読みもの
2019.04.02
4月の特集「10連休」

10連休の過ごし方:飯尾洋一の場合~サッカー、ゾンビ、カレーの日

驚きの10連休となった今年のゴールデンウィーク。ふだん仕事で多忙を極めるONTOMOナビゲーターや編集部が「10連休だからこそ」の目標を立てて、毎日の計画を発表! 普段できないあんなことやこんなこと、夢は膨らみます。
第1弾は、音楽ジャーナリスト・飯尾洋一さんの計画表。サッカー、ゾンビ、カレー、と脈絡のないワードが並びますが、果たして……?

10連休を過ごす人
飯尾洋一
10連休を過ごす人
飯尾洋一 音楽ライター・編集者

音楽ジャーナリスト。都内在住。著書に『はじめてのクラシック マンガで教養』[監修・執筆](朝日新聞出版)、『クラシック音楽のトリセツ』(SB新書)、『R40のクラシッ...

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10連休の計画表:飯尾洋一の場合

10連休の予定:内訳

4月27日 サッカー観戦の日その1 13:00 武蔵野陸上競技場 JFL 東京武蔵野シティFC 対 MIOびわこ滋賀

まず連休の序盤はサッカー観戦を楽しみたい。毎年必ずそうなるのだが、連休後半はラ・フォル・ジュルネとJリーグの日程が重なってしまうので、サッカーを見るなら序盤しかない。この日は武蔵野陸上競技場でJFLの試合がある。JFLとは、J1、J2、J3の下のカテゴリーで4部リーグに相当する。4部リーグといっても見ごたえは十分、下部リーグには下部リーグの醍醐味がある。ローカルな地元密着サッカーならではのほどよい空気感を楽しみたい。

4月28日 サッカー観戦の日その2 13:00 日産スタジアム J1リーグ 横浜Fマリノス 対 鹿島アントラーズ

続いて日産スタジアムに遠征して、マリノス vs アントラーズ戦を。観客席からピッチがとても遠いスタジアムで、観戦環境としては残念なかぎりなのだが、試合のクォリティは最高だ。マリノスのポステコグルー監督による超攻撃的なハイライン戦術は、まさにスペクタクル。得点も多いが失点も爆発的に増加するという諸刃の剣だ。

4月29日 ベルリン・フィルDCHの日

ベルリン・フィルの動画配信「デジタル・コンサート・ホール」ほど、ありがたいインターネット・サービスはない。最近のベルリン・フィル定期演奏会のライブを安価にオンデマンドで観ることができる。普段はなかなか最新のライブまで追いかけられないので、休日にがっつりと鑑賞するチャンス。いちばん楽しみなのは新たに常任指揮者に就任するキリル・ペトレンコの公演。正座して聴きたい(ウソ)。

4月30日 ゾンビの日

ゾンビに対する知見を深める一日。今もっとも気になっているゾンビ本は『ゾンビと数学 ~ 数学なしでは生き残れない』(コリン・アダムズ著/技術評論社)。来たるべきゾンビ禍に対して数学で立ち向かうという「命がけで微積分が身につく実用サバイバルホラー小説」。護身のための数学という考え方には説得力がある。Netflixで大評判の韓国ゾンビドラマ『キングダム』もそろそろ見なければ。朝鮮王朝を舞台としたゾンビ史劇という発想が秀逸。

5月1日 カレーの日

人生には彩りを加えてくれるスパイスが必要。つまり、カレーだ。最近、すっかりカレー作りから遠ざかっているのだが、せっかくの連休なのだから一度くらいは作りたい。お手軽にクミン、コリアンダー、ターメリック、レッドチリくらいのスパイスでチキンカレーでどうか。それすらめんどうならカレー粉でも構わない。少ない材料で手早く作れるのが理想。

5月2日 読書の日

普段の読書は移動や就寝前など、スキマ時間をやりくりしているのだが、この方式ではフィクションの世界にどっぷり浸れないのが難点。だが休暇中なら一冊を一気読みできる。気軽かつ上質なエンタテインメントが吉。候補は……検討中。

5月3日 ラ・フォル・ジュルネTOKYO 1日目

ここからの3日間は有楽町でラ・フォル・ジュルネTOKYOに通いたい。今年のテーマは「旅から生まれた音楽」。初日の目当てはフロレンツの交響詩《クザル・ギラーヌ(赤照の砂漠)》(公演番号144)。初めて聴く曲だが、砂漠で迷子になるくらいの気持ちで予習なしで臨みたい。エンへ指揮ウラル・フィルハーモニー・ユース管弦楽団の演奏。

5月4日 ラ・フォル・ジュルネTOKYO 2日目

2日目は朝イチから会場に乗り込んでスキップ・センペのチェンバロ・ソロを(公演番号251)。民俗音楽系で気になるのはシルバ・オクテットとアレクセイ・ビリュコフのバラライカによる「さすらいの音楽:ロマ&クレズマー×バラライカ!」(公演番号222)。シルバ・オクテットの中心メンバーはパリ管弦楽団なのだとか。午後はエル=バシャがサン=サーンスのピアノ協奏曲第5番《エジプト風》を弾いてくれるのが楽しみ(公演番号213)。

5月5日 ラ・フォル・ジュルネTOKYO 3日目

いよいよラ・フォル・ジュルネTOKYOの最終日。この日の聴きものは「パリとニューヨークの異邦人」(公演番号345)。ガーシュウィンの《パリのアメリカ人》とミヨーの《ニューヨークのフランス人》を並べるという趣向。そんな曲を書くなんて、ミヨー、おもしろすぎる。アレクサンドル・スラドコフスキー指揮タタルスタン国立交響楽団の演奏で。夜は「フォル盆」なるLFJオリジナル盆踊りが開催されるというのだが、5月の盆踊りというコンセプトが斬新だ。踊りにつられて、うっかりご先祖様が帰ってくるのではないか。

5月6日 掃除の日

祭りは終わった。仕事場の掃除にこれ以上の日はない。大量の紙資料を捨てるものと保存するものに分別する。掃除機をかける。CDを整理する。無我の境地に至りたい。

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飯尾洋一
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飯尾洋一 音楽ライター・編集者

音楽ジャーナリスト。都内在住。著書に『はじめてのクラシック マンガで教養』[監修・執筆](朝日新聞出版)、『クラシック音楽のトリセツ』(SB新書)、『R40のクラシッ...

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