎士』『ルル』が挙げられる。04/05シーズンでは『モーゼとアロン』と『皇帝ティトの慈悲』(東京二期会との共同制作)の新制作を行った。他劇場での成功作品ではシュツットガルト『神々の黄昏』『エレクトラ』、モスクワのちペテルスブルク『さまよえるオランダ人』、ハノーファー『Al gran Sole Carico d’amore(愛に満ちた偉大な陽の下で)』(ノーノ作曲)がある。

ほかに『ダフネ』(エッセン及びアムステルダム)、『タンホイザー』『チャルダーシュの女王』『平和の日』(ドレスデン)、ノーノ『イントレランツァ(不寛容)1960』(ベルリン・ドイツ・オペラ)、『コジ・ファン・トゥッテ』『ドン・ジョヴァンニ』『微笑みの国』(ベルリン・コーミッシェ・オーパー)、『パルシファル』『さまよえるオランダ人』(ミュンヘン)、『ドン・カルロ』5幕版(ウィーン)など。

手がける作品全てが世界に大きな話題を提供し、今や一つの時代様式を形成しつつある。その演出はオペラテキストの入念な読み込みに止まらず、体得したスコアの音楽から「生きた劇場」芸術を社会の中に創出することで「非社会的なオペラ」を現代に機能するコミュニュケート手段へと変質させうるものである。

2005年二期会『皇帝ティトの慈悲』は「音楽の友」誌選定日本におけるクラシック公演の第5位に(邦人プロダクション最高位)ランクされ、各方面からの絶賛を得た。

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